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をぐらのさうし 巻之弐十六  作者: 小椋夏己
2026年 5月

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駐車場の鍵忘れてる

 本題に入る前にとりあえず言っておきますね。


「忘れてるのは私じゃないです!」


 これで心配してくれる人が減るかなと思います、はい。


 昨日、夕方の5時からWOWOWでTMの番組があったもので、いつもより早く帰ってきました。実家ではWOWOWが見られないもので。


 帰ってきて車を入れようと一度車から出て操作盤の前に立ったら、同じタイミングでお隣のエリアから車を出そうとしている人が操作盤に立ちました。


 お互い会釈して「どうも」という感じで操作盤を操作。こういう時、ちょっとお互いに気を遣うことがあるんですよね。


 それは車を動かす場所です。車って出し入れする時に真っ直ぐ入れられるわけじゃない。うちのマンションの機会式駐車場もそうなんですが、入口から真っ直ぐ入ってきて直角にある自分の場所に入れないといけない。つまり、一度大きく移動して角度を変えてからお尻から入れるわけです。逆に出す時には真っ直ぐに出してきて、今度はどこぞに移動して直角に出す方向に移動しなくてはいけない。


 入れる車と出す車、入れる車と入れる車、出す車と出す車、全然その移動場所が被らなければ問題ないんですが、今回の場合はちょっと微妙に被るような被らないような感じでした。


 そして時間も重要です。ちょっとタイミングがズレたらどちらも待たなくていいんですが、被りそうだったらどちらかが少し待機。特にそれでどうのってことはないんですが、お互いにちょっとだけ気を遣いますよねという感じです。


 今回は私が車を入れるために先に移動、うちのパレットに対して直角に移動している間にあちらが自分の車に乗り込み、私が移動した場所に出てきたという感じで、特にどちらかが長く待機することもなくてちょっとホッとしました。


 その後、私が自分の荷物を降ろしたりしている間にあちらは操作盤を操作して前のシャッターを閉じ、私が操作盤の前まで来てシャッターを閉じている間に軽く会釈して出ていくという、ニアミスになりそうでならないという絶妙のタイミングでよかったです。


 そして私が自分ちの操作を終えて鍵を抜き、さて行きましょうかとマンションの入口の方に顔を向けて見つけてしまったんです。


「お隣、鍵忘れてる!」


 操作盤の操作をしている間に車に乗り込み、そのまま出発してしまったらしい。


「鍵、鍵!」


 と思わず出入り口の方向に向かってジェスチャーしたんですが、あちらはもうほぼ道路に出る場所まで進んでて、今から走ってもとても間に合わない。


「どうしよう!」


 と思ってる間に左折して行ってしまったあ!


 忘れた人は分かってます。そして大体の人は駐車場で会ってもどこの部屋の人かは分からないんですが、とあることからその方の名前が分かって部屋もどこか分かってます。


 でもね、普段ここで挨拶するぐらいで特に個人的に交流はない。そして家を訪ねたこともない。いきなりそこに私が訪ねて、


「ご主人、駐車場の鍵忘れてますよ」


 なんて言ってもあかんでしょ、これ。


 他の日だったら管理人さんがいるので届けて預かってもらえるんですが土曜日で今日はお休みです。


「こうするしかないだろう」


 鍵を抜いて、操作盤のボックスの上に置いておくことにしました。管理人室の前に持っていくことも考えたんですが、すぐに思い出して戻ってこられたら、なかったら困りますよね。私も一度やったことがあるんです、駐車場から出てすぐに「忘れた」と戻ってきたこと。なのでそうしておいて帰ることにしました。


 時々鍵がぶらさがったままのことはあるんですが、その時はどこの人かも分からないし、いつ操作盤から離れたかも分からないから抜いて上に置いておきますが、今回はたまたまその現場を見てしまっただけにとっても焦ったというお話でした。


 すぐに戻ってきてくれてたらいいんだけどなあ。

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