第六章 招かれざる主役
@一章! 天義です。
いやぁ、最早ジョンさん悪役ですね~笑
ではでは第六章をどうぞ!
第一節:逆説の洗礼と、親友の拒絶
「せっかくだ。君に、この世界においての『とっておき』を見せてあげるよ」
逆説世界のデリスは、歪んだ笑みを浮かべ、ジーナの目の前に「地獄」を投影した。そこには、ジョンも目撃した、狂った都会の情景が広がっていた。殺し合うことで悦びを感じ、返り血を浴びて神を拝む異常な集団。
「……っ!」
絶句するジーナ。あまりにも惨たらしい光景に、彼女の精神は悲鳴を上げた。デリスは無造作に、一本の鋭利なナイフを彼女へ差し出した。
「さあ、君もやってみなよ。一度味わえば、快感に溺れるよぉ?」
ジーナは、差し出された「救済」を汚物のように叩き落とした。
「そんな、酷いなぁ。君の友達……ジョンくんは、ここに来て即座に『救済』を始めたというのにさ」
真っ赤な嘘。だが、疑心暗鬼に陥っていたジーナの心には、その毒が深く浸透していった。
「……まだか?」
低く、温度を失った声。
「ジョン!? ジョン、どこなの!?」
叫び、狂ったように周囲を探すジーナ。だが、現れたジョンの瞳には、かつての温もりなど欠片も残っていなかった。
「……ああ、来たのか。二度と会いたいたくなかったのに。迷惑だ、消えてくれ」
「ジョン……お願い、目を覚まして!」
「お前は天使、俺は悪魔。……それは、変えられないんだよ、ジーナ」
ジョンは無表情のまま、ジーナの細い首を掴み、力任せに締め上げた。
「……嬉しいだろう? 昔馴染みの友人に、直々に殺してもらえるんだからな。むしろ、俺に礼を言うべきだ」
ミシミシと嫌な音が鳴り、ジーナの視界が火花を散らす。
「フハ、フハハハハハ!! これほど愉快な情景があるか!」
傍らでデリスが、絶望という名の密を啜りながら、狂気的な哄笑を上げた。
「ジョン、ついでにその横にいる女にも、トドメを刺しておけ」
ジョンの虚ろな視線が、気を失って横たわるエルノアへと向けられた。
第二節:激昂の暗殺者、自己犠牲の煉我流
境界の地。クリスは激昂し、我を忘れかけているアルヴェスを必死に制止していた。
「今は抑えるのです! 姉上たちが危ない、至急、逆説空間へ!!」
「……俺が、姉を刺した? 冗談じゃねぇ……姉貴に何かあったら、俺は……!!」
混乱と自責に震えながらも、アルヴェスはタクトと共に亀裂へと飛び込んだ。
「マルワトック協定第15条。使者と護衛は互いに刃を交えてはならない……。分かっていますね、ミネルヴァ、リルカ?」
クリスが神の法律を突きつけると、二人の使徒は舌打ちを残して霧のように去っていった。その直後、クリスの身体が青緑色の神々しい光に包まれ始める。
一方、オリジナル・カルチャナの深部へ辿り着いたアルヴェスが見たのは、最悪の地獄だった。
ジョンが、エルノアの生気を無造作に吸い取っている光景。
「……き、貴様ぁぁああッ! ジョン・ウォールドぉぉおおお!!」
アルヴェスが吠えた。八卦術法を超越するほどの激昂。だが、ジョンは風を撫でるような仕草で、アルヴェスの神速の猛攻をすべて回避してみせた。
「……ああ、そうだ。あんたの姉さんだったな、これ」
挑発的な言葉。アルヴェスの脳裏を、ルビスの死と、ジョンと笑い合った日々が交錯する。
「……殺してやる。この命に代えてもッ!!」
アルヴェスは究極の禁忌へと手を伸ばした。
「煉我流……『夢鎖喰』!!」
それは、己の意識を強制的にジョンの深層心理へと繋ぎ、自分自身の身体を痛めつけることで相手に同じダメージを与える、凄惨な共業型の技。
アルヴェスが自らの腹部を突き刺し、血を吐きながら膝を突く。
(これで……戻ってくれ、ジョン……!)
だが、ジョンは表情一つ変えず、冷たく言い放った。
「悪いが、今の俺の意識はこの世にない。……俺は、虚無神そのものだ」
第三節:不吉な預言、漆黒の鷲の爪
アルヴェスの心が、音を立てて砕け散った。
妹を失い、姉をその手で傷つけ、信じていた友さえも地獄の化け物へ成り果てた。
「……終わりだ、メノラの雛」
ジョンは漆黒の魔力を帯びた槍を振り上げ、アルヴェスを貫こうとした。
『第一に、漆黒き鷲は、深紅き鶴を殺める』
あの老婆の預言。虚無神が戦乱神の刻印者を屠るという、残酷な真理。
「アルヴェスッ!!」
タクトが飛び込み、決死の治癒術を施そうとするが、虚無の槍が刻んだ傷は、この世の理では塞ぐことができない。アルヴェスの命の灯火が、今にも消えようとしていた。
「……待ちなさい」
その時、空間を割って、眩いほどの光を放つ存在が舞い降りた。
それは、クリス・ローレット。だが、その背後には平和の御神マルクの巨大な影が重なっていた。
「虚無に呑まれし迷い子よ。……その傲慢、マルクの名において、今ここで浄化させてもらう」
クリスの手には、光の粒子で編まれた『時の錫杖』が握られていた。
運命の歯車は、絶望のどん底で、最後の反転を始めようとしていた。
御拝読有難うございました。
何を思って書いているのか分からない作品も、残り後一章で終了ですヽ(○´∀`)人(´∀`○)ノイェーイ♪
ホントは喜ぶべきじゃないのは分かってるけど、投稿者としては少し嬉しいですw
最後まで読んでくれた人には好きなキャラ投票でも設置しようかな?w




