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第12話 勇者は一人を選べない?①

     1


 私が目を覚ますと、ふわふわの白いベッドに横たわっていた。

 凄く寝心地のいい子のベッドは……、そっか、私のベッドじゃん……。

 掛布団のように使っている白い薄い布をめくりあげ、私は半身を起こす。

 そして、周囲を見渡すと、そこは私の知っている部屋。摩耶友理奈の部屋であることを理解するのに時間など必要ではなかった。

 ほっと安堵したうえで私は視線を下に落とす。

 と、そこには白い肌が―――――。


「ええぇぇぇぇっ!? 何で裸なの!? てか、全裸じゃない!」


 私は自身の姿を改めて認識した。

 昨日つけていたブラジャーがない。パンティーも履いていない。それどころか制服も……。


「え!? 何で? 私の服はどこなの!?」


 その時、私の視界の隅で布団の膨らみに気づく。


「まあ、こういうときにアイツが好きなラブコメ的な展開で言うと、アイツがここで寝ているって感じなんだろうけれど……。まあ、まさかそんなことないわよ!」


 いや、そうであってほしいという単なる私の願望だったのだが……。

 私はゴクリと緊張で喉を鳴らした後、そっと掛布団を剥いでみる……。

 …………いた。

 このボサボサッとした髪の毛。そして、優しい表情をしながら寝ているこの青年は……。


「な、何でアンタが、ここで寝てるのよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?!?!?」


 私は大声で叫び、掛布団を全て剥ぐ。

 と、そこには裸体の神楽が……。

 そ、それにど、どうしてそこが大きくなってるのぉ……!?


「も、もう! 変態! エッチ! 何てことすんのよ!?」


 しかし、神楽は目を覚まそうとはしない。

 ついでに言うと寝息もたてていない……。


「て、ことは『死の—————!?」


 と、そのとき、勢いよくドアが開き、人が雪崩れ込んでくる。

 ちょ、ちょっと、待って!?

 家の人にこんな姿……というかこの状況を見られたら、私の人生が終わっちゃうんだけれど!?

 私は思わず剥いでいた掛布団をたくし上げ、神楽に覆うと、自身の身も隠す。

 が、その心配は別の心配へと移った。

 入ってきたのは家族ではなかったが———、


「あ! 友理奈ちゃん! 起きたんだね!」

「あらあら、元気そうで何よりだわ」

「さっき、部屋から悲鳴が聞こえたんやけど、何かあったんか?」


 洞泉どうせんえな江奈えな久遠寺くおんじ優紀ゆき藍那あいな紗里奈さりな先輩の3人が駆け込んできたのだった。

 いや、だがこの人たちは神楽のことを好きな3人―――。

 この状況が知れてしまったら、絶対に私はここで糾弾されるのは間違いない!

 私は素早く頭を回転させて、この状況を打開するための策を練る。

 が、虚しくもそれは江奈の一言で吹き飛んでしまった。


「あれ? 祐二はどこ? 一緒にいたでしょ?」

「へぇえっ!?」

「ああ、そうやわ。アンタは意識を乗っ取られてたから、知らんかもしれんけど、アンタは『白之魔女フィア』の魔精媚薬アフローディージーアックを体内に注ぎ込まれて、淫欲発作《エッチな気分》が止まらなくなったんだ。それを祐二が『俺が摩耶を助ける』って自らの身体に取り込むために吸い出したんよ……アンタの身体から」

「……え……。じゃあ、今、ずっとこの横で目を覚まさないのは……」

「ああ、吸い出した魔精媚薬アフローディージーアックの影響もあるかもしれんなぁ……」


 部屋がしんみりとした重い空気になる。

 そっか……。私のために自らの身体を差し出してくれたなんて……。

 私はさっき、掛布団で覆った神楽のほうに目を落とす。

 が、そんな空気をさっくりと切り開いてしまう女がいた。


「……あのぉ……、ところで、どうして友理奈ちゃんは裸なんですか?」

「ええっ!?」


 しまった! しんみりとした瞬間に、手にしていた掛布団が手からすり抜けて私の上半身が露わになっていた。

 私は思わず掛布団を手繰り寄せる。

 と、今度は隠していたはずの神楽が露呈してしまう。

 あわわわわわ………。


「あらあら、神楽くんも裸なのね……」

「ほほう。これはもしかして『何か』イベントが起こったんやな!?」

「紗里奈さんはどうしてエッチなことをイベントっていうんですか!?」

「いやいや、ウチはまだエッチなこととは一言も言ってないで。単に『何か』イベントがあったんか、と……」


 あ、これはやってしまった……。

 とはいえ、自分自身、神楽とエッチなことをした記憶がない。

 だから、強く否定すらできない……。

 私が生きてるってことは、セックスはしてないってことだけは確かなんだけど……。


「もう、いじめるのはこれくらいにしてあげましょうよ」

「ええっ!? 本当に何もなかったんですよね?」


 私は三人に語気を強めて問うと、三人は各々複雑な顔をする。

 何かあったんだ……。私の顔からサーッと血の気が引いていく。

 すると、藍那先輩が私の手繰り寄せた掛布団をバッと勢いよく剥ぎ取る。

 もちろん、私と神楽は一糸まとわぬ格好で、放りだされたような形になる。


「も、もう! 何するのよ!」

「いやいや、身体を隠す前に、よぅ、ここを見てみぃよ!」


 藍那先輩は私のベッドのシーツを指さす。

 そこにはジワリと何やら大きな染みが出来ていた。

 な、何これ―――――。

 江奈と優紀は、興味津々とそれを直視している。優紀に至っては、「まあ!」なんて声を上げる始末だ。


「さっき言ったやんな? 『白之魔女フィア』に魔精媚薬アフローディージーアックを注入されたって。その影響で、アンタ、精神的に狂ってたんよ……。それを神楽がそ、そのあなたを助けるために……、エッチなことしたりして……」

「———え゛?」


 私は思わず、自分の下半身に目をやってしまう。

 紗里奈先輩はすかさず私の両足を拡げて、何やら押し広げて確認されてしまう。

 はわわわわ………。て、どこ見てるんですか!?


「うん。大丈夫やね! まだ、あるわ!」

「藍那先輩!?」

「大丈夫やわ。結ばれてへんわ」


 藍那先輩が私の方を見て、サムズアップしてくる。

 いや、メチャクチャ恥ずかしいんですけど!?

 そ、その処女とか確認しないでほしいんだけど……!?

 と、あと、そこの二人、ほっと胸を撫でおろしてるんじゃないわよ!


「あ、あの……す、吸い出したんですよね……?」

「ああ、そうやで(キリッ)」


 藍那先輩、そこでクールビューティーは結構です。

 私は藍那先輩の肩をつかみ、


「あの……、どうやって吸い出したんでしょうか……」

「……え? 聞いちゃうんか?」

「え!? 聞けない話なんですか!?」

「いや……。別にはなしても構わんけど、耳、閉じんと聞いてや」


 ゴクリと私は思わず恐怖が襲ってきて、唾を飲んでしまう。


魔精媚薬アフローディージーアックを吸い出すために、まず、神楽の指でアンタのあそこをイジイジして、身体を性的興奮メロメロ状態にさせてやな――――」


 もう、死んでしまいたい。

 神楽は私を助けるため(と、信じたい!)、私の敏感なところを指で攻め立てた……と。


「で、友理奈がイク瞬間に吸い出したんよ」

「どこから……?」


 私がそう尋ねると、藍那先輩は私の程良い双丘の先を指さす。


「結構な量を『白之魔女フィア』は注入したみたいだから、神楽がお口でチュウチュウチュパチュパしながら、吸い出してくれたのよ。そのたびに凄い声上げて……、その後遺症で……シーツがこうなった…んやで……」


 ああ!? 藍那先輩まで顔を赤らめないでください!

 どうやら、私は死んだほうがマシのような気がしてきた。

 ちょっぴり胸がジンジンと痛むのはそのため………なの? あ、乳首がいやらしく立ってる!?

 恥ずかしさのあまり、私の顔は真っ赤を通り越しているようにさえ感じる。


「て、やっぱり納得できないんですけれど!?」

「納得も何も、もうすでに終わった出来事やのに、なんでそんなに憤るん? アンタは神楽におっぱいをチュウチュウと吸われて、ヨガリながら媚薬と潮を吹きだしただけやで!」

「あぁぁぁぁぁ……、皆まで言わないでぇ……。媚薬の吹き出し方を、母乳のように言うの止めてください! 私、まだ未成年でそういう経験そのものがないんですから!」

「あははは! まあ、確かに母乳みたいやったな……。 アンタはエッチな想像力はたくましいんやなぁ~。ウチはそこまで言ってへんでぇ?」

「もう! また、ハメられた!」

「安心しぃや。アンタは前後ともに処女やで」

「そういう意味じゃなくって……。て、後ろ!? そ、それは……アブノーマルでは!?」

「何で、通じてるの……友理奈ちゃん」

「はっ!? あ、あの……こ、これは………」

「まあ、友理奈はムッツリスケベさんやから、仕方しゃーないことなんや。自覚がないんよなぁ……。本当は神楽にもっと激しいプレイをおねだりしてたくせになぁ……」

「確かに、友理奈ちゃん、凄い声出してたもんねぇ……」

「イキ果てるってああいうのを指すんでしょうねぇ……」


 あー、外野は本当に黙っていてほしい。


「もう、いい加減にしてください! わ、私の助けられ方はよくわかりました。でも、今は神楽が息してないんです!」

「まあ、魔精媚薬の影響はあるやろうし……。あ、そういえば、今日って7日目やったっけ? じゃあ、あれなんちゃうの? もう、仕方しゃーないなぁ~」

「あら、じゃあ、タイムリミットの日ですね。私のIカップに包まれながら、起こしてあげましょうか~」

「じゃあ、ここは幼馴染であるあたしがキスで!」


 こ、この人たち、何かしら理由をつけて、神楽とキスをしたいだけなんだわ!

 私はこの三人から不穏な空気を察して、キスだけで終わらないのではないかと不安になる。

 案の定、三人はキスをするだけなのに、服を脱ぎ始めているではないか。


「もう、私、待てないんですよねえ~。友理奈のあ~んな声まで聞かされて……」

「あたしの方が先ですよ!」

「いやいや、ここは先輩であるウチが先やろ?」


 ダメだ。三人ともが恥ずかしがらずに服をスパッと脱ぎ捨てて、餌を取り巻くハイエナのような目線をしている。

 私は……私にとってコイツは……。


「だ、ダメよ! 神楽は私の恋人なんだから!!」


 そういうと、私はその場のハイエナよりも早く神楽の唇を奪い取った。

 ……ちゅぱちゅぱ……んちゅんちゅ……

 舌を絡めたエッチなキス。

 唾液が絡まり、口の端からとろりと唾液が漏れ出る。

 もう、誰にも渡さないんだから———!





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作品をお読みいただきありがとうございます!

少しでもいいな、続きが読みたいな、と思っていただけたなら、ブクマよろしくお願いいたします。

評価もお待ちしております。

コメントやレビューを書いていただくと作者、泣いて喜びます!

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