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ギグワーカー

モネはもう10年以上ギグワーカーだ。


長年多数の飲食店を展開しているのもコンサルティング管理しているわけで実際のオーナーは政治家や俳優の家族たちで、彼らは自分達の考えでビジネスをするのではなく動かしてくれる人間を探してきて余った金を出して丸投げで任せておいてさらに利益を取るのだ。


モネには柔軟な思考と高い論理力があるので京都にいれば何年も先までコンサルティングの仕事が入ってくるが、ラクをして儲けるのは金持ちの老人とその子孫らばかりなのがまったく気に入らない。


豊かな社会では、誰もが頑張れば面白いようにお金や正しいチャンスを得られなければいけないとモネは思っている。


世界的な観光地京都市とはいっても嵯峨鳥居本は西の端で割りと不便なのでこの大きな町家も破格値で安く買え、京大関係で急にに使うときも予約が要らないモネの西の別宅になっている。


京都市民は知らないが、実はこのあたりは有名政治家や俳優の持ち家ばかりで、モネのコンサルティングも彼らと結び付くことが少なくない。


モネは無責任な輩が勝手に決めた税率で集めたお金を勝手なことに無駄遣いする元手となっている税金を負担したくないので頑張って働いたりせず、気に入った仕事しか請け負わない。


ひと月で人の年収ほどを稼ぐモネのコンサルティング料は経費を捻出して使いきらなければならないため、モネの西のうちにはモネが雇ったギグワーカーの卵達がせっせと働いている。


アツシとカエデは無縁仏のための化野念仏寺や幽霊トンネルを越えた先の紅葉で有名な神社まで何時間も散歩しながら時折相手の位置を確認するだけで無言で木々や笹ずれの音を聴いていた。


もうどれくらいモネのうちから離れたのか分からないが、知るヒトが居ない綺麗な場所で、2人とも今夜の自分達の、男と女の交わりのことで胸が一杯になっていて、いつの間にかしっかりと指を絡めて手を繋いで歩いていた。


うちでは、医学生だった姉に恋人だと紹介されてモネに一目惚れして以来今だ会うたびにますます憧れているケンゾーが、モネに恋心を告白してキスをせがんでいた。















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