第3話
戦いを始めて一ヶ月が経った。村程度の襲撃ならば里の者は問題なくこなした。
ついでに戦いで知った陣形や戦略も少し試してみたが、問題があるかどうかもわからなかった。
生き残った村人の扱いは少し考えたが、とりあえず捕虜として持ち帰ることにした。
労働力程度にはなるかもしれない。
そういえば襲撃した村自体をどうするか、里長に聞いていなかったな。
とりあえず目に付いた家に入ってみる。
家の中を見渡す。人の気配がした。探ってみると、床下から呼吸音がする。
目星をつけて床に剣を突き刺す。
悲鳴が上がった。抜くと剣に血が付いていた。
改めて見渡してみるが、目新しいものはない。
しばらく考え、里の者には生き残りの捜索と金、食料の確保を命じた。
他は放置するが、この二つはあって困らないだろう。
里に帰って戦果を報告する。次からも同じように金と食料だけ持ち帰ることになった。
建物を壊すか話し合ったが、面倒だし使い道があるかもしれないので放置する。
連れ帰った捕虜を里長に預ける。
里長は処遇に困ったようだが、働ける年齢の女以外は殺すことになった。今回持ち帰った捕虜では3人が生き残る。
それから3度、同じように襲撃を繰り返した。この後はしばらく休むらしい。
問題の洗い出しや今後の方針を決めることになる。
里の外のものと忙しく連絡を取り合っている。
俺も何度か意見を求められた。鍛錬の合間に答えられることだけ答えた。
里の外の協力者からの紹介で、変わった男が訪ねてきた。
ひょこひょことあるく変わった男だ。あの歩きではここまで大変だろうと思ったが、森の外まで馬車を使っているらしい。
脚に怪我でもしているかと思ったが、どうもそんな感じではない。
本来は四足で歩く種族なのだろう。
変わった男は里長と話すと、いくつかの魔法の品物を提供してきた。代わりに捕虜を持って帰るらしい。
とりあえず半分の数を引き渡す。
変わった男が持ってきたものには魔法の武具もあったが、俺は外で手に入れていた。
里長と話し合って、里の外の協力者へ渡すことになった。
他の品物は里長が管理する。必要になったら使うとしよう。
変わった男はそれからも度々やってきた。
その度に薬や金属の部品など役立つものを持ってきた。
渡せる捕虜もいなくなったのでもう一度近くの村を襲撃することになる。
偵察をすると、どの村も警戒を始めているようだ。国の兵士はまだ来ていないようだから、過剰な警戒は必要ない。
前回は日中に襲撃したが、今回は夜襲をかけることにする。
元々俺達は夜目が利く。これから先は夜襲が主になるだろう。
問題点も見つかった。隠れて行動するのに慣れていないものたちが襲撃前に見つかってしまったのだ。
この規模の夜襲なら村に入るまで相手に見つかりたくない。
もっと大規模ならば見つかっての夜襲も意味があるだろうが、それほど大きくない。
見つかったところで村一つ程度問題もなかったが、先を考えるとこういった訓練もさせた方が良いかもしれない。
考えてみると、狩り以上の集団行動には慣れていないんじゃないだろうか。
今回の捕虜は少し多めに持ち帰る。引き渡し先もあるから困らないだろう。
村から逃げだそうとした者たちもいた。あっさり見つかって皆殺しになったが。
全員で襲撃するのではなく、外に予備戦力を置くべきだろうか。
次は村の外から誰か来るかもしれない。その見張りもかねて予備選力を作ることにしよう。
そういえば日中襲撃するのならば、村の外に出ている者がいることを考えるべきだった。
今度から気をつけよう。
捕虜を持って帰って里長に報告する。
「確かに、そろそろ他に指揮できる者が欲しいですね。何人か目星はつけてあります。彼らに部隊を率いさせて訓練させましょう」
話し合い、しばらく襲撃はやめて部隊訓練をすることにした。
里の外の協力者にもそう連絡すると、あちらでも同じように部隊を作ってみることにしたらしい。




