表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/16

Y先生と校内放送

「おはよー」「わあ、○○おはよー」


賑やかなはずの学校が今日も始まろうとしている。

まだ太陽の位置が低いせいかとても眩しくて前が見にくい。

良介は校舎沿いの影に入る。

ずっと眩しい所にいて、突然影に入ると目の瞳孔が小さくなっていたせいか、数秒物がはっきり見えなくなる。

よく見えないまま、目を擦りながら昇降口に辿り着く。


ん…?


何か変な空気を感じる。

ようやく目も暗い所に慣れてきて、はっきり見えるようになってきた。

そこで変な空気を感じた理由が分かった。

周りにいる生徒が全員こっちを向いている。

でも良介がその生徒らの方を見ると、決まって目を逸らす。

そして良介が視線を戻すと、またこっちを見てくる。

なんなんだ…?


その理由がやっと分かった。

「放送します。3年の関口君はいますぐ職員室、山田のもとへきてください。5回目ですよ。早くおいでなさい」


5回目…

どれだけ朝から放送かけてるんだろうか。今日はたまたま早くきたからあれだけど、いつもなら今の15分後ぐらいなんだけどな…

あと俺なんかしたっけ?


そう心の中で思いながらいつもとは反対側の校舎にある職員室へ向かった。


山田先生は職員室前の廊下で待っていた。

「やっと来ましたか。遅いですよ。何回も呼んでるんだから早くくる!」

「え… でも、それは…」

「なにか?」

良介がこれは仕方ないんじゃないかと言いたくなったが、山田に制された。

「あなたねえ。自分の立場が分かってるんだったら早く登校するとかそんな事も考えられないの?」

なんて理不尽な、と良介は思った。

まてよ、自分の立場って何なんだ?

「あなた、何か文句があるならさっさと言いなさい。そんなねぇ、何か言いたそうな顔をされるのが私は1番嫌いなの。ったくどいつもこいつも…」

山田は5m離れている人にも聞こえるような音で舌打ちをした。

「すいません」

「でね、今回あなたを呼んだのはこんな事を言うためではないわ」

そう言いながら職員室に入っていった。

その時、鼻を刺すような香水の匂いがした。思わず顔がゆがむ。

30秒ほどすると、ある物を片手にまた戻ってきた。

「これが何か分かりますか?」

それは、この前宿題で提出した数学のワークだった。

「はい…」

何の事がよく分からなかった。

「単刀直入に聞きますけど?あなた、今回の宿題を自分の代わりに誰かにやらせたでしょ?どうなの?」

「えっ。いえ、僕は自分でやりました」

「うそ、おっしゃい!どうどうとよくそんな嘘を言えるわね」


嘘?

嘘をついているのは先生の方じゃない

のか?

「はぁ。やっぱりあなたはこんな人間だったのですか。自分で言うのを待っていたのに。残念です」

自分で言うのを待っていた?

じゃあもとから、俺が誰かにやらせたって決まってたのか?

「ちょっと待ってくださいよ。なんでもう俺がやらせたって決めつけているんですか?あと誰にやらせたって言うんですか?」

「えっ?誰って。それは、あの… そう、上田君ですよ」

俺が上田に?

また、何か言ったのかあいつ。

良介は少し下を向いた。

「ほら、図星じゃないの。しかも、あなたは一度上田君に暴力をふって、謹慎になってるんでしょ?決めつけるも何も、こんなんじゃほとんど確定でしょ?ほんと、いつもおとなしい子が暴力や何やらをするのは本当なんですね」

「で、でも…」

「もう、文句はいいでしょ。さっきからペラペラペラペラ。また、あなたの処置について決定してから職員室に呼ぶのでもう行っていいですよ」

そう言って職員室に戻っていった。

その場にとどまっていると「まったく、無駄な事に時間を使ったわ」という声が聞こえてきた。

理不尽というか、言っている事とやっている事が全然違う。

自分が良介を呼んでおいて無駄な時間だっただとか、文句があるなら言えって言ったのに良介がこの件を否定しようとしたら、もう文句を言うなだとか…

ふぅ。ため息をついて、教室へ向かった。


ちゃんちゃちゃちゃんちゃん

メールが届いたみたいだ。

着メロは自分が1番好きな曲にしてある。

「「Toナナ

関口が上田に数学のワークさせたって山田先生に言ったよ。

もちろん関口はやってないけどねー

どう?

Fromゆか」」


イイね!!10ポイントかな?!

そう返信した。

松下が採点係になってから初めてのメールだった。

こうやって関口がどんどん追い詰められていくのを眺めていられるというのはとても満足だった。

また、あの着メロが流れる。

「「早くポイントいれてよー!」」

そうだった…!

ポイントを入れるには例のサイトにポイントのかいたメールを送ればいい事になっている。

松下はすぐにポイントのかいたメールを送信した。

サイトが更新される。


吹部チーム 10pt

チームMSU 0pt


チームMSUのMSUは村上、関本、上田の三人の頭文字をとった物らしい。

もっとセンスがある名前にしたかったらしいが時間がなかったようだ。


「ふっ、たかが10ptだぜ」

更新されたサイトを見て関本が言った。

「僕たちの計画が上手くいったら100ptはくだらないだろうね」

上田が横から言う。

「まあ、おれらの圧勝は決まってるもんだ。わざわざ勝負をふっかけてくる何でバカだな。あいつらも」

村上がにやけながら話す。



「先取点もらったね、ゆか」

吹部チームの峯が言う。

「まぁこれからだけどねー」

三山が自慢気に話す。

「敵ながら名案だったよね、村上のやつ。ポイント制なんて」


ポイント制は名案だ。

誰もがそう思った。

しかし誰もこの制度がこれから巻き起こす事を予想していなかった。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ