さよなら
2022年1月3日
憂花の日記を書くのも今日で最後。
私は憂花のいない人生なんて考えられない。和哉は憂花と同じくらい大事だ。でも、和哉まで失ってしまったらと思うと恐ろしくなる。私と関わるときっと不幸な目に遭うだろうから――今日、別れを告げてきた。
和哉は納得していない様子だった。急に別れようと言われたのだから無理もない。本当の理由なんて言えない。
大切な人ほど遠くに置いておくものだ。
私が今、どこにいるのかと言うと、崖の上だ。ここまで登るのは大変だった。坂道をひたすら登った。
大きく広がる海が見渡せる。最後の場所にはうってつけだ。本当は海が良かったけど、おぼれて死ぬのはきついと思うから。ここなら一瞬だ。
私は罪を償うために来た。まあ、それは都合のいい理由でしかない。本当はただ、毎日が辛いだけだ。
学校、家、公園、海、どこに行っても憂花はいない。それどころか、憂花が生きた痕跡はこの日記だけだ。
憂花のことを想っているのも覚えているのもきっと私だけ。
悲しい、ただ悲しい。
もう私がこの世界にいる意味はない。ずっとそう思っていた。だから、今日で終わりにしようと思う。
お母さん、お父さん、こんな娘でごめん。和哉、いつも私のことを想ってくれてありがとう。
私は憂花のもとに行きます。さようなら




