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第29話
「まあそれはともかくだ」
サーピの方へと振り返る。
「この建物、どうだ」
何がどうだ、というのを省略していても、サーピは理解をしてくれたようだ。
「内部構造を理解しました現状の居場所目的地の最短ルート必要な装備の保管場所などを把握していますシビイラから全権代行の権限昇格を受けました現在はルート権限を有している状態になっています」
「よし、じゃあ明日にはさっさとおさらばするから、そのための下準備といこうか。まずはここの警備システムを無効化、全域を掌握せよ。次に今後必要となりそうなエネルギー源と、補給物資についてをいただく。最後に、俺らが速やかに脱出できるようにルートを設定せよ。また、AIやロボットの類があるならば、彼らを利用せよ」
「了解しました」
とはいっても、サーピがその場から動くことはなく、何かしらの方法で通信を確立させてから、この城の中にいる何かに指示を出しているようだ。




