1-21:女神は今日もやきもきする
視点代わりまして、女神様視点です。
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「・・・寝ました?寝ましたよね?」
ふぅ、と私は取り敢えず説得の成功(?)に胸を撫でおろします。取り敢えず転生の同意は得られたので、彼には一回眠ってもらいます。こうしないと転生させられないんですよね。
さて、一通り彼の来歴を見てみましたが、マトモそうな人で良かったです。死因はあれでしたけど、それ以外は普通の人そうですし。この転生者の抽選ってランダムなのがネックですよね。チェンジもできないですし。問題のある人が出ても転生させなくてはならないのが、ルールとはいえツライです・・・
まぁ、そういった人は軒並み早めに退場していただくようにしてはいますが。私の所持している世界の一つですからね。悪い方向に持っていかれると困ってしまうんです。何かやられちゃうと、私自身の査定に響いちゃいますし・・・
そういう意味では、今回は当たりですね。彼には頑張って世界の発展を促していただきたいです。
えっと、彼を転生させられる肉体ですが・・・性別違うくらいは許してくれますかね?以前私が下界で遊ぶためとはいえ作っておいた体が役に立つ日が来ました。あの時はバレて痛い目に遭いましたが・・・今となっては昔の事です。私は過去を振り返らない女神なのです。
それに一応、スキルとかは便利なものを突っ込んでおきましたし、ポテンシャルとしては最高のものを用意したので、我慢していただきたいですね。
えっと、その件の体はどこに封印してありましたっけ?下界を覗いて探してみますが、見つけたのはなんと森の中でした。おかしいですね。1000年?いえ200年?くらい前はここは神殿があって、その祭壇に『神結晶』で封印して保護していたはずなんですけど・・・
神々の力で作れる『神結晶』は残っていますが、周囲が森ですか。上手いこと木の中に隠れるようにして残っていますね。あまり下界には干渉できないですし、どうしたものか・・・
というかあの森、地味に強い魔獣がいますね。このままでは下手をすれば魔獣に美味しくランチかディナーにされてしまいます。
えっと誰か彼、いえ、もう彼女ですか。彼女を助けてくれる人でも居ないでしょうか?んーーー、あ、居ましたね。えっとあの人間は、うん悪人ではないので大丈夫でしょう。念のためスキルにちょっとだけ干渉しておきましょうか。コレでよし。
さて、では転生させて、と。
あ、『神結晶』を砕いた余波が出てしまいました。・・・ま、まぁ?周囲の魔獣やら動物がちょっとビクつくくらいのはずですし?問題はないはずです。きっとそう。
い、一応、ちょっとだけ様子を見ておきましょう。そう一応。
と、しばらく様子を見ていたら、魔獣に襲われかけていました。本人は結構呑気な言葉を発してますが。あー、もう!そのくらい魔法で・・・あれ?私、魔法の解説しましたっけ?
・・・よし、仕方がありません。彼女は尊い犠牲でした。別の転生者を選別--と、おや?あ、スキルに干渉しておいた人間の方が助けてくれたみたいですね。ふふふ、さすが私です。抜かりありませんとも。
さて、その後も複数の世界の管理をしつつ、転生者である彼女の様子を時折見てはいましたが・・・まぁ大きな問題はなさそうですね。それと、早速技術の拡散もしてくれている様子。ふふふ、このまま発展させてください。
まともな転生者の方を不便な世界に放り込むと、勝手に発展をさせてくれるので楽が出来ていいですね。毎回こうだと有難いんですけどね。
さて、それから少し目を離していましたが、今度は私が命名した名前の後ろに別の名前が付属していました。ヒスイ・ドミナンス、ですか。どうやらあの助けてくれた人間の血縁になったようですね。関係は祖父と孫、と。
平和そうで何よりです。
それと彼女の修行の様子をたまに見てはいましたが・・・どうしてこう、微妙な魔法ばかりおぼえるんですか!?本来ならもっと高位の魔法とか覚えられるはずなんですけど!?あーもう、そうじゃなくって!あー、うー。
なんか・・・なんか、凄くもどかしい!声を掛けられれば一発なのに!!
どこかの神殿にでも入ってくれれば、声を届けることも可能なのに!ホント、ここにあった神殿は一体どうしたんですか!?
私は今日も転生者の彼女を気に掛けるのでした・・・
あ、あー、だから何でまたそんな微妙な魔法を覚えるかなぁ・・・
今回は女神さまの視点でお送りしました。
あと設定を挟んで、次の章に移ります。




