私の妹(ダルテリオス視点)
短いです。
私の名前はダルテリオス。ダルテリオス·ウェルローゼだ。公爵家の跡取りでもある。
今日は私の妹について話したいと思う。
私の妹はフレイリアと言って、私はリアと呼んでいる。
いつもおどおどしていて自分に自信がなく、人見知りで人と話すのが苦手だった。
私はそんなリアにどう接していいか分からず、冷たい態度をとってしまっていた。私の弟であるヘーデリトスも同じようなものだった。
それがいけなかったのだろうか、リアは私達を見ると常に怯えてしまうようになった。
そしてまた兄妹の間に溝が出来た。
でもある日のこと、私が体の調子が悪くベッドで休んでいたときに、軽くドアがノックされて、少し開いたドアの隙間からはリアが覗いていた。
私が目を瞑っていたせいか私が眠っていると勘違いしたリアが小さい手で私を撫でて「早くよくなってくださいね。」と小声で言い、部屋を後にしていった。
私の事が苦手なはずなのに、わざわざ冷たい態度をとっている兄を見舞いに来たリアはとても優しい子だと分かった。
もしかしたら普通の兄妹の関係に戻れるかもしれない、そう私は思った。
あの事があってからリアに歩み寄ろうとした。
ヘーデリトスもリアに何かされたらしく、歩み寄ろうとしていた。けど結局出来ずにいた。
そんなときにリアが誘拐に遭ったと報告が来た。それが今日の昼の事。
第一王子と婚約をするために王宮へ行っている最中の出来事だった。
その後に出された昼御飯が喉を通らないほどに心配した。そして思った。
どうしてリアを大切にしなかったのだろうと。
7歳で誘拐となると逃げ切れる可能性は無いに等しい。私は最低な兄だとその時思った。
後悔をしても、起こったことはもう変えることは出来ない。そう思っている時に、奇跡が起こったのだ。
リアが助かったとの報告が入った。
これは私に与えられたチャンスかもしれないと思った。
そしてリアが帰ってきたらリアに歩み寄ろうと思った。
帰ってきたリアは、おどおどもびくびくもしていなかった。
誘拐未遂に逢い、性格が変わってしまったのだろうかと思ったがそうでも無かった。
だがこの変化はいいことだと感じた。
下ばかり向いていたリアは前を向いていた。
そして私達に「これからは仲良くしてくれますか」と言ってくれた。
可愛い笑顔もくれた。
リアはこんなにも素敵だったのに今まで仲良くしてこなかった今までの私を殴りたくなったが、それは出来ないことだ。
これからはリアを沢山可愛がろうと思う。嬉しいことに人生はまだ長い。これから楽しくなりそうだ。
『婚約完了』の陛下様と言うところを陛下に直しました。報告ありがとうございました。PV15000越え、総合評価400越え、ブックマーク150越え、ありがとうございます。嬉しいばかりです。これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします。