26 ごめんもう一回その会話イベント見たい・・・・え?見れないの?
■■領域 幽玄の間 居住区
「ん・・・?ここは・・・?」
目を開くと、見知らぬ天井が目に飛び込んだ。
ほのかに檜の様な匂いと綺麗な木目を眺めながら、レイは段々はっきりと
して行く意識で思考を開始する。
(最後・・・まーちゃんが助けに来てくれて、僕はその後・・・)
気絶したのか死亡判定になったのか定かでは無いが、先程の森の中では無い様であった。
その事に安堵しつつ、寝返りをうつ。
(ここ・・・どこだろ?なんだかおちつ・・・・!??)
逆方向に視界を向けると、顔面90%以上が、【それ】に埋まる
顔を包む柔らかさと熱、そしてほのかに鼻孔をくすぐる甘い匂い
深い谷間にレイの顔は埋まって居た。
「はらはら、ほんに甘えん坊でありんすねぇ」
後頭部を撫でられながら、レイは顔を上へ上げる
「タマモ・・・あのっ!ごめっ!なんでここに?僕はそのあのえとっ!」
呆けた後、慌てて離れようとするも、タマモの手は優しく、しかし強くレイの
後頭部を押さえており抜け出す事が出来ず
挟まれた【それ】が激しく揺れてしまい更にパニックが加速する。
「はのっ!はんまらあわらあわ!?・・・・あぅ・・・」
しどろもどろになりながら、遂にレイは虚脱する。白旗である。
「落ち着きなんし もう大丈夫よって ね?」
ぽんぽんと背中を擦られ、身体全体を包む柔らかさと安堵感により
レイは逃れられ無さそうな眠気に襲われる
(あれ・・・?タマモって良く見ると・・・姉さん・・・に・・・・)
柔らかな笑みを浮かべながらレイを寝かしつけたタマモはそっと視線を
寝室の入り口・・・少し開いた襖へと向ける。
「はらはら、そない怖い目をしなくても 取って食ろうたりせんよ?」
「あら、それは嬉しいわね。冷夏が見たら発狂しそうな光景だけども」
すっと開かれた襖より、偉丈夫・・・サナダは姿を現し、すっと正座を組み
レイの無事に険しかった表情を優しく崩し、タマモへと声をかけるのだった。
「あたしは真田・・・いえ、マーちゃんと読んでくれて良いわ
いくつか聞いてもよろしくて?」
「はらはら あれはタマモ言うんよ よろしゅうに あても聞くさかい ええで?」
いつの間にか出した扇子で口元を隠すタマモ
「じゃあお言葉に甘えて、貴方はレイの何?」
「どこまでちゃあんと伝わるか・・・試してみんしょうか あてはレイの親であり
一族の仲間であり レイはあてらの大切な神子でありんすえ」
「ふぅん・・・そういう設定?イベントなのかしら?此処はどこなの?」
「現し世と幽世の間であり あてが作った世界でありんすえ」
「固有マップって所かしら?じゃああの黒装束が言っていた王って何?
何故か聞き取れ無いのよ、それ」
「ほぉう」すっと目を細めながらタマモはサナダをじっと見つめる
しばらく眺め、ゆっくりと扇子に隠れた綺麗な唇を開き始めた。
「■■王の邪魔が入っておりんすねぇ あれは観測者であり 調停者であり」
一度言葉を切り、少し声を強める
「かんりえーあい でありんす」
「管理AIですって!?ならプレイヤーであるレイが何故システムに守られなかったの?」
「レイはもはや奴らの奴隷にあらず あて(・・)が転生の義を施したゆえに」
「あなた・・・レイに何をしたって言うの・・・?」
サナダはすぐにでも動ける様に体制を崩し、筋肉を隆起させ始める。
「はらはら げにレイは愛されていんす まー坊 おんしは何故にそこまでレイを
守ろうとしんす?」
「愚問ね、ダチを助け、護るのなんて当たり前でしょ?」
「ほぉう 奴らの奴隷の分際でか 人間」
すっと差し出された細い指がサナダへと向く
何かしらの攻撃と判断したサナダは回避しようとするも・・・
(!?身体が動かないっ??)
全力で動かそうとも微動だにしない身体に、冷や汗が流れ始める
「はらはら ちょおっとした脅しでありんすえ レイは寝ているから 我慢してもろたで
ちゃあんと説明するさかい おとなしゅうしていんしっ」
「ぐっ!」
サナダは得体の知れない力によって、元の正座へと体制を戻らされていた。
(なんなの!?・・・格が違いすぎるっ!これじゃあ爺様以上のっ!)
あまりにも離れた実力と存在感。サナダは自身の師であり祖父を彷彿とさせていた。
動けないサナダへタマモは先程の存在感が嘘だったかの様に空気を変えて話かける
「あんさんらがあてらの世界へ来る時 ■■王の制約を交わされていんす
最初にろぐいんする時 痛み(・・)は無かったでありんすか?」
「何を言って?・・・普通だったわよ?」
「ふぅむ 【忘却】しょりでもされていんしかえ? しからばこれでどうですかえ?」
【桃源の華】
ふわっとサナダの身体を桜色の花びらが包込む。
「なに!?・・・これは!嘘でしょっ!?ありえないわ!ALIOSにこんなシステム!」
まるで当たり前の様に欠落していた記憶が蘇る
それは最初のログイン時、現実肉体投影を実行する際起こった事象
そしてリアル過ぎるこの世界の様々が事柄が、今まで意識していなかったのかの如く
洪水の様に溢れ出す。
「どうゆう事なの!?これはっ!」
全身に汗と危機感を支配されながらサナダは叫んだ
「まだ 知る時ではない いずれ嫌でも知る時が来る」
がらりとまた雰囲気変え、神聖さすら感じさせるタマモにサナダは息を飲む
「稀人よ その他者を守らんとするその在り方 夢忘れるな いずれ真価を問われる時が来る
我らは共に あの■■■共を 打ち倒す定めが有る」
言い終え、瞳を伏せたタマモは、先程までの柔らかい表情へと戻った
「レイには必要な事であったのでありんす あてらも全力で護るさかい マー坊 かんにんやで」
ぺろっと舌を出したサナダは未だ整理がつかないながらもと警戒を解いた
「もうっ!・・・勝手ね!でも嘘の匂いはしない。良いわ、信じてあげる」
「はらはら そいだら、もうマー坊も仲間でありんすね これを」
タマモは何も無い空間から勾玉を取り出し、長い尻尾でサナダへと手渡した
「これは?」
「一族の証であり 仲間の印でありんすえ あぁそれと」
「?」
「魔法は死んでも(・・・・)覚えちゃあ駄目でありんすえ」
早くギャグ的な展開もしたい
次話は掲示板回です。
少しは物語をすすめられたかな?




