百二話 索は恵美へと変わる
「そういうことか!貴様、正体を表せ!」
真司が叫ぶ。
探が眉を潜める。彼の言う通り索は索本人ではない、何者かが魔法で成りすました偽物なのだ。
「なにを言ってるんだ、俺は正真正銘そいつの兄貴だよ」
索はしらばっくれた。
「ならば力づくで見せてもらおう」
真司が触手を通して索に自分の本来の姿を見せた。
「うっ、やめろ、俺っちの本性を見せないでくれ、頼むよぉ」
索の姿が歪み何者かが中から現れつつある。
「あいつどっかで………」
探は索の正体の見覚えがあったが誰かは分からなかった。
「くっ」
索は剣を出して真司の触手を切った。一呼吸置くとその姿を変えた。
「なにっ」
「あっ」
真司と探は驚いた。今度は恵美の姿になったのだ。別に彼は索のみに成りすましているわけではない、姿を知っている人間なら誰でもなれる。もちろん恵美のことも調査済みだ。
「この姿のわたしを攻撃できるかしら」
恵美が言う。姿は写真で知っていたが寸前に索の検索能力を使ったため声も本物同様である。
「貴様ぁ」
真司が忌々しく恵美になった者を睨む。彼女の言う通り真司は恵美の姿の者を攻撃できない。それだけにその怒りは特別だ。大切な人間を汚された不快な存在である。
「真司!」
探が心配して声をかける。
「構うな!こいつは俺が殺す!絶対に許さん!」
真司の魔力が怒りと共に上昇した。




