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をぐらのさうし 巻之弐十六  作者: 小椋夏己
2026年  3月

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絶体絶命

 今朝、朝食の食器を洗いながら、いきなり古い歌が口から飛び出しました。


別れてほしいの彼と

そんなことはできないわ

愛しているのよ彼を

それは私も同じこと


 山口百恵さんの歌なんですが、咄嗟にはタイトルも出てこなくて、これを書くのに検索をかけたら、


「絶体絶命」


 と出てきて、そういやそういうタイトルだったかなと思い出しました。


 全部の歌詞は書かないので、気になる方、忘れた方は検索していただければいいですが、歌のストーリーとしてはこんな感じです。


 二人の女が多分喫茶店で揉めてる。理由は一人の男を取り合って。どっちもが彼を愛してると言い合うが、一人は薬指に銀色の指輪ってことは、多分こっちは奥さんなのかな。


 そこに遅れた来た男が一言。


「二人共落ち着いて」


 この段階で、


「何ぬかしとんじゃわりゃ、おまえのせいで揉めとんじゃろが!」


 と、ニセ河内弁で思ってしまうぐらいむかつく男です。


 さらに話し合いは続き、指輪の女性は泣いていて、むかつく男はこう言います。


「二人共愛してる」


 もうね、私だったら女の人が涙を隠してる花瓶取り上げてこいつの頭から水ぶっかけて、


「おんどれ、この薔薇の花トゲ付きで鼻から突っ込んでゲシゲシ出し入れしたろかい!」


 と、もうニセ河内弁かどうかも分からない言葉で怒鳴りつけるぐらいどうしようもない男です。


 結果として、指輪じゃない女性が、


「その人の涙の深さに負けたわ」


 って去っていくんですが、いや、そういう問題?


 子どもの頃からこの歌を聞いては釈然としなかったんですが、今あらためてじっくり歌詞を見ても、私には理解しがたい関係です。


 まず、この主人公らしき女性、このどつきたくなる男が既婚者と知って付き合ったんでしょうか?


 だとしたら、あんたも同罪だからな。なんで対等に「私も愛してる」なんて言って、最後に「あんたの涙に負けたわ」って偉そうに去っていくんじゃ。よしもと新喜劇か。


「慰謝料払えよな、おら」


 と心の底から思います。

 

 もしも、この女性が男性が既婚者と知らずに付き合ってたとしたら、そういうやつだと分かった段階で私なら嫌いになります。だましてたわけですよ、奥さんがいること言わずに。


「貞操権の侵害で慰謝料要求する」

 

 そういう案件です。


 名曲と言われているだろう歌にいちゃもんつけてすみませんですが、元々がそういうタイプの人間なもので、情緒もへったくれもないと思われるかも知れませんが、嫌いなんですよそういう人間。二股かける人も、かけられてひいひい言ってる人も。


 もしも私がこのうちの一人だったら、多分二股かけるって器用なことはとってもできませんし、かけられた二人のうちの一人だとしたら、その瞬間に愛情なんてなくなって即ひどい目に合わせてジ・エンドですから、物語にもなんにもなりゃしません。

 

 ということで、以前書いたんですよ、そういうお話。大学生の主人公が彼氏に浮気されてそういう場面になった時、冷めてしまってて「もう結構」と、どっぷりと主人公のようにひたる二人を置き去りにして喫茶店を去るという短編を。それを書いたきっかけがこの歌だったと思います。


 うーん、どこに書いたんだったかなあ、探してみたんですがちょっと分からなくて。もしも「読んだことがある」「これじゃないですか」と心当たりのある方、教えていただけると助かります。


 他サイトで書いた短編を集めた「小椋夏己の盛り合わせ」にあるはずと思って探したんですが見つからず、多分それを書いたと思しき他サイトに久しぶりにログインしてみたんですがやはり見つからず、そんじゃ短編集の「小椋夏己のア・ラ・カルト」かなと思って見たみたんですが見当たらず。


 うーん、確かに書いた記憶はあるのにない。どこ行ったんだ。


 そして前はこんなに短編書いてたんだなあ、その後中編も書いてるんだなあとちょっと反省中です。今はほぼシャンタルとエッセイと日記しか書いてないのはなんでだろう。


 と、最初の歌への文句のはずが、自分が一番ダメージを受けてしまったという結果になってしまいました。

 

 でも本当、やっぱり私には理解できないなあと思う歌なのは間違いないです、うん。

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