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086 ゴールド共有の謎と高額な装備

 なろう小説のモデルとなるゲームは大雑把に分けると二つある。乙女ゲーとRPGだ。今回は、後者の素朴な疑問について考えてみたい。


 それは、作品によるものの「なぜ資金を仲間全員で共有するケースが多いのか」である。


 本来、冒険者は個人事業主だ。例えば報酬が100ゴールドで数名のパーティとしたら、山分けか貢献度に応じて分配するだろう。そして各人が受け取ったお金はもうその人のものだ。

 なのに多くのゲームでは、所持金は共有……システム的にはセーブデータごとに一纏めにされているケースが多い気がする。


 最近だと、違和感があったのは72話で紹介した「ダンジョンアンティーカ」だ。


 このゲームでは善と悪のキャラはパーティを組めず、元ネタのウィザードリィのように冒険を中断して合流という抜け道もない。そして中立か悪しかなれない盗賊が必須でないため、全員善のパーティでもやっていける。なら、全員善と全員悪のパーティは終始関わりがないはずだ。

 命がけで稼いだお金を他人と共有する義理はない。なのに同一のセーブデータであれば、資金や預かり所のアイテムは全てのキャラで使える。


 むろんメタ的にはプレイヤーの負担を減らすためだ。何でもリアルならよいわけではない。だが、ここはあえて理由を考えてみよう。


 ドラクエ系は分かりやすい。あれは国王公認の勇者パーティであり、メンバーは同一の部隊に所属する兵士のようなものだ。たぶんゲーム中で使えるゴールドは部隊の予算で、ルイーダの酒場で個人が飲み食いするお金とは別なのだろう。

 つまり「勇者たち四人は○○をたおした! 100ゴールドをてにいれた!」の場合、実際には200ゴールド入手してて、うち半分を部隊の資金として確保(上納?)し、25ゴールドを個人の取り分としている。それがゲームでは省略されているだけなのだ。


 その点ウィザードリィ系は、アメリカが契約社会だからか細かい。キャラ作った際にいくらかの所持金があり、酒場で山分けしない限りその人の財布に収まったままだ。

 実際は全滅対策として、まとまった額を酒場に待機しているキャラに預けるんだけどね。そいつは大抵「ぎんこう」とかそんな名前だし。


 ダンティカは……善悪問わずプレイヤーキャラが所属している冒険者ギルドの資金、あるいは領主の取り分、いわば「ダンジョン攻略部門」の予算で、そこから冒険者に補助金が出されてるとか? つまりアイテムや素材といった資源を効率よく町にもたらすための経費とか、そんな感じのお金かもしれない。

 新しく作ったキャラが最強武器を購入できるのも、領主ないしギルマスの許可があればこそなのだろう。そう考えると、儀式(27話参照)で? 銅の剣しか貰えないドラクエ勇者より優遇されてるなあ。


 ところで、ゲームだと上級装備は性能アップの割に価格の上昇率が高い。攻撃力増加は迅速な敵の排除につながり、被ダメージが減少しタイムリミットに間に合うわけだから割高はしゃーないが、理由はそれだけではないかもしれない。


 つまり、武具そのものが金券という考えだ。史実でも、信長の政策により茶碗などが天文学的な価値を持っていた。

 典型はドラクエ2のミンクのコートや、ウィザードリィのシナリオ2に登場したローブ+3だろう。どちらも性能の割に高額、かつ魔法使いでも装備できる軽さだ。とくに前者は、明らかに全滅時の換金用に思える。


 最強装備が高額なのは、同じ町ないしギルドに所属し、その組織に多くの資金を統括される高レベルキャラクターたちへの、ささやかな救済措置なのかもしれない。


 え、裸忍者? 彼らは武術を極め、いろいろ常識を超えた存在になってるんでしょう、たぶん。

初期所持金

近年の作品だと、キャラメイク→集金→削除の不正防止のため、売値0の武具だけ装備しておりお金は持っていないケースが多い。


高額な茶器

武将に褒美として与える土地の不足を補うため、信長は高額美術品である茶道具を恩賞として用いた。なお名物茶器は信長主催の茶会(事実上の重役会議)への参加権、および茶会の開催権(有力武将と人脈を形成する機会となる)を兼ねており、武将たちにはこちらの方が重要だったろう。

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