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第27話
「この城の管理者である、地区管理人であるシビイラは、君を今回の旅に派遣したいといってきている」
「え、しかし、僕なんかでは……」
レーニスは本当に行っていいのかどうかを考えているようだ。
少なくとも、100パーセントAIのことを信用しているということではないらしい。
「いや、お前が行くんだ」
いつの間にか、太い声が聞こえてくる。
セナードルだ。
「エイアイ様の御命令であれば、それに従わなければならない。我々はそうやって、いままで生き延びてこれた。よってここにこの人間とともに行動することを命ずる。また、このエイアイ様に従うのだ」
「……分かりました、セナードル様、今までありがとうございました」
一応の礼を伝えると、くるりと振り向いて俺らの方へと頭を下げる。
なにか、聞いたことはあるもののするのは初めてだという初々しい感覚がある仕方だ。
「レーニスです。どうぞこれからよろしくお願いします」
「そうだな、頼むよ」
俺はサーピをちらっと見てからレーニスへと言った。




