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ゲームのGMと思った? 残念!異世界管理人でした!!  作者: 黒野されな
2章 戻れない『日常』と正すべき『日常』
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決断と俺TUEEEEEE

俺TUEEEEEや拙い文章が含まれます。

自分の肩に村民の命が掛かっている。

そう思ったゲントの決断は懸命と言える物だった。


「村に…金はそんなに無い、人材だって若い人がそこそこはいるけども少し大きな町からすれば全然少ないくらいだ。

それで…支払いに村民や俺たちが不幸にならない程度の支払いで済むなら…頼みたい。」


この少年、ゲントも親の背中を見て育っただけはあるのだろう。

今、村にあるものでかつ、村民になるべく被害が出ない物を条件に出している。


「後から大人数に説明するのも面倒だ。簡潔に済ませよう。」


「ははっ…もう村を救った気かよ…」


「そこの神像…これに対し1日に1回祈りを捧げろ。可能な限り村民全員に…これだけだ。」


テーブルを指さし、これ、と示す。

それに対して「は?それだけ?」というような顔をしているな、無理もないか。


「君たちは今信仰している神は?」


「居ないよ、創造神様に祭りで豊穣祈願するぐらいさ。」


「ならそれはそのままでいい。契約が完結した暁には村にご神体としてこの像の大きい物を置こう。ちなみに契約の中にはゲント、お前が村長を説得する事、村人に祈りを捧げる事を説明する事も含めるからな。」


げっ…と渋い顔をするので念を押しておく。


「これはある意味報酬の先払いでもある。お前が約束を守ってくれると信じるから私は盗賊を倒すのだ。」


そこまで言われて――又はリリアナの前だからか、


「分かったよ、あんたが約束を守ってくれる限り、俺も約束を守る為に努力するよ。」


「ここに、契約は成った。それでは村人を救いに行こう。」




― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 



さて、助けるにあたって装備をどうするかということで悩んでいるのだが…


まだまともな装備を試したのは剣神・建御雷シリーズの一式のみ。

そうだ、プレゼントした装備の性能も知りたいから装備はなるべくこのままで、障壁の指輪と隠ぺいの外套を付けて…

この巨人の杖・ガンバンティンという杖を使用してみよう。

装備品レベルは60、この世界水準としてはまだまだ高い方だろうか。


正直、この装備無しで肉弾戦だけでも十分…いや、確実に勝利は出来る。

しかし、村人に被害を出さないようにするには圧倒的にかつ最速で攻略する必要も出てくる。

これを成せたのであれば村民からの信仰も勝ち取り易いだろう、と私は考えた。


装備やら今後の打算をあれこれ考えながら範囲探索を掛けているとこの家に向かって来る2つの点がいるのが分かった。


最初の獲物だ。



― ― ― ― ― ― ― ― ― ―




先ほどゲントを迎え入れる為に外した閂、それが無い為か簡単に扉は蹴破られた。


「おうおうおめーら!家から出てさっさと村の中央に集まりな!」


見るからに三下、世紀末ほどの衣装では無いにしろ、薄汚れた革鎧にバンダナ、短剣に投げナイフ。

もう1人は片手斧を持っている。

現代風にいうならばDQN…はもう古いか?


「お、中々若い娘がいるじゃん!このまま奴隷商に売り飛ばす前に味見しようぜぇ!」


「お前はガキ好きだなぁ…俺の趣味はそっちのお母さんの方だなぁ…良く熟してる感じで楽しめそうだ。」


短剣はロリコン、斧は熟女好き…と余計な情報は横に置いて置こう。

リリアンも興味の対象にされたのかひっ…と後ずさっている。


売り飛ばす前の味見…ゲントが切れるには十分だっただろう。

武器も持たず、拳を振り上げ盗賊に突進する。


「あぁ?男は奴隷にするんだから黙って寝てろ!」


突っ込んできたゲントの拳を軽く躱して首筋に短剣の束を叩きつける。

ガッ、と声なのか打撃音なのか…それっきりゲントは倒れ動かくなった。


「邪魔者はー?あとはそっちのお若いお兄ちゃんだけかなー?」


「貴様らは不愉快だ、少々寝ていろ。」


「あぁん?度胸は認めるけどよぉ状況を見極めれないやつは死んじゃうぜぇ?」


武器をチラつかせながらにらみを効かせてくるが――


『麻痺』、『麻痺』と2回発動させる。


2人とも痙攣しながら倒れた。

初期段階のスキルだが、レベル差のせいか、装備の差か…簡単に効いてくれたようだ。


「我はこのままこの荷物を持ってこいつらの頭目の所に行こうと思う。皆はこのゲントを介抱してやれ。良くも悪くも皆を守ろうとした結果だ。あと念のため家からは出るな。」


私は荷物になった盗賊を2人引っ張りながら、家から出る。

範囲探索によると村の中央にある広場、そこに村人が集められているようだ。

そして、そこには気になっていた大きな赤い点…真相はすぐ先にあるだろう。




― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



マップを見つつ、沢山の点が集まっている場所…あそこが村の広場か。

ずるずると痙攣しながら動かくなったロリコン盗賊と熟女好き盗賊を引きずっていく。


広場が近づくにつれ、状況が見えてくる。

広場には固められた30人程度の老若男女、それを取り囲む盗賊たち…ん?

大きな点はまだ後ろ…位置的には森の中に控えているな…


広場まであと50メートルといった所で盗賊の仲間と思わしき連中が数人群がってきた。


「おいおい、綺麗なお兄ちゃん。その引きずってんのはウチのやつらじゃないのか?」

「優男1人にやられるなんてだっせぇなぁ!」

「この人数差で歯向かうってのは相当なバカか命知らずか過信したアホだな!」


好き勝手言ってくれる。

傷も無く、殺しもせず相手を無力化するとなれば相当の力量さか装備か特殊な能力か…いずれも侮れない何かを持っている事が予想できる。

という事は群がってきたこいつらも見る目無しのゴミという事で決定。


「あぁ、勝手に家に侵入してきたので懲らしめた。捨てる場所が無かったのでな、返すよ」


モブ盗賊Aとモブ盗賊Bに1人ずつロリコンと熟女好きを投げつける。

人間というものは同じ人間を放り投げる事は出来ても野球ボールのように投げる事は出来ない。

だが、この人ならざる肉体でなら可能。

キャッチボールの要領で投げる…当然受け止められる訳もなく2人(モブAとロリコン、モブBと熟女好き)が1つの塊となって飛び、30メートル程度飛んだ所で停止した。

仲良く4人で白目を向いている。

残ったモブ盗賊Cはひっ、と異常を察して逃げ出していた。

状況説明をしてくれてなおかつ頭目を連れてきてくれれば御の字かなぁ。



「かっ頭ぁー!頭ー!」


「…なんだ、騒々しい。」


「歯向かう輩がいます!すんげぇ強くてもうロリコンと熟女とモブA、Bの4人がやられてるっす!!」


「へぇ…奴隷を集めるだけだと思ったけどそれなりに腕の立つのもいるか…」


「お頭さん、目的を忘れちゃ困りますよ?」


フードを被った女性…外観は分からないが声からすると若い女性だろうか。

荒くれたちの中にポツンといる似つかわしくない姿、どうみても黒幕です。


「なぁに、ちょっく遊ぶだけさ…お前ら!村人をしっかり見てろ!俺はちょっと遊んでくる。」


ニヤァっと笑みを浮かべながら愛用の戦斧を握りしめて立ち上がる。

柄を肩に掛けるとズンと重みで若干だが足が沈み込む。


「モブC、案内しろ!」


正直退屈だった、いくら金払いの良い仕事とはいえさして抵抗も出来ない村人を集めるだけ。

そのあとは依頼主の…あのフードの奴が村人を使って何かするらしいが…まぁ、俺には関係ない。

やっぱり少しは歯ごたえのあるやつがいねぇと面白くない。



広場に向かってゆっくり歩を進めていると向こうから戦斧を担いだ男…?まだ遠めでよく見えないが人ではないような…が向かってくる。

先ほど逃げたモブCが一緒ということからこいつが頭目か、もしくは団内の実力者というところだろう。

念のため確認しておくか。


名前:ギル・レド

種族:犬型亜人

階級:盗賊リーダー

性別:男

レベル:26

状態:健康

職業:戦士



初めての亜人種だ!犬耳!犬顔!

冒険者だったり、モンスターだったり一般人だったりでステータスの出方違うんだなーとか思っていたら向こうから声を掛けて来てくれた。


「おぅ、おにーちゃんがウチの団員を可愛がってくれたって?」


「ドアの入り方が悪かったのと、相手の力量も分からず喧嘩を吹っかけてきたのでね。」


「ハッハッハ!生まれも育ちも大した違いの無いクズの吹き溜まりさ!そこは勘弁してくれよ…ただこっちも仕事でね。邪魔されちゃ敵わないんだよ、だから…」


戦斧を構え、重心を低くする。


「とりあえず、死んでくれ。」


「それは無理だ、こちらも仕事なんだ。」


「そうかい――!」


と言い終わるかどうかで踏み出してくるが、中々に早い。踏み込んだ部分の地面が陥没している事と戦斧を持った上でのあの速度。

相当な膂力を持っているという事だろう。

これは指輪の能力がどの程度か計れる機会…あえて何もせず受けてみようか。


"構えもしない?

動かない?

装備から見て魔法系!

なら一気に詰める!

それなりの手練れだと思ったが――いいや真っ二つだ!!"


上段の縦一文字、唐竹割…言葉は単純だが威力は抜群だ。

振り上げた武器の重さ、重力加速、自身の体重…それらが相まって一つの暴力として振り下ろされる。

並みの剣で受けたのなら折れるだろう、並みの技量なら受け流せずに傷を負うだろう、達人ならば避けるか受け流すだろう。

私はどれでもない、少なくともステータスはMAXだから避けられるだけの動体視力もある。

かと言って今手にしている杖は『並み』ではない上級の一品…

では何で受けるのか?

障壁の指輪…少々前に冒険者にプレゼントした『敵意のある攻撃に対し一定の威力まで無効化』する物だ。

これでも耐えられるようなら相当の事が無い限りは大丈夫という結論が出来る。



戦斧が私の額まであと10センチといった距離で指輪が光り、体を薄い膜が一瞬で覆う。

その刹那、ガイン!と鉄と鉄がぶつかったような音が響く。

上手く発動して戦斧を跳ね返したらしい。

軽く見積もっても今の一撃を耐えれるのならあの4人の道中は安泰だろう。


「チッ…全力の打ち込みでもダメかよ…おにーちゃんよ、魔導士か何かかい?」


「今はそんな認識で構わないよ。

それで?実力の差がはっきりしたなら村人を開放して貰えるかな?」


「さっきも言ったろう?これは仕事なんだ。完遂させなきゃ報酬も無い、飯が食えなきゃ終わりだ。」


「代わりに私に雇われる気は?」


こいつらの動機が金、食料とか生活に面したものであるのなら十分に交渉の価値がある。


「へぇ、兄さん見かけより慈悲深い。でも世の中には信用とか義理ってものがあってね…これを失敗したら俺たちの首が飛ぶのさ…」

"おい、モブC、あのフードの姉さん呼んで来い。俺じゃ時間稼ぎにもならねぇ"

"ヘイッ"


何やら小声で話したあとにモブが走っていたがとりあえずスルー。


「その通りだ、義理、人情、信用…これらは普段の行いで積み重ねていくもので良い条件にころっと寝返るようじゃ次の仕事は回ってこない。実によくわかる。

で?君たちの首が飛ぶっていのは奥に隠してあるモンスター…かな?」


「…てめぇ、どこまで知ってる。」


さっきまでのお遊びの雰囲気が消え、確実にこいつは敵だという目をしている。


「私は何も知らないよ。ただこの村に盗賊団が来て、そいつらの背後に『デカい何か』がいるってことだけさ。」


「そこまで知ってるのか、どうせアレが動けば俺らもお払い箱…証拠を残さない為に消されるだろうし、冥土の土産だ。俺たちの後ろに居るのは――『サンダーシュート!』


ギル・レドの体が稲光に包まれ、ぶすぶすと黒い煙を上げその場に倒れる。


「いけませんよ?お頭さん…あの件は内緒と言ったじゃありませんか。」


フードを被って顔を隠した女性、あからさまに今回の件の首謀者では無かろうか。


見えないのなら見てしまえばいい。



名前:隠ぺい

種族:人種

階級:隠ぺい

性別:隠ぺい

レベル:隠ぺい

状態:健康


あらま、これまた初めての状態だ。

露骨に正体を隠していらっしゃる。


「あまり、素性を隠す女性は好まれませんよ?」


「あら、女性は多少ミステリアスな方が好まれますし…人の素性をのぞき見する殿方には言われたくありませんね。」


しまった、藪蛇でした。


「それにお頭さんの斧を真正面から弾く障壁に他人の観察できる目まで持っていらっしゃるとは…これは私も全力を出さないとまずそうですね…デモンゴーレム!!」


マップ上の大きな点が動き出した。

ずしん、ずしん、と地響きが響いて来る。

林をかき分けて、いや樹木を折り砕きながら現れたのは全長5メートルほどの岩で出来た巨人。

一般的なゴーレムというのは特定の材質で作られた人形のようだが、このゴーレムはただの岩という訳ではなさそうだ。

表面に紫色の文様が全身に張り巡らされている。それが定期的に明滅してまるで生きているかのようだ。


「このゴーレムは特別製でして、私の魔力による強化と人間の生命エネルギーの吸収と呼びましょうか、吸収するごとに強くなる!ゆえに!殺せば殺すほど最強に近づく理想の兵器!!

既に罪人…主に死刑囚だけですが30人ほど吸っていましてね?それだけで元のゴーレムの10倍の強さ!それに加え村人のエネルギーを吸ったらどれ程の物になるか…」


どんな作品でもそうだがマッドサイエンティストとかロマン兵器を追い求める奴はこう、アピールしたがりというか。


「…予定としてはこのまま行けそうだったのですがあなたのような誤算が居ては計画に支障が出ます。なので…さっさと死んでくださいね?」


名前:ゴレちゃん

種族:ゴーレム

性別:無

レベル:48

状態:魔力汚染



ゴレちゃんって…可愛がっていたのか、愛情が歪んだのか…


「おほん、悪いがゴレちゃんは壊させてもらう。」


「ッ!こいつはデモンゴーレム!ゴレちゃんではないッ!」


巨人の杖・ガンバンティンを構える、巨人の最初の相手が巨体というのは皮肉なのか、そうでもないか。

この杖の能力は魔法防御系なので使えない。

ましてこの前のような酷い威力の技では村まで壊滅させかねない。

スキル欄を確認し、なるべく低威力の攻撃魔法をチェックしていく。


「グッ!私のゴーレムをさっきの斧の一撃と同じと思うなよ!!叩き潰せッ!」


「Goooooo…」


ゴーレムが私めがけて拳を振り下ろし、命中する。



ドォォォォォン!と地響きと土煙。

ゴーレムの拳は深々と地面にめり込んでおり、あの優男の姿は見えない。


「はははっ!多少魔術を納めたからと言って!物理で押し切ってしまえばただのつぶれた蛙だ!!」


高笑いがひと段落し、フードの女は恍惚とした表情でゴーレムを見つめる。


「やっぱり、私のゴーレムは至高の芸術にして最強の兵器…あぁ、興奮が収まらないねぇ」



「それが至高で最強なのはちょっと異論を挟みたい。」


私の上にあるゴーレムの拳に初級の火魔法、ファイヤーシュートを打ち込むと青い炎がまっすぐに天へ昇っていく。

ゴーレムの拳は溶け、消し飛び、焼失した。


私は立ち上がるようなしぐさで埋まった地面から抜け出す。


「よっこらしょ…まったく、服が埃まみれじゃないか…」


パンパンとすそや肩を叩き埃を落とす。


「なっ…なんで死んでない!?」


「貴女に教える必要はない、そしてそのゴーレムの実験もこれで終了だ。」


解説すると、ゴーレムの叩きつけで指輪で作られた障壁は割れた。

しかし、元のステータス差からかダメージはゼロに等しかった。


「何を…!ゴーレム!もう一度潰せ!!」


「だから実験は終了だって…"ファイヤーシュート"」


再び青い炎が一直線にゴーレムの胴体を貫き、周りを溶かしてゆく。

そこに核でもあったのだろうか、それっきりゴーレムは動かず、徐々に崩れてゆく。


「ゴーレム!ゴレちゃん!!…何だ、そんな"ファイヤーシュート"はあり得ない!青だなんて…どんな能力を使った!?」


ゴーレムを無くした女性が私に食って掛かる。


「教える必要は無いと言ったはずだ。『睡眠』」


あなたには聞きたいことがいろいろと出来たから確保します。

ゴーレムに縋りつくように寝息を立てる…やはり声の感じから予想は出来ていたが女性のようだ。


さてギル・レドも魔法を食らって瀕死だが…どうするか。


「「「お頭ぁ!」」」


部下が縋りつく、こういう部下が助けに来るような奴は基本的に悪い奴じゃない。

それにこういう輩は味方になるパターンが往々にしてあるものだ。

恩を売っておいて損は無い。


「そこの盗賊モブC!こいつをお頭に飲ませとけ」


そういって中級ポーションを投げ渡す。


ゴーレム使いの女は拘束するとして…さぁ、次は村長との直接交渉だ。


まぁ、ゲントの働きに大いに期待するとしよう。

読んでいただいてありがとうございます。

ブックマークや評価を頂ければやる気に直結します。

よろしくお願いいたします。


祝ブックマーク10件!

まだまだ始めたばかりではありますが、固定で読んでくれる方がいることは励みになります。

今後とも可能な限りかんばりますので宜しくお願い致します。

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