075 番外編 東海三県クエストシリーズ
今回もソシャゲの紹介。ただ、オススメできるかというと少々疑問符がつくかも。
RPGの三部作で、タイトルは発表された順に「岐阜クエスト」「三重クエスト」「愛知クエスト」だ。私は個人的に、東海三県クエストシリーズと呼んでいる。
話は三作共通で……
『突如現れた魔物によって、○○県は滅びた。○○県民は心折られ、魔物の支配に抗う者はいなかった。あなたが現れるまでは!』
……というナレーションで始まる。
タイトルから分かるようにドラクエ風で、各県の美味しいものを食べ尽くすためにやってきた、猫のような不思議な生き物「みぃねこ」によって召喚された主人公が、勇者として戦うというものだ。なお各作品の主人公は別人です。
が、正直RPGとしての出来はギリギリ及第点といったところ。難易度はそこまででもないが、毎回「新しい町に行く→特産品食べてバフ→魔物退治を頼まれる→討伐→報酬もらう→次の町へ」の繰り返しで単調だし、エンカ多すぎてうざいし、大量の敵がいたり異様に長かったりと面倒なマップはダレるし、最強ランクの装備は高すぎて買えないし。
スキルツリーとか本格的な育成システムもない。究極のキャラを作りたい人には物足りないだろう。また愛知を除き、主人公は性別を選べるだけで外見をカスタマイズできないのも残念。
さて、ここまで問題点を挙げてきたが、もちろん悪いところだけではない。本シリーズの魅力は、非常に成長が早いという点だ。なにしろ戦闘はもちろん、歩いたり町の人と話したりするだけでレベルが上がるのだから!
なぜならプレイヤーを成長させるのは経験値ではなく、各県の理解度「○○力(岐阜クエストの場合は岐阜力)」だからだ。したがって町歩きで土地勘をつけたり、町の特色を教わったりすれば、チートかなにかで強くなるわけですな。
戦闘ではメーターの目押しでクリティカルが出たり、スキル使用回数が減らない&回復したりするので、ある程度なら動体視力でレベルの低さとスキルの消費を補えるのも嬉しい。もちろん職業ごとに修得スキルは違うので、上手く連携させる戦術的な楽しみもある。
このシリーズは本格RPGというよりパロディ、あるいは遊びながら東海地方を知ろう! という観光ガイドの色合いが濃い。実際、仲間になるのはその県のゆるキャラや歴史上の偉人たちだし、史実を反映して愛知と岐阜では仲間になる信長が三重では敵だったりする。
また様々なコラボが行われ、観光地を訪れたりクーポンの情報を見たりすることでアイテムが貰えるなどの特典も。リアルで現地を訪れてみるのも一興だろう。
ところでこのゲーム、キャラデザや仲間の顔ぶれに作者の趣味が見え隠れするのよね。
たとえば三重クエストの女主人公は、「アイドルマスターシンデレラガールズ」の緒方智絵里に酷似している。彼女は三重出身だが、作者の推しなのだろうか? それはそうと、いくら伊賀市が忍者の里だからって仲間に忍者多すぎぃ!
愛知で最後に仲間になるのが徳川四天王というのも印象的だ。家康を加えたらちょうど各職業一人ずつのバランス良い編成になるので、作者は徳川家推しなのだろう。岐阜では地元のアイドル「蜂蜜☆皇帝」のメンバーなどが仲間になる。
その一方で登場しないキャラも多いのが残念。愛知のドアラやグランパスくんは大人の事情で、知多娘。あたりは人数多すぎて無理だったのかな。岐阜のミナモはいるが。
ああそうだ、愛知クエストの最後、名古屋市が地獄に落とされてマップが閉鎖空間になるんだけど、電車に乗れば市外に出られるのはシュールすぎて笑えましたね。
地獄って電車で脱出できるんだ……
ていうか普通に営業してるんだ……




