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2-1話 二日目が始まりました

「さてと。イルミ、今日はどうしようか?」

「んー。そうね……。まだ不慣れだし、昨日と同じ場所で狩る?」


ギルドで朝食をとりながら、今後の方針を話し合う。

客は相変わらず二人だけだった。

ミリンに確認したところ、新規プレイヤーは時間的に3日目合流になりそうとのことだった。

まあ、この朝食の場にはリルムも一緒に食べているからそこまでは話せないが。


とにかく今日までは冒険者ギルドは貸し切り状態になりそうだった。


「その前に少し武器屋も見に行きたいんだよな。手持ちは少ないけど」

「確かにね。予備の武器も欲しいし、お互い別種の武器も欲しい所よね」

「イルミは今、弓だから……近接用に短剣か?」

「それが一番手に入りやすいだろうしね。ヨキは弓買う?」

「普段が長剣だからなあ。弓もありっちゃ有りだが、とっさに切り替えできる装備がいい」

「そうなると投げナイフとかかな?」

「そうだな。ナイフに限らず投擲系になりそうだな」


基本的に二人で行動する以上、役割分担は俺が前衛、イルミは後衛になる。

なるのだが、バックアタック等が発生等、状況変化に対応するためには複数種類の装備が欲しい。

そのため、お互い補完的な装備の購入を考えることとなった。


その話を聞いていたリルムがこちらに視線を向ける。

こちらも目を合わせると、彼女は口を開いた。


「お二人の今の手持ちはどの程度ですか?」

「宿の分も残さないといけないし……使えるのは1000位か?」

「まあ、そんな所よね。さっき戦利品の分も合わせると」

「そうですね……」


俺たちの会話に入ってきたリルムは少し考えるように眉根を寄せる。

相変わらず人間と変わらないよなあと思っていると、彼女はこちらを再び見た。


「ある程度武器にも冒険者割引使えますが、基本的には良品を買うのは難しいですね」

「ま、それでいいけどな。使えるだけでいい。まだ、強い敵と戦うつもりはないし」


まだまだ周辺の探索ができればいいのだ。良質な装備が必要なレベルではないだろう。

今必要なのは、どちらかというとスキルレベルの上昇だろう。

ならば粗悪品の武器でも色々な武器を試す方がいいと思っている。


「なら、武器屋の場所と……ギルドで懇意にしている鍛冶屋を紹介しますね。

武器屋に卸せない武器とか格安で売ってくれるかもしれません」

「え、いいんですか? 助かります」


イルミの答えにリルムは頷くと街のマップに武器屋と鍛冶屋の位置が記録される。


「ありがとう。リルムさん」

「これくらいお安い御用ですよ。紹介状書いておきますね」


微笑むリルムにお礼を言う。

早速その場所を地図上で確認しながら俺は呟く。


「後は魔術だなぁ」

「そっちは追々ね。どう考えても授業料高いだろうし」


昨日のリルムとの会話から、魔術を習得できる場所は魔術の学園だろうと踏んでいた。

そうなると、当然授業料が発生するわけで。

時間もかかりそうだし後回しにせざる得ないと踏んでいた。

しかし、


「ヨキさんとイルミさんは得意属性とはわかりますか?」


リルムがそんなことを聞いてくる。


「えっと、私は風属性……かな?」


イルミが、先に答え、俺もステータスを確認する。


「俺は、闇属性だな」

「そっかぁ……」


一瞬だけリルムは残念そうにしながら、しかしすぐにその表情は掻き消える。


「昨日も言いましたけど、私は魔術学園の卒業生で得意属性は風なんですよ」

「えっと、もしかして?」


イルミの期待するような表情に、リルムは頷く。


「私が暇な時ならリルムさんに魔術、教えられますよ。とは言っても教師のように教えられる訳ではないですけど」

「リムルちゃん! ありがとう。ぜひ教えて! なんなら今すぐにでも!」


イルミは思わず立ち上がると、リルムの手を取る。

その行動にリルムは苦笑しながらも嬉しそうに答える。


「いいですよ。今日も暇ですし。というか二人が冒険にでたら昼寝してしまうぐらい暇ですし」


あ、授業料はもらいますよ。と、とってつけたように言うリルム。

流石イルミだなあ。距離のつめかたが上手い。

俺はそんなことを思いつつ、しかし顔には出さないようにして話を纏めることにした。



「じゃあ、今日はイルミの行動決まったな。ありがとうリルムさん」

「いえいえ。でもヨキさんを私が教えられないの、残念です」


本気で残念そうに話すリルム。

今度は俺が軽く手を振る番だった。


「イルミだけでも十分過ぎますよ」

「そう思ってもらえると助かります」


そんなことを言いながら、彼女は付け加えるように話す。


「闇属性だと、今は紹介できる方がいないのですよね。一人知っている人はいるのですが、どこにいるかわからなくて」

「へぇ。行方不明という事ですか?」

「まあそうです。でも、あの方の事ですから100%無事ですけどね」

「強いのですか?」

「とんでもなく」


言い切られた。つまり彼女は何やら強NPCと知り合いでもあるらしい。

これ、リルムと仲良くして正解だったな。どんどん情報が出てくる。


「そうしたら、俺が鍛冶屋行き。イルミは今日は魔術の勉強か。丁度いい分担だな」

「そうね。じゃ、装備の方はよろしくね」


話はまとまり、食事も終わり、俺はそのまま外へ出る。

まずはリルムが懇意にしているという鍛冶屋へ向かう事にした。

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― 新着の感想 ―
[一言] リムルが魔法の得意属性を聞いた時、主人公がステータスを確認したけど、それ必要か? 初期値で闇属性Lv10、ミリンがわざわざ運営に確認するような事が起きたのに忘れたのか?
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