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21/26

公開

 公開日。


 午前十時。


 第一話を公開する。


 SNSにも告知。


 あらすじも確認した。


 一時間。


 PV、126。


 三時間。


 PV、402。


 ブックマーク、8。


 数字を見る。


 閉じる。


 第二話を開く。


 十分後。


 また管理画面。


「変わってねえ」


 結局見る。


 栞からメッセージ。


『数字見てる?』


『少し』


『正直』


『成長した』


『そこ?』


 二日目。


 ランキングには入らない。


 三日目。


 スマホに通知が二つ来た。


 アクセス通知。


 感想通知。


 指が一瞬止まる。


 感想を先に開いた。



 その人が書いていたのは、第一話の最後だった。


 姉の原稿に、一行だけ妙な文章がある。


『彼女は、泣きながら笑った。』


 新人賞に出す原稿なら、俺はたぶん直す。


 泣くのか笑うのか、どちらかにした方がいい。


 もっと具体的に書いた方が伝わる。


 そう思って、カーソルを置く。


『彼女は少し笑った。』


 打って。


 消した。


 姉がどんな顔を思い浮かべて、この一行を書いたのか。


 もう聞けない。


 だから直せなかった。


 主人公は結局、その一文を残す。


 俺も、その場面は残した。


『お姉さんの小説を直せないところ、すごく分かりました』


 そこは、栞も俺も好きだと言った場面だった。


 しばらく読んでから、管理画面を開く。


 ブックマーク、23。


「二十三か」


 少ない、と思う。


 でもそのうち一人は、さっき言葉をくれた。


 俺は第二話を更新した。


 数字はゆっくり増えていった。

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