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私は私


やってしまった。。。。

完全にみんな引いたよね。


普通貴族が、しかも高位の令嬢が働きたいだなんて言わないよね。


家にお金はあるし、家族も私のことを溺愛してくれている。それなのに、働きたいだなんてよほどの変わり者よね、、。


私がもし転生者じゃなくこの国に生まれたのなら、普通に誰かにときめいて恋に落ちて自分の家族を作ろうとしていたのかな。


もし私がエルザじゃなかったら、、




「別に、いいんじゃないか。」


その声にハッとして顔を上げると、こちらを真摯に見つめるメンシスと目が合った。ヘーゼルナッツ色の瞳に吸い込まれそうになる。


「自分で選んだことをして何が悪い。周りのことなど気にする必要はない。」



あ…



私、前世の時からのクセでまた無意識に周りの目を気にしていた。


周りと比べて自分のことを否定しても何も変わらないってちゃんと分かってたつもりだったのに。


彼の言葉はいつも私に気付かせてくれる

なんと心強い味方だろう。



「ありがとう、メンシス。」

エルザは花のような笑顔でお礼を言った。


そして、彼は無言で頷き、すぐさまそっぽを向いて耳を赤くしている。



「たしかにメンシスの言う通り、選べるのなら働くのも良いかもね。でもやっぱり気になるんだけど、結婚したくない理由って何かあるの?」



きたーーーーーー!!!

答えにくい質問No. 1 !!




冤罪で断罪されて投獄されたあげく、惨殺というフィナーレを迎えたくないからです。



そんなこと言えるか!!

今度こそ頭おかしいって思われるわ。。


数十秒考えたのち、ようやく口を開いたエルザ。


「そうね、、なんというか、その、裏切られるのが怖いのよ。婚約破棄されるとか、ね。」



これで伝わってくれ!

と心の中で手を合わせて必死に祈るエルザ。



「うーん、、裏切られるのが怖い、か。それは分からなくもないかも。婚約破棄なんてされると次の結婚はかなり難しくなるしね。」


うんうんと腕を組んで頷きながら同意を示すマルクス。



お?これで納得してくれたかんじ、、かな?



「あ!婚約じゃなくて、すぐに結婚すればいいんじゃない?うん、それがいいよ。いつか素敵な人が見つかったら、プロポーズと同時に婚姻宣誓書を王宮に届けてしまえば安心できるでしょ?」


いつものニコニコ顔で言うマルクス。


他の人は、何言ってるんだコイツと言いたげな目でマルクスを軽く睨んでいる。



「あ、それありかも。」


「「は?????????」」


今度は、マルクス以外の全員の声が重なった。



「ありがとう、マルクス!そうよね、逃げるから臆病になるのよね。うん、私もっとちゃんと頑張ってみるわ!」


「あ…うん。それは良かったよ。」


マルクスは自分はもしかしたら変な方向にアドバイスしてしまったのかもと不安に思い、メンシスの方を見て、声を出さずに目線で謝った。




その後、エルザ達は行きと同じ馬車に乗り込み無事に帰路についた。

ちなみに、帰りもエルザは爆睡していた。




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