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おじいさんのおはなし 3

        9



「あのときは、びっくりしました。」

お父さんは大きなカップに入ったどんぐりコーヒーを飲んだあと、天井を見ながら話始めた。

「ぐうぜん、食べ物をさがしてまよいこんできたわたしに先生が話しかけてきたんですよね。」

「そうだったそうだった。」

おじいさんはお父さんのむねのあたりを見ながら、笑って言った。

「それまで、わたしはリスに話しかけられたことはありませんでしたから。」

お父さんもおじいさんにつられて笑いだした。

「いろんな動物が仲良く暮らしているのがこの山のいいところですからね。」



びっくりした。他の山は友達はすくないの?

「どうして?他はちがうの?お父さん?」

ぼくは気になって、おじいさんの目の前だったのを忘れて聞いてしまった。


お父さんは、ぼくのようすをにこにこして見ていた。

「他の山には仲間を食べる動物もいるから、同じ種類のなかまどうしとしか、話さないんだよ。仲良しだと思って近づいて、食べられては困るから。とくに、パンダは大きいから。」

お父さんが教えてくれた。それにつづいて、おじいさんがはなしはじめた。

「わたしはこの山しか暮らしたことがないから、よくわかってなかったんた。ただ、熊はこわい動物だとしか知らなくてね。おまけに熊を見たことがなかった。」


この山には確かに熊はいない。他にも友達を食べる動物もいない。だから、みんな仲良くなれるんだ。

ここに住んでいてよかった。ちがう山だったら、こーたと友達になれなかった。


「じつは、はじめてあなたとお会いしたとき、熊とかんちがいしたんです。」

おじいさんは笑っていた。


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