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【完結】POD Enemy  作者: D-delta
エピソード2 劣等感を抱く小さき子

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第五十九話 お菓子回収作戦1

 時刻は午前八時。

 天気は晴れ。雨雲らしきものは見当たらず、雨が降る気配はない。


「朝」


 窓の外が明るく照らされてきたのを見て、先ほど目を覚ましたアイーラは呟く。

 そのままアイーラは上半身を起こした。目は眠そうにしておらず、パッチリと開かれている。


「今日は少し気合入れてやるよ。みんなと一緒に美味しいお菓子食べたいし」


 伸びをして、気合を入れる。

 やる気十分になったアイーラは部屋の扉を開き、リビングの方へと移動した。リビングに移動して、視界に入ってくるのは早めに起きていた雛だけだ。

 レイテットと美保はまだ起きて来ていない。


「おはよ、雛君。昨日はお盛んだったね」

「うん? まさか聞こえていたのか?」

「あー……」


 先日レイテットと熱い夜を過ごしていた雛は問う。その問いにアイーラは冷や汗を流した。

 それもそのはず、レイテットと雛の激しい絡み合いを知っている繋がりからその激しい絡み合いを夜のオカズにしていることがバレてしまえば、アイーラは恥ずかしさのあまりに大変なことになるのだ。

 羞恥心が表に出てきたアイーラはバレないように「いや、なーにも聞こえなかったよ!」と言い出した。


「?」


 雛は不思議そうに首を傾げて「まぁ良いか」と、アイーラにとって危機的な会話を終わらせた。

 アイーラはホッと息を吐き、安心する。


「ともかく今日は頼むぞ、アイーラ」

「ほい、任せておいてーん」


 雛とアイーラが話し終えたところで扉の閉まる音が響いた。

 レイテットと美保が起きてきたのだ。


「ほわぁ……おはよう」


 あくび入りの挨拶をしたのは一切衣服を着ていない素っ裸の状態の美保だ。

 明らかに下半身に悪影響を与えてくるムッチリした魅力的なボディが三人の視界に入る。レイテットとアイーラは驚き、雛は「風邪を引くのでは?」と言わんばかりに真顔でいた。


「さぁ今日は張り切って行くわよ!」

「いやいや……ちょっと!」


 美保は裸のまま堂々と歩く。どう見ても、どの角度から見ても危ない恰好である。すかさずレイテットが両腕を使って、美保の大事なところ三点を隠した。

 その隠すスピードは一瞬でも大事なところが見えないほど、速い。しかし美保の歩くスピードに合わせなくてはならないことから、隠している間の歩きづらさは半端ではない。


「どうしたの、レイテット。そんなに歩きづらそうにして」


 がに股の状態で腕を大事なところの位置に合わせ続け、辛そうにしているレイテット。美保はそんな辛さなど知らず、平然と訊く。


「美保さーん! 服着てくださーい!」


 レイテットから放たれた言葉はとても切実なものだった。


「はーい、分かったわよ」


 美保はからかうのが楽しそうに、ニコニコと笑って部屋に戻っていく。もちろん美保が部屋に戻るまでレイテットは大事なところを隠し続けた。

 レイテットの顔が辛そうにしている辺り、隠し続けるのは大変辛そうである。


 それから三十分ほどが経った。

 美保が部屋から出て、リビングにやってくる。


「待たせたわね」


 小悪魔をイメージしたハロウィン衣装を着込んだ美保。本人はとても張り切っているところだが、美保を見るレイテットとアイーラの目はとても冷たい。

 もうすぐ三十歳に突入する年齢の美保だ。その年齢に反して可愛らしいならともかく、美保は年齢相応の美しい見た目をしている。それ故に可愛らしい小悪魔のハロウィン衣装は残念ながら少し合わない。


「どう? 似合うでしょう?」

「あー、あー……似合っていますよ!」


 美保の言うことに対して、レイテットは苦笑いで答えた。

 ここで「似合っていない」と答えれば、美保がショックを受けて立ち直れなくなるか、はたまた美保の鉄拳が頭の頂点に突き刺さる。

 既に色々なパターンをその身に実感しているレイテットはそれらを見越していた。


「よし、これで私の衣装は準備バッチリだわ。さぁ出発準備してお菓子を取りに行くわよ!」


 美保の掛け声に合わせて他の三人は出発の準備に取り掛かる。

 各自の武器をその手に握り、物を入れるためのバッグからリュックサックを持ち、必要な物を持って出発の準備は完了となる。

 生存者たちは準備を終え、リビングに集まる。

 全員が集まったところで雛は地図を広げて再度作戦の確認を始める。


「出発する前に作戦を確認する。今回は狙撃班と回収班に分かれる。狙撃班は俺とアイーラ、回収班はレイテットと美保さんだ。狙撃班は見通しの良いこの建物から回収班を全力で援護する、回収班は援護している間に食糧を確保してくれ」


 真剣な面持ちで作戦の確認をする生存者たち。

 その中、レイテットが「この前のような蜘蛛の襲撃もあるかもしれないし、ここまでどうやって移動する?」と雛に質問を投げかける。


「そこは既に考えてある。このルートを通って移動する」


 雛が指差す場所、そこは建物の裏側だ。


「ここは見通しが悪く襲撃されやすい。その反面、ここは敵の数が少なく対処がしやすいはずだ。後は状況を見て、随時ルート変更するしかない。これで作戦の確認は終わりだ。なにか質問は?」

「大丈夫!」

「右に同じく」

「私もレイテットちゃんとアイーラちゃんと同じく質問はないわよ」


 作戦の確認は終わり、地図をリュックサックに戻す。


「よし、これからお菓子回収作戦に出発するぞ」


 珍妙な作戦名だ。

 レイテットが「なにそれ」と笑って、生存者たちは賑やかな雰囲気で出発する。

 ここにお菓子回収作戦は始まった。


一度に何個もタスクをこなそうとすると、やっぱり更新が遅くなっちゃうなぁ(;一_一)

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