地味のくせに顔がいいのは普通じゃない
「一緒に食べない?」
私達に話しかけてきたのは顔がいいのに地味と言われている男「相川 望」だ。女を常に侍らせてモテない男どもに見せつけているという噂の男だ。
「どうして?」
「みんなと仲良くなりたくて、俺とでよければご飯一緒してもいいかなーて。あ、嫌だったらいいんだ!それに、佐東さんよく1人だし。」
何なんだこいつは。非常に腹が立つ。私が花恋がいなかったらぼっちみたいな言い方しやがってる。
「うるさいの好きじゃないから。」
さり気なくではあるが、お前うるさいという意味を込めた。
「そ、そっかー。また今度誘うね。静かな時にでも。」
じゃあねって言いながら彼は去っていった。
「大丈夫真衣?ハーレム男にぼっち発言されてたよ?笑」
「彼も何かの物語の登場人物なの?」
というか登場人物だろう。大体予想はつく。
「…ふふっ、真衣も予想ついてるみたいだね、ハーレムものの主人公。」
やっぱりだ。
「彼の噂はもう男が流したとしか思えないもの多いよ。」
自己紹介の時は途中聞くのだるくて自分の番まで聞いていなかった。
「真衣は早くあたし以外の友達作んないとね。」
「なんで」
意味がわからないと首を曲げる私に彼女はまた絡まれるわよ?っと言ってきた。
作れたら早々に作っている。
「ねぇ、私の席なんだけど?」
いきなり声をかけられ隣を見たら、花恋を睨みつける女の子が立っていた。明らかに気が強そうだ。よく顔を見てみれば、噂付きの名前を思い出した。
「視殺の木村(ボソッ」
「はぁ?」
どうやら聞こえたらしい。
「私がなに?しさつってどういう事よ。」
「真衣!何でもない!ごめんね木村さん。ほら、飲み物買いに行くよ。」
花恋に引っ張られて教室から逃げた。
「なんで今それを言ったのよー、木村さんの前で。」
「不可抗力だな。」
まさか自分の席の前の人が、あの人だとは思わなかったのだ。
「すごい視線でどこか見てて、綺麗だけど怖い雰囲気あるって人だからねー。良かったね、後ろの席で。」
全くですな。
せっかく廊下に出たから本当に飲み物を買いに行こうと、花恋と自販に向かう。
「あ、紬乃さんと、佐東さん!」
前の方から女を三人くらい侍らせて先ほどの失礼な奴、相川が現れた。女の人はもちろん綺麗だ。
「二人共、飲み物買いに行くの?俺も行こっかな。」
相川が私たちにニコニコして問いかけてくる。勝手にしていただきたい。
「望が行くならあたしも行こっかなー!」
ポニーテールの女性は「山田 さやか」。スポーツ推薦で入学した彼女は、学校ではいい方で有名だ。
「私もお、お供します。」
そしてこちらは図書委員の「音無 佳奈」。三つ編みが、可愛いな。
「私は先に教室で待っていますわ。」
そしてこの如何にもお嬢様みたいな方は「新居川 雪菜」。お淑やかだ。
五人で行くなら私頼んでいいかな?決して行くのがだるいとかではない。決して。
「花恋、午前の紅茶よろしく。」
花恋の裾を引っ張ってお願いをしてみることから始めよう。
だが、花恋は案外あっさり受けてくれた。
「じゃあ、後で教室でね。」
花恋と、相川、山田、音無を見送って、新居川さんと教室に戻る。
「…。」
「…、。」
私は元から人間関係を築くのが苦手なのでこういう時どうしていいか分からない。無表情だが、一応は焦っているんですよ。
「さ、佐東さんは去年何組でしたの?」
沈黙に耐えきれなかったのか、新居川さんが、話しかけてくれた。
「二組です。新居川さんは?」
「私は四組でしたわ。」
「へぇー。」
「…。」
「…。」
しまった。終わらせてしまった。
「新居川さんは、なんで自販行かなかったの?」
相川の事が好きならついて行くかと思った。
「大人数で行っても、周りの邪魔になりますもの。そういう佐東さんは何故?」
「そこまで歩ける体力が今の私には備わってないから。」
すると新居川さんはクスクス笑った。
しかし直ぐにごめんなさい、と謝ってきた。
「?」
「佐東さんが真顔で真剣に言うからつい。」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうにいう姿は本当に可愛いお嬢様だった。
(役得だわ。)
教室でなんとなく二人で待っていると、自販に行っていたメンバーが帰ってきた。
「おかえり。」
「あれ?真衣ってば新居川さんと友達になったの?」
友達になれたのか?そう思って新居川さんを見ると笑顔で頷いてくれた。
「やったね。」
花恋にドヤ顔で言ってみたら「わかりずらいわ」っと叩かれた。
「あ!あたし先生にプリント集めて届けなくちゃいけないんだった。悪いけど真衣待ってて!」
そう言って花恋は近場にまだ居た相川に一緒に運んでほしいと頼んで職員室へと向かった。
なぜ相川?
side花恋
「相川くんってさー、モテてるよね?」
あたしは真衣を教室で待たせて相川君とプリントを運んでいた。
「そんな事ないよ。俺より紬乃さんの方がモテてるでしょ?」
彼は手の代わり頭で否定してきた。
「紬乃さんってさ、か、彼氏いるの?」
顔を赤らめて私の顔をまっすぐ見てくる顔に確信が持てるど彼の気持ちに気づく。
「居ないよ?相川くんは好きな人いるでしょ?」
「え、あ、うん。」
「いいね、あたしは今恋愛とか興味無いからそういうの分かんないけど、友達として応援するよ。」
「え?あ、ありがとう…」
あたしは修羅場には巻き込まれたくない。このままアタックはされたくない。最低なことをしてるとは思うが、早めに言っていた方がきっといい。
「君の恋叶うといいね」
(君が私に向いている想いには答えられない)
「花恋遅い。」
真衣はボッチ中。
どんどん一話一話が短くなるよう泣




