17話
この小説はどこに向かおうとしてるのだろう。
「状況はどうですか?」
「う〜ん…なんとも言えない感じですね」
外崎先生が如月先生に状態を確認するが、曖昧な返事が返ってくる。
その後、3人は職員室に戻り、ホームページの修正を行っていた。
途中雪風の服装を見てギョッとした教師もいた。
主に男性教師が。
「すごい視線を感じます」
「そうでしょうね」
ただでさえ制服を着ていても男の子かと疑う容姿なのに、私服になると女の子という印象になる。
…いや女の子というか男の娘なんだけどね。
「サイト自体はきちんと保存されてるんですよね?」
「えぇ、そう言ってたわ」
「なら、再読み込みとかまたサイトを開き直したりは?」
「えぇっと、それは言ってなかったわね」
「なるほど、まあ色々と解決策を当てはめていけばいいでしょう」
そう言ってパソコンに向き直る。
…が、
「うぅ〜ん?何をしても変わりませんねぇ…」
「そう、困ったわね…」
頬に手を当ててため息をつく外崎先生と原因を探る如月先生を見た雪風はおずおずと声をかける。
「あの、ちょっと良いですか?」
「「ん?」」
2人が雪風を向く。
「どうしたの?」
「えぇっと、その学校のホームページに写真を追加したんですよね?」
「ええ、部活の活動記録を撮った写真を貼ったらしいけど、画像が他よりも小さいって…」
「なるほど…。ちょっといいですか?」
「?はい、どうぞ」
如月先生が席をどいて暁に譲る。
「あ…やっぱりそうだ」
「ん?どうしたの?」
外崎先生が横から顔を覗かせる。
「この画像。大きさが他のよりも小さいので、ただ貼り付けただけだと大きさは変わらないので自分で変えないといけないと思うんですよ」
暁はそう言いながら画像の大きさを他の画像と同じ大きさに変えていく。
そしてWebページを更新すると、無事に画像は大きくなる。
「やったぁ〜」
3人は安堵する。
「お疲れ様。ありがとう、助かったわ」
「いえいえ、画像の大きさは分かりづらいですからね」
◯▲◯
職員室前廊下にて
「あの女の子誰?めっちゃ可愛いんだけど」
「ここの生徒だよ」
「マジデ?あんな可愛い子見たことないんだけど」
「だってあの子性別男だぞ」
「は?」
「ひ?」
「ふ?」
「へ?」
「ほ?いやそんなこと言ってる場合じゃねえよ。マジで男子なん?」
「せやで、暁雪風っていう男子」
「はぇ〜」
職員室にいる雪風を見つめる男子生徒ら。
その雪風がちょうど笑いを堪えているところを見た男子らは
「やっべ、めっちゃ可愛いんだけど。俺あの子にアタックしよ」
「やめとけ速攻で振られるぞ」
「うるせぇ俺はあの子に一目惚れしたんだよ!」
その後、しばらく男子生徒の取っ組み合いが続いたという。
TS展開はまだ先です