弍.感情
ある日、友達が死んだ。
私が、刺し殺した。
私が、
「悲しいって何?」
って聞いたら、
「ここら辺を包丁で刺してみたらわかるんじゃないかな?」
って、友達が言った。
だから、言う通りにした。
そしたら、友達が死んだ。
私は、死体の前に立っている。
「ねぇ、わかんないよ。」
と言っても、返事をしない。
「教えてよ。」
と言っても、動いてくれない。
死体だから、動かないし、声も出ないし、何も考えられない。
なのに、その子のことを求めてしまう。
何も、教えてくれないから。
屹度、私は、捕まるんだろう。
殺人犯として。
ふと、ともだちの声がした。
「そっか、なにも感じないか。だったら、生きてたら、屹度、皆んな殺したい程に憎む。そしたら、此処で、死んだほうがマシじゃない?」
そうか。そうだよね。
「ほら、もう一回握り直して、」
包丁を握り直す。
「此処に、ゆっくりと刃を入れてく。」
ともだちの手が私の鳩尾をなぞる。
「そしたら、罰を受けながら死ねる。」
もう、トモダチの声も聞こえてなかった。
ゆっくり、トモダチが教えてくれた通りに動く。
鈍い痛みがした。
段々、力が抜けてく。
最後の力を振り絞って、トモダチの横に寝そべる。
血が体から流れ出て、頭がふわふわする。
「苦しいでしょ。」
トモダチの冷たい声が聞こえた。
たましいが半分位、抜けてる気がするけど、残りはしぶとく、私の意識をはっきりさせる。
苦しい。
それが、私の初めて感じた感情だった。
どーも、七名瀬です。
なんだかんだ二本目です。
どうしてこんなことになったんでしょうね。
彼女に救いがありますように。




