↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/2

1. 朝の挨拶

 覚えていらっしゃるかしら。

 サーモンのマリネや冷たいスープといった夏のお料理をいただきながら、私は新調した靴を履いた足の事ばかりを気にして、あなたが色々話しかけてくれるのに上の空で随分あなたを落胆させてしまって……。

 店を出て、黙って川辺の道を歩く途中にあなたが私の踵に気がついて、「どうして黙っていたんですか」って。

 ベンチに座るよう言ったあなたに、靴を脱がされ、足を見られたのがなんだかとてもどきどきしたの。

 それから。

 街灯の光をきらきら反射する川を眺めて、沢山お話ししましたね。

 どこからか路上のヴァイオリン弾きが奏でるワルツが聞こえて、「踊りたいわ」って言ったわたしに呆れたあなたの顔がなんだかとても可愛らしく思えて――ああわたし、きっとこの人とずっと一緒にいるのだわ、って思いました。


 覚えていらっしゃるかしら。

 あの夏の夜を。

 結婚して三十年目の朝を迎えた旦那様へ。

 おはようの挨拶と愛を込めて。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。