その11 日本と中国の間に存在していそうな齟齬について
日本の政治家が中国に行って、いろいろ話しあったと聞きました。
で、まあいろいろ反応があるようですが。
近ごろ、「日本人の中国嫌い」が言われていたりするような。
その要因として、日本側の嫉妬とか言われていたりもしていますが。
いっぽうで中国側でも、首を傾げたりしているようです。
「日本は世間の空気に流される、長いものに巻かれるお国柄であるはずだ」と。
「ならば大国となった中国の言うことに従うはずなんだけどなあ……」と、そういうノリがあるとか、ないとか。
本当だとしたらたぶんそれ、ちょっとズレてるんじゃないかなって。
現世利益があるかどうかだと思うんですよね、なんとなく。
おつきあいすると儲かるかどうか、じゃないかなあ。
(その8で言いたかったのはこういうことじゃないですからね。こういうの言っとかないとおかしなパクり方する人がいるから……。手なりの20分でひねり出した適当な嘘を史実なり事実のように扱って構成する人を見かけたもので。いや、小説なんですってば。なんなら基本ぜんぶ嘘なんですよ、小説ってものは。嘘の中に事実(史実原典学説論理帰結)を混ぜたり事実の中に嘘組み込むと何ができあがってくるかってんで遊んでる箇所もありますけど。そういうオリジナルブレンドだからすぐにパクりが分かるってのに、もう……頼むから適当にこさえた嘘から二次情報を組み上げて得々と語るのやめてお願い恥ずかしい。あまつそういう「嘘由来の新奇情報」によって人から〇〇料を受ける結果になっているってこと、自覚のうえでなさってます? 片棒担ぎになっちゃうのとかマジ勘弁なんですけど)
と、かような生臭い話が嫌いで意識の外に置くよう心がけつつも、なお中国に対する嫌悪感を抱いている……そういう人もけっこういるように見受けられます。
その理由なり原因として、ひとつには言葉の問題もあるんではないかなと。
中国語って、日本語に比べて語気が強いように思うんですよ。
「なんか中国政府ってキツイよねえ」って感じられちゃうのって、そこかなあと。
例えば「熱烈歓迎」ってありますよね。
直訳しても、やっぱり「熱烈歓迎」としか言いようがないんですけども。
これ意訳するとたぶん、「ようこそ」とか「いらっしゃい」ぐらいのところじゃないですかね。
「應該~」なんかもこれかなあと(簡体字出せないので繫體字にしてます)。
直訳「~すべきである」
意訳「~をめざします」
感覚的にはそれぐらいのところじゃないかなって。
現代中国語には全く自信がありませんけど。
裏返して、日本語の「~をめざします」を中国語に直訳して「目標爲」と言うと、「なんか弱いな」「やる気あんのか」って感じになってしまうような。
でも日本政府が「~をめざします」って言い出したら、たぶん逆らわないほうがいいですよね相場とかそっち方面やる人は。それぐらいの強さは帯びている語気なんですけど、そのあたりがあんまり伝わっていないような?
そんなこんな含めて、どうも日中間って「国民へ向けてのメッセージ」というレベルのところで――外交の現場ではそんなことないと思いますので――機微が伝わってない感、あるのかもしれないなあと。
それこそ例えば王毅外相が日本人に知られるようになったのって、駐日大使になった時のことだったかと思うのですが……。
私は正直驚きました。
うわ、マジでこんな見た目の人いるんだっていう意味で。
あの人、典型的な Chinese traditional ikeoji です。
日本で言うなら「昭和のイケメン」……石原裕次郎とか加山雄三とか、そういう立ち位置……と書いてみて、いや違うなと。
日本で言うなら「戦前のイケメン、江戸室町のイケメン」……五月人形のモデルとか、そういう立ち位置の正統派イケメンですあの人。
面如冠玉、眸若朗星、象乾円而天庭豊、似坤方兮頤頷重……だいぶ怪しいですが、要するに「つやつやお肌で、目に光があって、おでこが広くて丸くって、顎がふっくら張っている」。
みんな大好き三国志の時代から、才子佳人の中唐文言小説から、紅楼夢から、あとは典型例として……かえって誹謗になるからやめますか……に至るまで、革命前の中国で「容姿に優れる」と言ったらあんな感じのお顔です。
現代中国ではちょっと雰囲気が違っていて、グレイ型宇宙人みたいな細顎が流行っているみたいですけど。ついでにそれが政府に否定されて男くさいイケメンこそがイケメンであるとする思想教育なども行われているみたいですけども。
目に光があるってのはアレです。最近の漫画で言うと『【推しの子】』の目に入っているハイライト、あれを写真修正で目に描き入れても違和感ない雰囲気です。いや無理か。違和感あるな。
ともあれ。
しかし王毅氏が大使となった時、「イケメンだ!」って受け止め、日本ではあまり聞かなかったような気がします。どちらかと言えばおそらく「頭良さそう」「切れ者官僚」って感じで捉えられたんじゃないでしょうか。
そりゃそうですよね、日本人のイケオジ観とはちょっと違う。私たち日本人の目から見た王毅さんって、間違いなく顔整いではあるけれど、イケメンと評するには少しばかり柔和に過ぎるんじゃないかなって。
……だから発言を強め強めにしてるってことでもないでしょうけれども。
東アジア的権威主義とか共産主義とかが割とやりがちな視覚的宣伝効果を期待していただろうに、不発に終わった感が当時漂っていたような?
そういうところ、案外と中国は日本国民に対する理解が甘い、理解しているつもりで理解しきれていない……と言えないこともないように思うのです。
中国が日本を理解する必要などない、中国の言うことに従っておけば良いのだとおっしゃる?
好感度は下がるんじゃないですかね、そういうスタンス。
ついでに言うと、エタらせるつもりはないですからね、あちらの小説。
元ネタにせざるを得ない別の小説を書きあげたら戻りますから。
いろいろ生きてますからねと、まあそういう。




