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3/5

3話 この店のクリームソーダは美味いらしい

前回までのあらすじ

世紀末一人暮らしの部屋にやってきた救世主ハル

ハルの提案で食生活に必要な物資を買いにモールに来たが、

なぜかハルの機嫌が悪い。

天丼を食った後、ご機嫌ななめな"ハル姫"を連れて、モール内のゲーセンに行った。

もちろん、ご機嫌取りだ。

別にご機嫌なんざ取らなくても良さそうなもんだが、機嫌なおしてもらわにゃ、次のホームセンターで良い道具を選んでもらえなくなる。

気持ちよく買い物してもらいたいもんだ、メシのために。



ゲーセンではエアホッケー、リズムゲーム、対戦格ゲをやった。

リズムゲームはちとヤバかったが何とか勝ち、他の2つも圧勝してやった。

フハハハハ!

ハルの分際で勝とうなんざ、百年早いわ!



・・。

・・・。

ヤバい! ご機嫌とるの忘れて、本気でいっちまってた!

そぉ~っとハルに目をやると、ご機嫌だけどむくれてる、という複雑な表情をしていた。器用なことをする奴だな。




一服するためにコーヒーショップに入り、アイスコーヒーを頼んだ。

ハルは悩んでいたが、誘惑に負けたらしくクリームソーダにした。

先にアイスコーヒーがきたので、ミルクは入れず、シロップだけを半分入れてかき混ぜる。

間をおかず、ハルが注文したクリームソーダも来た。

店員がグラスを春の前に置き「ご注文は以上でよろしいですか?」と聞いてから離れる。ハルがそれを見送ってからグラスに目を戻す一瞬!

スプーンを奪ってやった。



「あーっ!」

クリームソーダのキーアイテムと言えるスプーンを失ったハルを、余裕綽々でたしなめる。

「店ん中だぞ、静かにしろよ」

「む~、僕のだよ」

「わ~ってるよ」

そう言いつつ、スプーンをグラスに突っ込んで軽く一回かき回す。

ふっふっふw

最初の愉しみを奪われて睨んでくる目が非常に恨めしそうで大変よろしい!(笑)

少し柔らかくなった部分からクリームを一口分、掬ってハルの口元に差し出す。

「ほれ」

「え~と」

「いらんのか? いらんなら食うけど?」

「...食べる」

おずおずと口を開けたその中に、スプーンを突っ込んでやった。

そしてハルの口からスプーンをゆっくりと引き抜く。よしよし、きれいに食べたな。一回では許さん! 次、次、とクリームをすくってはハルに差し出し、雛にエサを与えるがごとく食べさせる。

ハルは無言で、何度も口を開ける...。

何、この生き物、可愛いんだけど。

カラン...  アイスコーヒーの氷が動く微かな音がする。


ケケケケw

ハルめ。目をつぶって耳まで真っ赤にして、素直に食ってやがる。

ほら次だ、と声をかけるときだけ目を開けて、恨みがましく見てくる目はすごく

潤んでいて泣き出しそうだ。マジ泣きすんなよ?

「クリーム完食だ。おつかれさん」

フロートのクリームはグラスの縁に痕跡が残っている程度ですっかりなくなっていた。あとにはソーダしか残ってない。


「美味かったか?」

笑いながらそう聞くと、ハルは両手で真っ赤に染まったほっぺたを押さえ、

コクコクと頷いた。

「すごく」

え?マジ?ほっぺたが落ちそうなほどかよ! しまった! そんなに美味いクリームだったなら一口味見しとくんだったよ!



「高1にもなってクリームを食べさせられるのは恥ずかしかったか?」

笑いながらそう言ってやると、ふくれっ面で聞いてくる。顔はまだ赤かったが。

「...なんで?」

「お前 ゲームで完敗したんだから、罰ゲームに決まってるだろう?」

クリームソーダが来てから思いついた罰ゲームだけどな。

顔面の筋肉大丈夫か?と思うくらいピクピクさせていたが、ぼそっとつぶやいた。

「次は、勝つから」

いじりすぎたか? 泣かれても困るしな。美味いメシがかかってるんだから。

ハルの頭に手を乗せて、クシャッとかき回して言ってやった。

「期待しとく」

まだ口をつけてなかったコーヒーを飲み、ハルもソーダにストローを刺した。


少しいじり過ぎた自覚はあったので、ここの勘定は持った。

ハルが払おうとしたが、罰ゲームはさっきので終わりだと払わせなかった。




ようやく最後の目的地ホームセンターに乗り込む!

そんな大層なことじゃないが。

まず、包丁。

欲を言えば素材や目的ごとに使い分ければいいらしいけど、一般家庭ならそこまで使い分けなくてもいいだろうということで、出刃と鎌型を購入。

追加でペティナイフ。

ハルがどうしても必要だというので砥石も買った。出刃と柳刃には砥石が必須なんだと。へぇぇぇ? 柳刃は買わねーよ?



鍋は、雪平と20センチの両手鍋。

ハルは煮物も美味くつくるからなぁ。

あとはフライパン。

お茶碗と皿もいくつか買って、買い物は終了した。

帰る前に電気店に炊飯器を取りに行った。



けっこうな荷物になったけど、メシのためである!

と強がってみたが、アパートに着くころには指が千切れそうだった。

何といっても、駅を出てアパートに着くまでの間に、今晩の食材を買わねばならなかったから。

すっかり食材のことを忘れてたんだよ!

ヒマつぶしにはなった、程度でも評価していただけると嬉しいです。


少しペース落ちます。のんびり書いていきます。

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