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神様は願いを叶えてくれた


思い出した。今、全てを。

私の名前はフレイリア·ウェルローゼ、現在7歳。

私には前世の記憶があることに気付いた今日。

何故思い出したのかは分かっている。

私が誘拐されているからだと思う。今絶賛逃げ回り中なのだが、私の幼い体では体力がすぐになくなってしまうのだ。

そんな逃げ回り中の私は、今思い出した前世の記憶を説明しようと思う。

私の前世の名前は覚えてないけど、されたことは覚えている。

私は自分で言うのもなんだけど、すごく美少女だった。


昔から「可愛いからって調子に乗るな」って苛められていたし、誘拐されるのも日常茶飯事だった。

されるといっても対処法は知っていたし、上手く逃げられたんだけど、一回捕まっちゃって、大変なことになった。

あのときは警察にお世話になった。


大きくなるにつれて被害が大きくなっていって、彼氏が私の事を好きになったからって逆恨みされたり、テストでは頑張って勉強していい成績を取ったのに「可愛いからって成績よくしてもらったんでしょ。」と言われたり、地毛が茶色だったから「可愛いからって何してもいいと思うなよ。」と髪を染めたと噂されたり、私には優しい両親がいたから家だけが私の安全地帯だった。

外に出たら皆敵ばかりで、私は怖くて家に引きこもった。

優しいお母さんが「部屋にこもってばかりじゃひまでしょ」と私にくれたのが乙女ゲームだった。


私は乙女ゲームにはまった。

乙女ゲームの世界にいる人達は皆私の事を傷つけなかった。

悪役とやらは私の事を苛めてきたが、それもカッコいい攻略対象の人達が助けてくれてこの世界に生まれたかったと何回も思った。

私はその乙女ゲームを何回もやりこんで、全てのルートをクリアした。


学校なんかにいきたくなかったけど、両親があまりにも心配するから出てみた。

今思うと出なくても良かったと思う。

だって学校に来たせいで私は死んでしまったから。

バックに入っていた乙女ゲームを奪われて、屋上から落とされそうになったから取ろうとしたら、取れたは良いけれどそのまま落ちて死んでしまった。


こんなこと思い出さなければ良かった。

でも生まれ変わったんだから幸せな人生を送りたい。

こんな現実逃避してる場合じゃないんだ。

幸せな人生を送るにはまずこの誘拐犯から逃げなければいけない。ここは人が少ない。人が多い場所へ逃げよう。


走り続けると、王都が見えてきた。急がないと捕まってしまう。


もう体力も尽きてきたが、ここは火事場の馬鹿力といこうではないか。

町につくと大きな声で


「誰か助けてください!誘拐されそうなんです!」


と言った。町の人達はびくついていたけど私はそれどころではないのだ。そんなことをしているうちに誘拐犯が私を追ってきた。どうしてこんなに人がいるのに追ってきたのだろうか。

ここは王都だがら騎士様とかいないだろうか。


ここはもう一声

「誰かーーー!助けてくださいーーーー!」


さっきよりも大きな声で叫んだ。

すると誰かが私の肩をトントンと叩いた。

誘拐犯だろうか。でも誘拐犯ならわざわざトントンとかしない気がする。助けに来てくれた心優しい人かもしれない。

私は振り返ってみると、フードを被った私と同じくらいの背丈の子だった。


男なのか女なのか…。そんなの今はどうだっていい。誰でもいいから助けてほしい。

フードの子は、私を引っ張ると騎士様がいるところまで連れていってくれた。


騎士様は私を見て驚いていたけど。

「フレイリア様!?どうしてここにいるのですか。」 


騎士様は私の事を知っているのかもしれない。だってウェルローゼ家は公爵だから。


この騎士様は王宮騎士と言う一番位の高い騎士様だから事情を知っているのだろうか。


そもそも私は第一王子の婚約者になるはずだった。

第一王子には会ったことはなかったけど、どうやら第一王子に気に入られたみたいで、今日婚約するために王宮へ向かっていたのだった。


王宮へ行く途中で、誘拐犯に捕まりそうになったので頑張って逃げてきて王都まで走ってきたのだ。火事場の馬鹿力はすごいと思う。


私は騎士様に事情を説明すると、騎士様はすぐに連絡しに行った。私達の側には違う騎士様がいてくれるみたいだ。


まだフードの子にお礼を言っていない事に気がついたので言おう。まだ間に合う!


「あの、先程は助けて頂きありがとうございました。お陰で誘拐されずに済みました。私の名前は…」


「知ってるよ」


「僕の婚約者のフレイリア·ウェルローゼ」


フードの子はどうやら男の子だったみたいだ。…ん?“僕の婚約者”え?


私が混乱していると、フードの男の子はフードを取った。


「僕の名前はユーデル·アルタリオン。この国の第一王子だよ。助かってよかった。」


彼は優しい顔をして言った。そして、私は気付いた。


“あれ、この人、私がやっていた乙女ゲーム『私だけの王子様』の攻略対象じゃね?”と。いや、こんなに口は悪くなかったけど、そう思ったのは事実。


では私はヒロイン?いや、ヒロインの名前は私の名前と一致しない。そもそもゲームでは私のようなキャラクターはいなかった…。あれ、いた気がするちょっとだけ出ていた気がする。


思い出せ、思い出せ…!思い出した!


私の兄達は双子で、ゲームでは攻略対象だった。


そして私、フレイリアは7歳の時王宮に行っている途中で誘拐犯に殺されてしまった妹だ!


あれ、それさっき終わりました。そして生き残りました…。


もしかして神様は私の願いを叶えてくれたのか。


それならこの世界で幸せになるしかないと思う。


恋もしたいし、友達もほしい。前世でやりたくてもやれなかった事を今世でやろう!と私は決意したのである。





こんばんは、伊戸菜緋緒李です。

もう一つ連載しているものがありますが、これから頑張っていきたいと思います。これからよろしくお願いします。

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