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をぐらのさうし 巻之弐十六  作者: 小椋夏己
2026年  6月

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433/442

全員がおいしいスイカの切り方

挿絵(By みてみん)


 昨年は万博万博で気がつけば夏が終わってしまっていて、後になって、


「あ、スイカ食べてない」


 と気がつきました。


 スイカって今は年中売ってます。実はずっと昔、寒い最中にインフルエンザでダウンして、胃腸もやられて水も喉を通らなくなったことがあるんです。その時に水分としてとれたのがスイカでした。母が近くのスーパーでカットスイカを買ってきてくれて、それが喉を通った時のうれしかったこと。


「スイカに命を救われた」


 と言ってるぐらいです。


 ですがやっぱり夏の暑い時に食べたいものです。


「よし、買って帰るぞ!」

 

 土曜日、買って帰って冷やしておいて、おやつの時間にお仏壇に、


「今年はスイカあるからね」


 とお供えしてからお下がりをいただきました。


 スイカを切る時、よくこんな切り方をしているのを見ます。スイカをくし型、一人で持って抱えて食べるあの形ですね、あの後で上から直角にまっすぐ切るという方法。あれはだめです、真ん中の甘いところが一人の人にしか当たらない。端っこの人なんてほぼ皮だけ。


「スイカはこうやって切るんや」


 父が教えてくれてうちではその切り方はしません。くし型に切ったらその中央から放射線状に切ります。これだとどの切り身も中央から皮の部分まで含まれますから。


 そしてスイカということこれもいつも思い出します。


 うちの母はスイカがあまり好きじゃありませんでした。他にも果物でも苦手というのがたくさんあったんですが、スイカも好んで食べようとはしませんでした。


 ですが上記の切り方をして、みんなでいただきますを言ったら私のところに来て、


「その先だけちょっとちょうだい」


 と言って、一番甘いところだけ食べたがる。


「なんで私のところに来るん」


 と言うと、


「ええやん~、ちょっとだけその先っちょちょうだいよ」


 と、一番甘い場所を一つ奪われておりました。


 きっとあちらでも、父のスイカの甘い部分だけちょっと折ってもらってるんじゃないですかね、私はまだこっちにいるから。


 お盆にもまたスイカ買おうかなあ、妹も来るし。やっぱり夏はスイカだな。

うちの切り方はこんな感じ、全部に真ん中の甘いところが来るので全員がおいしく食べられます。

知らなかった方はどうぞやってみてください。

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