「引き直された境界線」
ストーンゲート砦は沈黙に包まれていた。捏造された証拠に基づきグラッカを逮捕せよとの命令をケイランが断固として拒否したことで、すでに打ちのめされていた守備隊は激しく動揺した。人間たちの戦士の間に冷ややかな憤懣が広がりはしたものの、国王の決定という後ろ盾を持つケイランの権力は依然として強大であり、公然と反抗する者はいなかった。彼らがケイランと交わす言葉は、氷のように冷たく、必要最低限の形式的なものだけに限られた。戦士たちは皆、不機嫌な服従のうちに己の義務を遂行し、ヴォーラグ隊長に至っては、彼に視線を合わせようとすらしない。部下たちの不安や偏見から意図的に距離を置く指導者として、ケイランはその孤独を痛いほど感じていた。ヴァルカスと〈仲介人〉が証拠を仕組んだという信念に基づき、彼は決断を下した。そして今、自軍の内部で燻り続ける不満が爆発する前に、それを証明する必要があった。しかも、迅速に。彼は自らを駆り立て、穀物庫へ近づくことができたのは誰か、例の「証拠」が発見されたときに見張りをしていたのは誰か、そして嘘を暴くであろう些細な矛盾点を探し求め、密かに独自の調査を開始した。
ケイランが自らの民との間で生じた軋轢に苦しむ一方、グラッカもまた、彼女自身の内なる混乱に直面していた。馬小屋の隣にある部隊の仮設兵舎に戻ると、そこは不信感と、かろうじて抑制された暴力的な空気で満ち満ちていた。彼女に対する「証拠」と、ケイランが突如として逮捕を「延期」したことは、ゴブリンたちの最悪の疑念を裏付ける結果となっていた。それは人間たちの裏切りであり、何らかの狡猾な計画に沿って実行されているのだ、と。
ボルグが、数人の古参戦士を脇に従え、すぐに彼女の前に立ちはだかった。ごつごつとした彼の顔は、厳しい表情でこわばっている。「奴は我々をもてあそんでいる、グラッカ」ボルグは低く、険しい声で唸った。「見せかけの『調査』だ。口実を見つけ、我々が油断するか、あるいは奴らの増援が到着するのを待っている。その時が来れば、檻の扉は容赦なく閉ざされるだろう」彼は砦を指差した。「我々は敵地のど真ん中で、数でも劣っている。奴が『調査』をしている間にも、部下どもは刃を研いでいるのだ。『先に撃て、さもなくば撃たれる』。それがゴブリンの道理というものだ」
ウルゴクが言葉を継いだ。彼はそのおびただしい傷跡と、人間に対する根深い敵意で知られる戦士だ。「なぜ人間の言うことなど信じる? 奴がゾグを庇っただと? それも我々を安心させるための芝居かもしれん! お前を信用させるためのな! 手遅れになる前に、人間の人質を取り、山への安全な帰還を要求すべきだ」集まったゴブリンたちの間から、同意のざわめきが広がった。長年の闘争によって研ぎ澄まされた彼らの本能が、危険、不信、そして先制攻撃を叫んでいた。彼らは指揮官であるグラッカに視線を向け、彼女がその疑念を肯定し、来るべき裏切りに備えさせてくれることを期待していた。
グラッカは、手を大鉈の柄の近くに置きながら、無表情に耳を傾けていた。彼女の中にあるゴブリンとしての本能のすべてが、ボルグとウルゴクの言葉に賛同していた。人間を警戒せよ。裏切りを予期せよ。先に撃て。その信条があったからこそ、彼女の民は生き延びてきたのだ。だが、彼女は評議会の間でのケイランの顔を思い出していた。彼が置かれていた緊張、彼自身の部下たちから向けられていた怒りを。より手の込んだ罠のために、なぜ彼はあえて自らを危険に晒すだろうか?
「お前たちも見たはずだ」やがて彼女は口を開いた。その声は明瞭で、硬質的で、囁き声を断ち切るのに十分だった。戦士たちは静まり返り、注意深く耳を傾ける。「彼が己の隊長と衛兵に逆らうのを。証拠は『仕組まれた』ものだと、彼は言った。ヴァルカスという名を口にした」彼女はボルグの目をまっすぐに見据えた。「彼は自らの民から憎悪を買い、指揮権を危うくしている。何のために? 『罠』だと? 馬鹿な」彼女の嘲笑は、鋭く響いた。「人間は不誠実かもしれんが、血に飢えているときは、そこまで回りくどい真似はせん。今回は何かが違う」
「何が違うというのだ?」ボルグは納得せず、食い下がった。「希望は人間の弱点だ、グラッカ」
「これは希望ではない、戦略だ!」彼女は、その場の支配権を確固たるものにしながら、言い放った。「考えろ! 我々が今ここでケイランの軍勢と事を構えれば、誰が得をする? ヴァルカスだ! 〈仲介人〉だ!奴らは我々がここで潰し合うことを望んでいる。我々が怒りに任せて行動するか、ケイランが性急な判断を下すことを期待して、奴らは証拠を置いたのだ。疑念と恐怖だけを根拠にこの門の中で戦いを始めれば、それこそ奴らの罠に真正面から飛び込むことになる。戦術的な自殺行為だ」
彼女は厳しい表情で部隊を見渡した。「ケイランは証拠を仕掛けた者を探している。彼はヴァルカスと〈仲介人〉を、つまり我々の敵を探している。今のところ、彼の道は我々の道と交わっている」彼女は、重大な結果を伴うであろう決断を、断固として下した。「我々は待つ。観察する。あの騎士に捜索を続けさせる。無論、準備は怠らない。警戒も続ける。だが、恐怖と闇を理由に、こちらから先に攻撃を仕掛けることはしない。もしケイランが信用できず、彼の調査が単なる時間稼ぎの策略だと判明したならば、その時は我々の道を切り開くために必要なだけの人間どもの血を、最後の一滴まで流してやる」その脅しは、部下たちへ、そして彼女自身への誓いとして、重く響かせた。「だが、それより先ではない。我々は敵の駒にはならない。これが私の命令だ」
彼女の揺るぎない論理と疑う余地のない権威が、ゴブリンたちの心に深く根付いた不信感と衝突し、兵士たちは不安げに身じろぎした。ボルグはしばらく彼女を睨みつけていたが、やがてゆっくりと、そして不承不応ながらも頷いた。グラッカの大胆かつ危険な決断――それはケイラン自身を直接信じるというより、状況と、その中での彼の行動に対する彼女自身の判断を信じるという決断――によって、ゴブリン部隊内の差し迫った危機は回避された。彼女は本能よりも戦略を、目先の生存よりも不確かな協力関係を優先したのだ。
その日の午後、ケイランは砦の敵意に満ちた静寂の重みを感じながら、行き詰まりを見せ始めた調査に気を取られ、主の中庭を歩いていた。その時、馬小屋の区画からグラッカとボルグが現れるのが見えた。彼女の部下たちは警戒を解いてはいなかったが、積極的に戦闘準備を進めているわけではなく、持ち場を維持していた。ケイランは、グラッカがボルグに何か厳しい命令を与え、彼がそれに素っ気なく一礼して馬小屋へ戻っていくのを見た。遠目にも、彼女が自らの民の不安定さを抑え、この緊張に満ちた平和を積極的に維持していることは明らかだった。彼女は、彼とその調査のために時間と空間を稼いでいた。それは、暗黙のうちに宣言された同盟における、彼女の役割だった。
彼女が塔へ戻ろうと向きを変えたとき、二人の進路が束の間、交差した。数フィートの距離を置いて、彼らは立ち止まった。いつもの緊張の上に、新たな種類の緊張が重なっていた。彼は彼女の瞳の奥にある強い決意と、それぞれが自らの派閥と共に渡っている綱渡りのような状況を理解していることを読み取った。おそらく彼女もまた、彼の佇まいの中に孤独と、自らの権威に逆らったことの重圧を見て取ったのだろう。
ヴォーラグの警告や、ボルグの挑戦が話題に上ることはなかった。その必要はなかったのだ。言葉のない認識の瞬間に、二人の間には深い理解が存在していた。彼は、何十年にもわたる対立の歴史に反して、ゴブリンたちの怒りを積極的に鎮め、彼の手法を信じようとする彼女の決意を目の当たりにした。彼女は、彼がその危険な賭けを認識し、理解していることを感じ取った。それはまだ、友愛ではなかった。だが、同じ状況、同じ反逆、そして二人を引き裂こうとする力に対する相互依存という現実が、冷徹なまでに明確に認識されていた。今や彼らは同盟者だった――選択や布告によってではなく、それぞれの過去の流れに逆らい、批判の真っ只中で下された意図的な決断によって。二人は、境界線を新たに引き直したのだ。




