魔法を封じて
私はにこやかに微笑みながらも心臓はバクバクとなっていた。やっぱり体は正直者だわ…。
「ウェルローゼ公爵から話は聞いたみたいだな」
いつもは優しい陛下も、今日はどこかはりつめていた。どうして私に申し訳なさそうな目を向けるんだろう。
私は…頑張るって決めたのに。
「はい」
「魔法を封じることができるリングを用意したのだが、1ヶ月ほどで効果は切れてきまう。これからもリングを付けてもらうことになるが、いいか?」
陛下は心配そうな顔をして言った。私、もう子供ではないわ。そもそも、心は子供ではないんだけど…。周りからしたら私はまだまだ子供よね。
「はい、分かっております」
「では…右腕をかしてくれないだろうか」
ええ!陛下直々に付けてもらえるの?そんな、私なんかがやってもらうようなことではない。でも、陛下のご厚意を無下になんか考えられないし、…と色々悩んだ結果私は恐る恐る陛下に右腕を差し出した。
リングは細く真ん中に石がはめ込まれている蔦模様になっている。わぁ…綺麗。
私は少しの間リングを眺めいた。そして…我に帰った。ユーデル様に会いに行くんだったわ!
「では、失礼いたします」
私は一礼してから早足でユーデル様の元へ向かった。
◇◆◇
ユーデル様は自室にいるとのことだったので、そこへ向かうことにした。
コン、コン
軽くドアをノックすると、ユーデル様がドアを開けてくれた。
「お帰り、フレア」
ユーデル様のとろけるような笑顔に心がずきゅんとなる。くっ……ユーデル様格好いい!
「ただいま戻りました」
ユーデル様は私がつけているリングにめざとく気づくとそれについて話してきた。
「フレア、それが魔法封じのリング?」
「はい、そうです。綺麗ですけど、自分が罪人のように思えてきて」
「……」
ユーデル様が押し黙った。空気を悪くしてしまっただろうか。この話題は終わりにしよう。
「ユ、ユーデル様、そういえば、今日はエレナが私の身支度をしてくれたんですよ!」
私は少し大袈裟に言った。
「そうなんだね。いつもフレアは可愛いよ」
少しの沈黙の後、ユーデル様は言った。ごめんなさい。もっと空気悪くしました。どうしよう。せっかくユーデル様とお話出来たのに、このままではどんどん空気が悪くなってしまう。
ここはもう帰った方がいいのだろうか…。
「フレアも疲れただろうし、少しお茶にしないかい?」
ユーデル様が言った。あぁ、気を使わせてしまった。けど、そんな気遣いができるユーデル様が素敵だ。
「えぇ、そうですね」
私達はそれからしばらくお茶をしたあと、解散することになった。まぁ解散した理由がエレナが私のところに来て、もう帰った方がいい的な事を言ったからなのだけれど。
「フレイリア、……その…大丈夫だった?」
エレナが私を気遣った!もしこの世界に録音機があるなら録っていたのに。
「エレナ、心配してくれるのね…ありがとう」
私が笑顔でそう言うと、
「あーー、元気そうで何よりだわーー」
と棒読みで返されてしまった。でも返事がもらえないよりはずっといいし、なんだかんだエレナはいい子なんだと思う。
「ふふっ、これからもよろしくね」
「なによいきなり」
そう冷たく言い放ったエレナの頬は少し赤くなっていた、けど、あえて言わなかった。
更新が今までで一番遅れました…。皆様を待たせてしまって本当にすみません。そして、お読みくださった皆様に感謝です。もう、本当に感謝しかないです…。
これからも更新が不定期になってしまうかもしれませんが、それでもお付き合いくださる方は、これからもどうぞ、宜しくお願いいたします。
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