表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】思い込みで死亡フラグ回避に奔走します!  作者: いか人参
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/153

時間制限と準備


兄上とは歳が離れていたが、仲は悪くなかった。あんなことが起きる前はそれなりに慕っていたと思う。


優秀だった兄上が、好きな人がいたのにも関わらず、政略結婚を強いられたことで起こしたあのクーデター。あれが無ければ、私は、王位継承権第一位になることは無かった。


そう、あんなことが無ければ…


今は当たり前である恋愛結婚。これは兄上が残したものだ。しかし、あの日から兄上の名を口にすることは禁止されている。

彼のおかげで私たちは幸せを手に入れられるというのに。


だから私は決めた。

次に国王となる自分こそが、心から愛する者と結婚し、幸せな王家を作り上げると。それが、今の私が兄上のために出来ることの全てだと思っている。


なのに、




「はぁ。今日もエルザ嬢に想いを告げられなかった…」

「昼休みのカフェテリアで告白する馬鹿がどこにいますか。」


放課後、クレメンス殿下とアイザックの2人は、いつものように生徒会室で雑務を片付けていた。


「しかし、そろそろ時間がありませんね…」

「分かっている。」



クレメンス殿下と結婚する者は、婚約した段階で、王妃になるための教育を受けなければならない。それは、どんなに優秀でも最低1年間、普通は3年ほど掛かると言われている。


これまでは政略結婚だったため、15までに相手を決め、3年間王妃教育を受けた後18で結婚することが慣わしであった。


そのため、自分で相手を決めるのなら遅くとも18になる前までに、と国王陛下から言われているのであった。彼は今年17になるため、残された時間は少ない。



「やはり、皇国の建国祭が最適でしょうね。おそらく、そう思ってトマス皇子も情報を流してくれたのでしょう。殿下達に残された時間は僅かですから。」


「そうだな。そこで彼女に想いを告げる。エルザ達も夜会に出るのだろう?彼女にドレスを贈るのはどうだろうか。」


「確実に引かれますね。」


「では、薔薇の花束か…」


「彼女のトラウマを増やしてどうするんですか。」


「そこまで言うか…」




************




メンシスはこの日仕事を早めに切り上げ、夜屋敷に商人を呼び付けていた。

物欲のない彼には珍しい行動で、使用人たちは興味深そうに様子を伺っている。もちろん、彼に気付かれないよう装いながら。



彼は迷っていた。


目の前には、

シルバー、ヘーゼルブラウン、ピンク、パープル

が並んでいる。


彼の手はそれぞれを行ったり来たりしている。どれも決定打に欠けるらしい。




「うーん、、思い出の色も悪くないけどね、ちょっと弱気すぎるんじゃない?」


マルクスが面白そうな顔をして、部屋の中を覗き込んできた。


「でもねぇ、こっちはこっちで重いかなぁ。」

「お前、それアドバイスでも何でもなく、ただ言いたいだけだろ。」

「バレた?」

「はぁ…」

「こういうのはね、自分で選ばないと意味がないんだよ。迷って悩んで相手のことを考えて、ほら、幸せでしょう?」

「ああ、そうかもな。」



メンシスは、マルクスに揶揄われながらも、その後たっぷり1時間悩んでようやく決めたのだった。






※殿下のお兄さんの話は、第2話に記載があります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ