~揺らぎ~ 夜中のキャンプ地
双子月が浮かぶ暗闇の空。発起した岩石も闇の中に溶けて、視界は黒一色に近い。
〔アル・スカイ〕は森林の中に隠されて、横たわっている。
機体を後にして、桜たちがキルレたちの後に続いてたどり着いたのはキャンプ地であった。
茂みを切り崩して、木々に縄を渡して粗い布を掛け、荷物を積み上げて壁として、梢をかぶせて屋根にした原始的なテントが所狭しと並んでいる。一見すると、子供が作り上げた秘密基地のようである。かすかにテントの隙間から漏れる明かりは弱々しく、蛍のような淡い光であった。
テントの近くには、彼らの家畜だろうか、ヤギのような角を持ったずんぐりむっくりなロバらしい生物が木々に繋がれて、地面の雑草を食んでいる。
柾たちはとにもかくにも、アブや蚊の存在に嫌気がさしながら、キルレのテントで世話になることに。
中で待っていたキルレの母親、レナンはパイロットスーツに身を包んだ三人組の少女に目を見張っていた。彼らにとってニンゲンは見かけない種族であったし、何より桜の白い肌の色や髪の色、瞳の赤色を見た途端仰天してしまった。
年若く見えていた顔が一気に老け込んでしまうほどだ。そして、すぐに羽織っている羽毛のポンチョの下でワンピースの裾を正し、正座、手を着いて迎え入れる。
「導師様がそんな――。汚い所ではございますが、ごゆっくり」
「は、はい」
桜たちは恭しく出迎えるレナンに、愛想笑いを浮かべながら腰を折ってテントに入る。
テントの中は中心に川原で拾ってきただろう石で囲った囲炉裏と炭の上にある五徳(鍋を置くための金属製の台座)があり、その周りに茣蓙を敷いて各々に座っている。中からはテント全体を竹製の梁を渡して、高さを保っている。
キルレが立つと天井の梢ギリギリであったが、彼女は取ってきた魚の分け前をさっさと串に刺して囲炉裏に当てた。
とはいえ、この家の中で火を使うのは桜たちからすれば、至極危険なことに思えた。酸欠になってしまうのではないか、とか、ふとした拍子に火事になってしまうのではないか、と不安な気持ちでいっぱいである。囲炉裏からは線香のような香りが立ち込めて、むせ返りそうであった。
しかし、桜はそのことで不安な顔をしている暇はなかった。
「導師様が、いらしたって?」
彼らの情報網は早かった。
桜たちが腰を落ち着けるや否や、テントの出入口に人々が殺到する。一目桜を拝もうと慌てて訪ねてきたのだ。
老若男女は桜の白い肌、髪の毛、赤い瞳を見るなり、感激に打ち震える。まるで生き神様とでも出くわしたかのような、幸福に満ちた顔をして拝み倒している。
桜はテントの中で、その神仏でも前にしているかのような扱いに困惑して、軽く手を振って引き攣った笑顔を見せるのが精一杯であった。
「一応、導師様効果はあるようね」
「この星では、皆知っていることだ。話がスムーズに行け迷いのだがな」
勇子とミュウは囁き合って、詰めかけた人たちを見据える。
「あの、この中に部族長の方はいらっしゃいませんか? 折り入ってお話ししたいことがあるのですが……」
桜は出入口に投げかけるが、その声は次第にしぼんでしまう。
何故かと言えば、詰めかけた人たちが桜の声を聴くなり、念仏のように唱えていた声を潜めてしまったからだ。しかし、それは『導師』様のお言葉を頂戴するために黙ったのではない。
彼らは隣同士、顔を見合わせて困った表情を浮かべる。
桜たちは顔を見合わせて、小首をかしげる。
「何の騒ぎだ」
と、人垣の中からガラガラ声が響いた。
それにおどろいて、集まっていた人たちは声の主のために道を開ける。
「父さん!」
「おかえり、あなた」
キルレがテントの端にある甕から洗っていた手を出して、お腹のところで滴をふき取る。それから、テントに入ってくる男を迎えた。この時ばかりは熊のような手は不便そうである。
「お父さん?」
勇子は入ってきた男を見てつぶやく。
短髪で頬骨の張った細面で、無精ひげを生やしている。身体も細く、それでも筋肉質な感じは彼の着ている甚平風の服からも見て取れた。その手には工具と作業着らしいものを詰めた風呂敷を抱えていた。
桜たちは彼ののっそりとした動きと怪訝そうな視線に生唾を呑む。
「ニンゲンか?」
「導師様だよ。巨大なマリーネンに乗って、ここまで来たんだ」
キルレが甲斐甲斐しく言って、彼から風呂敷を預かる。
そうか、と男は静かに言うと桜たちの向かい側に腰を下ろす。
「みんな、帰ってくれ。目立たないようにな」
その一言で集まっていた人々は渋々と言った様子で、自分のテントへと引き返していった。
桜たちは外の人気が消えて、虫の音が強くなっていくのを聞きとる。
「あの、突然お邪魔してすみません。わたしたち、皆様のご協力をお願いしたく、ここに参りました。えっと、お名前は……」
「シャトーだ」
男、シャトーは静かに答えると、囲炉裏にかけている川魚を一つ手に取る。
「まだできてないよ」
娘の忠告を聞いて、素っ気ない返事を返しながら囲炉裏に戻した。
物静かで淡白な男なのだろう。斜向かいに座る母子には目もくれず、来客の桜たちに目を合わせる。
「お前たちはどこから来た?」
「わたしとこちらの、勇子様は宇宙にある『ノア』から……。そして、こちらのミュウ様はここより南のレルカント領から参りました」
「そうか」
桜の説明に対して、シャトーはまた素っ気なく答える。
「失礼ね」
「まったく」
ミュウと勇子が耳元でささやきあう。
客人、それも『導師』として認識される桜を前にして愛想の一つも見せない。ご機嫌取りをしろとまでは言わないが、正直つまらなそうな人である。
「協力、と言ったか?」
シャトーが生真面目に問う。
「はい。すでに御存知かと思われますが、侵略行為を行う軍隊があります。しかし、一国だけでは歯が立たない。わたしたちはそうした国、部族間の同盟締結のために回っているのです。軍備のあるところからは、お力をお貸ししていただきたいのです」
「我々、ラトゥの力を借りたいと?」
「はい。是非に」
桜は誠実に答える。
勇子とミュウは彼女が話し合いを進めてくれることに感謝しつつ、接触したかった部族ラトゥであるという確証を得る。
気持ちが緩みかける。ミュウに至ってはこれでレルカント領の防衛線を強化できると心中では喜びの声を上げていた。
「しかし、我々にはそれを承諾する長も、候補者もいない。正直、厳しい」
その一言に、ミュウは打ちのめされてさっと血の気が引く。
勇子がシャトーを見据える。
「長がいないとはどういうことですか?」
「侵略軍、でしょうか。黒い、岩のような機体が襲ってきたというころでございますか?」
桜が慎重に付け加える。
シャトーは重々しく首を縦に振った。
「そう、なのか……」
ミュウは国の事は一度頭の隅において、彼らの境遇を思う。
予想はしていたことだ。このキャンプ地の息を殺して、潜んでいる雰囲気。常に緊張して、何かに脅えている。川辺であった子供たちが桜を見た時、喜んだのはこの状況を打開してくれると信じたのだろう。
レナンが口を開く。
「はい。もう一月も前の事でございます。都が陥落し、そこからじわじわと黒い岩のようなマリーネンがこの土地を荒らしてきました。わたしたちは命からがら、里を棄てて今日まで生き延びてきましたが――」
「他の里がどうなっているのか、わからない。我々が最後の生き残りと言う可能性もある」
「父さんっ! 何言ってるの!?」
黙っていたキルレが父の弱気な言葉に声を荒げる。
「よしなさい、キルレ」
レナンがキルレの肩を抱いて、宥める。夫の発言に彼女は異論を唱えることはなく、ぐっと我慢するように口を固く閉ざした。
シャトーはキルレを一瞥して、桜たちを見据える。
「我々には満足に戦えるだけの力は残っていない」
勇子はその様子を見て、気持ちが揺らいだ。
ラトゥは戦に強い部族だと聞いていた。それが、国家解体にまで疲弊しているのは予想外であった。
「それでも戦う。だって、兄さんも、そのまた兄さんも戦って死んでいったんだ。また家で暮らすために――、このまま一生、おびえて生きながらえろっていうの?」
「…………」
キルレの大声にレナンはやはり何も言わない。
「ご子息様がいらっしゃたのですか?」
「二人。どちらも勇ましい最後を迎えた」
シャトーは自分の息子の死を静かに告げる。沈痛そうにも見えたが、空虚な風に取れる。おそらくは後者の念が強いのだろう。
桜たちにはそう感じられた。
「だから、敵討ちにあたしも――」
「黙りなさい、キルレ。奴らに見つかるかもしれない」
シャトーが咎める。
桜たちは囲炉裏で弾ける炭の音と飛び散る火花に視線を移す。
「しかし、今も戦っておるのだろう?」
ミュウが喉から絞り出す様に言った。ラトゥは滅びる一歩手前にあるのやもしれない。南の孤島で出会ったニィたち、ファルフェンと違って彼らは必死の抵抗を未だ続けている。
そのことが酷く虚しいと思えてしまう。
シャトーは真っ直ぐに少女三人を見据える。
「我々の保有するマリーネン〔ロゴート〕は六機。何度も、奇襲をかけてそのたびにやられてしまった」
「やられていたとしても、反撃の余地はあるはずです」
勇子は感情的になる。
もう後には引けない状況になっているはずだ。絶滅か、生存か。その分岐立たされているやもしれない部族には戦って生き残るしか方法はないはずだ。
「他の連中はそうだ。俺も、まだ諦めるつもりはない」
シャトーはそういうも、桜たちから視線をそらしてしまう。
たった六機の〔マリーネン〕で奇襲戦を仕掛けても、数の上で押されてしまうだろう。そのことは幾度も戦ってきた彼の経験からわかることであった。
「だから、あたしも戦わせて」
「まだ、この子は!?」
キルレが勇ましく申し立てると、レナンは子供の無茶な言い出しに憤りと悲しみを覚える。
息子二人を亡くした親の心境に桜たちも共感する。
しかし、キルレにはまだわからないと言った様子で父親に詰め寄る。
「父さん。あたしだってマリーネンの操縦はできる。足手まといにはならない」
「ダメだ」
「兄さんたちの敵を討ちたいの」
「それでも、ダメだ」
シャトーは厳格に言い下して、キルレの方を向く。
桜たち二はその横顔は初めて、父親らしい生気にみちた顔つきに思えた。
「女は残って、男の帰りを待つのが常だ。孤児たちもいる。次の世代を残せなくなっては、それこそお終いだ」
「そんな風に考えてる。だから、兄さんもそのまた兄さんも、お嫁さん残して死んじゃった。勝手だ」
「キルレッ」
シャトーが一喝する。鬼の形相で息巻いている娘を睨みつける。
だが、キルレはひるまない。芯のある瞳をじっと向けて、対抗しようとする。
「死んだ人のことをいつまでもとやかく言うな。一度、敵地に踏み込めばそういう考えの奴から死んでいく。わかってくれ」
キルレは首を横に振った。力強く、髪を振り乱して否定する。
「導師様がいる」
キルレの自信に満ち溢れた言に桜の方が跳ね上がる。
「わたし、ですか?」
「導師様は女の身でありながら、戦っている。だから――」
「お前は違う。これ以上無駄口を叩くなら、外に出ていろ!」
シャトーが怒鳴りつけた。その声はテントの向こうにまで届いて、気に繋がれている家畜たちが驚きの声を上げる。
それから、外の方で家畜をなだめる声がしばらく聞こえた。
キルレは何も言えなくなると、悔しげに父親を一瞥してテントを出て行ってしまった。
桜とミュウは親子喧嘩の場面を目の当たりにして、どう対処していいものか困り果てていた。シャトーの言い分はよくわかる。子供を戦で失って、さらに失うようなことがあっては彼らの生きる活力もなくなってしまうだろう。
だが、勇子だけはキルレの気持ちに強く共感していた。
「あの子を追うわ」
「あまり外に出ない方がいい。毒を持った虫も蛇もいる。あの子なら、それくらいの注意力はある」
シャトーは立ち上がる勇子を言葉で制した。
「それに、敵のマリーネンが飛び交っているやもしれません。危険なのです」
「お気遣い、ありがとうございます。けど、わたしはあの子の事、放っておけませんから」
レナンの忠告を受けてなお、勇子は真っ暗な外へと出て行ってしまった。
「危険な場所に子供を追い立てるなんてっ」
テントを出てすぐに勇子はそう愚痴った。
桜とミュウは咎めることはなく、彼女の背を見送った。
「いいのか、仲間を行かせて?」
「勇子様はしっかりした方です。それに、色々と思うところがあるのかと存じます」
桜は不安そうな夫婦の表情に胸が痛んだ。
彼らは娘の事を心底大事にしているし、できることなら危険から遠ざけたいと思っている。それが親心だ。でなければ、シャトーが厳しく言うはずもない。
「あなたはマリーネンの操縦者をしておるのか?」
ミュウが話題を逸らした。
「ああ。一兵卒として。今日は敵情視察と言った感じで、あとは、周囲にあるダミーに火を焚いたくらいだ」
シャトーは今日一日を振り返って、桜たちに話した。
ダミーはこのキャンプ地から目を逸らすための焚火だ。十か所ほどにキャンプ地と思わせる明かりと開けた土地を作り、敵の視覚を欺く。欺瞞としては初歩的だが、これまでもそれで夜襲を凌いできた。
「明朝には、敵陣への奇襲をかけるという話も持ち上がっている。できることなら、導師様にもご同行願いたい」
「もちろん、お力になります」
桜は力強く答える。
シャトーとレナンがひと時の安息を得て、緊張していた頬を緩める。
「ありがとうございます。これであの子も無茶な事をしなくなればいいのだけど」
「いや、そのために、わらわたちはこの地に来たのだからな。問題は、他の集落か……」
ミュウは犬のように唸りながら、悶々とする。
ラトゥとの協力関係を結ぶためには、彼らの諸問題の解決をしなければならない。遠回りだが、侵略軍の排除をするのが先決だろう。
桜は侵略軍の勢力規模がどれほどあるのか、不安になってくる。
* * *
森の中は双子月の淡い光に照らされている。だが、深く茂った森林は月の光をも闇に溶け込ませており、勇子の青い瞳では手を伸ばして障害物がないかと探るほかなかった。
腰の高さにある茂みを踏み越えて、周囲にざわめく獣の鳴き声や虫の奏でる音に不安感を覚える。
「キルレさん」
勇子は声を潜めて、呼びかける。
すると、突き出した腕が何かに掴まれた。妙に生暖かく、ふさふさした感触が伝わって硬直する。
「ひっ……」
「なんだ、付き人の人」
と、勇子の腕を掴んだキルレが彼女の前に近寄る。
「ゆ、勇子です。名前」
月明かりの少ない光量の中で、キルレには勇子の涙ぐんだ表情がよく見えた。引き攣った声で名前を言う彼女はどこかおかしかった。
「フフ、おかしなやつ」
キルレは微笑んだ。
勇子からは、辛うじてキルレの輪郭を捉えた程度でその可愛らしい微笑は青い瞳移ることはなかった。ただ、笑われたという恥ずかしい思いに顔が熱くなる。
「何しに来たの?」
「あ、ええ、あなたが心配で――」
勇子は気を取り直しながら口を開くが、夜風に乗ってジリジリと痺れるような音が近づいてくる。
キルレはその音に全身の毛を逆立たせる。
「しゃがんでっ」
勇子はキルレの強い腕力に引っ張られて、口を挿む間もなく茂みに身を隠した。
頭上を見上げれば、梢の合間からかすかに見える星明りが黒く染まっていた。頭から押さえつけるかのような重低音がこだまして、息を潜める。
侵略軍の〔アルファ・タイプ〕だ。
キャンプ地を見つけようと巡回しているようである。
「…………」
緊張の余り、キルレと勇子は押し黙って敵機が過ぎるのを待った。
その時、勇子はキルレの握る手が強くなるのと同時に震えているのを感じ取る。父親を前には息巻いていたが、やはり兄たちを殺した相手は怖いのだろう。
二人の心臓は高鳴りっぱなしで、一秒の体感が長く感じられた。
〔アルファ・タイプ〕の通過は一分とかからなかっただろう。彼らの索敵能力がどのようなものか、わからないが、少なくとも生体反応に感応するものではないらしい。
勇子とキルレはゆっくりと立ち上がって、〔アルファ・タイプ〕が通過した方角を見詰める。
「行ったようね」
「ええ。それで? あんたは何しに来たんだっけ?」
「心配で様子を見に来たの」
勇子が食い入るように言うと、キルレは素っ気ない返事をする。
「そう。けど、家を追い出されるのよくあったから、別に平気だけど」
「震えてたのに?」
「アレは別」
キルレは図星を突かれて、勇子の腕をへし折らんばかりに力を加える。
勇子がたちまち苦悶の表情を浮かべる。それでも、タップをするわけでも降参を宣言するつもりもなかった。
「ねぇ。あなたは戦いたいっていうけど、それはどうして?」
「敵討ちだ。死んだ兄さんたち、里のみんなのために、あたしはじっとしているなんて嫌だ」
「お父さんが死んでしまうかもしれないのも、よね?」
勇子がそう付け加えると、キルレは息を飲む。
握っていた手の握力を和らげて、口を堅く閉ざす。
帰りを待つ身は辛くて、日に日に機体の数と操縦者の数が減っていく。その現実がいつか父親にまで降りかかるのではないかと思うと耐えられなかった。弱気な姿を見てしまってはもう怖くて心臓がつぶれてしまいそうだった。
勇子にはその気持ちは痛いほどわかった。
「わたしも父を待っていて、知らぬ間に亡くなったわ。あなたの思うことは何となくだけど、わかるつもりよ」
「…………」
「あなた、マリーネンを動かして戦える自信がある?」
勇子の問いかけに、キルレは真剣な瞳を向けて力強く頷いた。
残る六機のマリーネン〔ロゴート〕の操縦者との経験値は段違いの差を感じてはいる。それでも、戦う気力と体力なら負けないという自信があった。
勇子は彼女の手を取って、両手でその柔らかく、ふさふさした手を包んだ。
「力を貸すわ」
善意のつもりで、勇子は口にした。しかし、あるのは、ただ過去の自分を清算したいという欲望である。
具体策はテントに戻ってから思案し、実行に移せばいい。立場的にできない話ではないだろう。
「ありがとう」
キルレの感謝の言葉に、勇子は気持ちが引き締まる。
善意に託けて、自分の成し得なかったことをキルレにさせようというのだ。
彼女らの協定は暗い森の中で交わされて、聞いたものは飛び回る羽虫程度だろう。その冒険心をくすぐる協定に二人は笑みを交わした。




