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落選組放浪記  作者: 物理の補習
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 VR技術が開発されたのは、いまから20年ほど前、2030年代前半の頃になる。

 当初、脳科学分野においての利用を目的に実用化されたそれは、多くの患者の尊い人命を救い、奇跡の技術として喝采を浴びた。

 目の見えない者に世界を、聞こえない者に音を届けるそれはまさに神の所業であった。

 間をおかずして技術転用は進み、医療関係のみならず軍事、娯楽にも大きな影響を与えることになる。

 擬似感覚を加速させることによって、現実での一日を何十倍にも延長させることが可能となり、わずかな期間で熟練の兵士が出来上がる、といった寸法である。

 こうした経験圧縮以外にも、綿密に設計された擬似世界空間では実戦さながらの訓練すら可能になった。

 VR空間で死ぬことはないのだから、と実弾並の痛覚再生エンジンを使用しての訓練を行う国すら多くあった。

 反面、娯楽としてのVR技術利用は難航していた。

 ハード面の高性能化が進んだゲーム業界では、ソフト開発を一社で行うことは困難になっていたからである。

 当時、すでにゲーム開発は携帯機が主流であり、据置機のソフトウェア開発は国内数社が共同で行うことが常識になっていた。


 そんな中で降って湧いたVR技術を使用したゲーム開発は、世界中が待ち望んだ希望であると同時に、 開発者たちにとってはおいそれと手を出せないパンドラの箱であった。


 そんな中でも、様々な思惑と利権が絡み合い、結果として世界初のVRMMO開発は世界中の国家、企業が協調する形で開発することが決定された。


 開発期間、実に6年。

 日本名 ユグドラシルオンラインの誕生である。

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