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035 蘇生と再生、似て非なる魔法

 突然だが、ファンタジー小説やRPGにおいて、もっとも需要の多い魔法とはなんだろう。


「ドラクエの魔法ひとつだけ使えるなら何がいい?」という質問では高速移動のルーラが人気のようだが、それに負けない選択肢となるのが、蘇生の魔法ザオリクではなかろうか。


 生き返り、それは人にとって永遠の――そして決して叶うことのない――夢だから。その願いを反映するかのように、神話でも死者にもう一度会いたいと冥界へゆく話は複数ある。


 ゲームだとHPが0になったキャラを復活させるだけなので意識せずにいるが、生き返りの魔法には二種類あるはずだ。すなわち蘇生と、再生である。


 まず蘇生魔法。上記のザオリクなどが該当すると思われる。これはあくまでも「生き返らせる」魔法であって、「何かを作り出す魔法」ではない。なので遺体が、少なくとも生命維持に必須の部分は揃っていなければダメ。バラモスが「二度と生き返れないようにはらわたを喰らう」と言っていたのはそのためだ。


 再生魔法は違う。ウィザードリィのカドルト、ファイアーエムブレムのオームなどがこれ。遺体が欠損しているなら、別のところから代用品をもってくるのだ。


 この描写に詳しいのが人気漫画「ダンジョン飯」で、竜に補食され白骨になったファリンを、その竜の血肉を用いて復活させた。カドルトでも灰からの蘇生時には(全身の灰が揃っているほうが好ましいのは当然として)、血や肉の不足を補うため家畜の死骸などを用意しているかもしれない。ていうか、そもそもダンジョン飯にはウィザードリィの影響が見える。


 オームはもっと凄い。初代の「暗黒竜と光の剣」で見てみよう。

 仮に誰か戦死したとして、マルスたちが棺桶を担いで転戦し続けたわけがない。次のマップに進む前に現地に葬られ、持っていたのは遺髪くらいのはず。ドルーアの神殿ではそれをもとに、やはり代わりの血や肉を用意して再生させた可能性が高い。


 あ、リフが傷薬になった理由って……


 話を戻そう。勇者たちは近代的なDNAの知識がないので、ひとくくりに「生き返りの魔法」と思っているかもだが、蘇生魔法が文字どおりの意味なのに対して、再生魔法は遺髪などから採取した遺伝子情報をもとに肉体を新造……つまりクローンを作る魔法なのではなかろうか。


 ということは、だ。遺髪と遺体、両方にカドルトやオームを使ったらどうなる?


 もちろん遺体が無傷、死亡直後に近いほど再生の難度は低いはずで、髪の毛一本からクローンを作れるケースは少ないだろう。だが仮に上半身と下半身とか、半分くらい残っていたら……同じ個体が二体できあがる可能性が考えられる! 二つに切ったプラナリアみたいにだ!


 実際、ワードナはどうやってドラゴンとかを多数従えていたのだろう。絶対数が少ない種のはずなのに。

 もしかしたら、本体はドラゴンゾンビとして再利用し、一部切り取った肉片をカドルト(魔法使いなのでマハマンか)で再生させ、新しいファイアードラゴンとしていたのか? ここまでくるともうファンタジーでなくSFの領域だが、あのワードナのことだ。このくらいやっても不思議はない。


 竜のクローンを量産……考えるのも恐ろしい。高度に発達した科学は魔法と区別がつかないというが、逆もまたしかりということか。


 ところでドラクエは遺体が全部揃ってないと復活できないはずだが、敵のメガンテで砕け散った勇者たちはどうやって復活した?


 一説にはサポート部隊が回収しているとも言われるが、モンスターのいる中でバラバラ死体を全部拾うのはすごすぎる。ラスダン前の村の住人といいバラモスゾンビ連れてくる闘技場の係員といい、もうお前らが魔王倒しに行けよ。

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