25話
生存報告です
そして2週間が過ぎ、一行は船で淡路島へ向かっている。
初めて見る渦潮や巨大な橋に皆興奮していたが、船に着くとテキパキと行動を始めた。
船から降りた蓬は大きく背伸びをして振り返る。
「うし…とりあえずもう昼だし、昼食にしようぜ」
「そうだね。せっかく淡路島に来てるんだし、特産品でも食べたいね」
時間を見ればちょうど昼時なため、雪風は首肯する。
その時、外崎先生が口を開く。
「淡路島は海鮮が有名らしいから、魚介類にするのはどうかしら?」
「そうですね。千夜達はどう?海鮮とかで大丈夫?」
「大丈夫だよー」
蓬、千夜、霞、如月先生が頷いたため、近くにあった魚介類を扱っている飲食店へ入る。
「うーんと、どれにしようかな」
メニューに載っている写真はどれも美味しそうで迷ってしまう。
「…よし、決めた!皆は決めた?」
バッチリと皆が頷いたのを確認した雪風は店員さんに注文を頼む。
それぞれ注文が終わり店員が厨房へ向かうと、蓬が口を開く。
「そういえば、この後はどこ行くんだ?」
「うーん、ホテルまでの道のりに何かあったら行くって感じかな。ホテルの周りは観光スポットがいっぱいあるから」
「なるほどな。ホテルまではタクシーか?」
「あ、それについては私から」
霞さんが声を上げる。
「お父様に淡路島へ旅行すると言ったら『私が所有しているホテルがある。そこで過ごすと良い。ああ、車もこちらで用意しておくから、人数を教えてくれ』との事で、車があるらしいです。…どんな車なのかは教えてくれませんでしたが…」
「そうかあ…。それにしても霞さんのお父さんが所持してるホテル…、大丈夫か?金額聞いたら倒れそうなんだが…」
「えっと、調べたら一泊1万5千円らしいわ。私達は2泊3日だから少し安くなって1万3千円だって」
「うーん…まあ夏休みはホテルの料金も高くなるらしいし、安いと言えば安い…のか?」
「あ、ちなみにリゾートホテルらしいよ」
「…安っ!」
「ねー、施設関係だけじゃなくてサービスにも力を入れてて、評価も物凄く高いね」
ほら、と雪風がスマホを蓬に見せる。
「えっ…ここってめちゃくちゃ人気ある所じゃん。長期休暇シーズンは予約ですぐ埋まっちゃうって聞いたことあるんだが…よく部屋取れたな…」
「本当にね」
頷くと、丁度料理が運ばれてくる。
それぞれに運ばれた料理は鮮やかな色で、鮮度が高いとすぐに分かるほどだった。
「うまそ…。頂きます」
『頂きます』
蓬の合掌を合図にそれぞれが合掌し、一切れ掴み持ち上げる。
脂のサシが店内の光を反射し、まるで宝石のようだった。
『美味しい…』
口に入れ一噛みすると、魚特有の苦味もなく、鮮度が良い事を物語っていた。
微かな歯応えを返す食感と口に広がる旨味に思わず呟いてしまうほど美味だった。
それから数十分、雪風達は談笑しつつ料理を楽しんだ。




