年下のカレシが翻弄してくる件
まただ…また振り返ってる
最近、恋人の亜希子さんが
デート中に振り返ってぼーっとしてることがある
「ねぇ?さっきはどうしたんですか?」
〔ん?なにがー?〕
「歩いてるときに急に振り返ってぼーっとしてましたよね」
〔あー…〕
「知り合いでもいたんですか?」
〔違う違う!〕
「じゃあ…何で?」
〔馴染みのある香りがしたのよ〕
「香水ってこと?」
〔そう〕
「亜希子さん!誰の香水!?
もしかして…元カレ!?」
〔違うよ!…憧れだった人〕
「なんか…もっと嫌かも…」
〔なにー?妬きもち妬いてるのー?〕
「…」
〔あ!ここだ…ほら、早く入るよ!〕
「…はいはい」
2年もアプローチしてやっと付き合えた彼女は
2個年上の職場の先輩だ
今日は彼女の好きなドラマが映画化したから
映画館に観に来たんだ
初めての映画デートなのに…
なんでこんなにモヤモヤしないといけないんだ…
彼女の方は、そんなことお構いなしって感じで
スクリーンとポップコーンに夢中だ
刑事物のドラマかー
あ、この女優さん綺麗だな…
すげー露出の多い服…
「痛っ…!」
映画館だから大きな声出せないのに…
彼女が俺の腕を抓っている…
「…なんですか…!?」
小声で話しかけると
ふいっ!っと反対側をみている
なんでよ…僕、なんかした!?
【亜希子point of view】
今日は映画デート
私の好きなドラマなんだー!
恋人の陽大が一緒に観に来てくれるって言ってくれたの
女刑事が単独行動を取りながら、バンバン事件を解決しちゃうの!
主役の女優さんがかっこよくて…!
あ、このシーン…
危ないかも…
あ、ほらぁ…
陽大が また鼻の下伸ばしてニヤニヤしながら
スクリーンの中の女優さんを見てる…
いっつもそう!!
あんなに私のことを好きだって言ってくれてたくせに
いっつも他の女の子のこと見てニヤニヤしてる
しかも、決まって…胸が大きい子…
なによ…悪かったわね…っ!!
どうせ私は…A'よ!!!
「痛っ…!」
陽大の腕を抓ってやった
「…なんですか…!?」
小声でそう言ってきたけど…知らないっ!
私はポップコーンを食べながら
スクリーンに向き直した
あーっ!2時間あっという間だったぁ…!
ドラマの集大成の映画だったからー
観に来てよかったぁ!
あ!パンフレット買わなきゃ…!
「待った!どこに行くんです?」
〔パンフレット買ってくる〕
「…僕も行きます」
あーっ!買えてよかった!残り少なくなってた…
やっぱり人気だもんねー
「楽しかったですか?」
〔うん!来てよかった!ありがとうー
一緒に来てくれて〕
「ううん、それはいいんだけど…あの、亜希子さん」
〔ん?なにー?〕
「どうして映画中に抓ってきたんですか」
〔あ…〕
思い出したら…イライラしてきた…
「僕、何かしました?」
1人で歩き出した私を走って追いかけてくる陽大
「ねぇ!待って!亜希子さん!待ってください!」
〔…陽大は〕
「え?」
〔陽大は…胸がおっきい人が好きなんでしょ!!!〕
あ…思わずでっかい声で叫んじゃった…
ただでさえ、名前を呼びながら追いかけられていて
周りの人が私たちに注目していたのに
…やっちゃった…
「あ、亜希子さん、ちょっと…場所変えましょう…」〔…あ、うん…〕
手を引っ張られて歩く
〔…〕
「…」
気まずい…
繁華街まで歩いてきて
目の前にあったラブホに入った
〔ごめん…大きな声で叫んじゃって〕
「いや…あの…」
〔嫌になった、よね…〕
「ちが…っ!そんなことない…っていうか、その…
ごめんなさいっ」
〔え?〕
「…目に入っちゃうと、つい…その…でも、別に…巨乳じゃないとだめとか…そういうのでは…ないです…」
〔そ、そっか…〕
「というか、亜紀子さんが好きだから…」
〔…ん〕
「ごめんなさい…」
〔いいよ 私こそ、ごめんね〕
「いや、それは…」
〔さっきのこと〕
「え?どれのこと?」
〔憧れの人の香水の匂いがしたってやつ〕
「あ…うん…」
〔あれ、嘘なの〕
「え?…嘘…?」
〔うん 香水の匂いもしてないし、憧れの人なんてそもそもいないし…わざとやったの〕
「なんで…」
〔だって…悔しかったから〕
「え?」
〔陽大がニヤニヤしながら女の子の胸見てる時、
私ずっと…妬きもち妬いててさ…
私ばっかり、好きみたいで…やり返したかったの〕
「…はぁー…そっか、良かった…僕、てっきり憧れの人は男性だと思ったから…焦ったぁ…」
〔ちょっとは妬きもち妬いてくれたみたいで、うれしい!〕
「そりゃ妬きますよ!!!」
〔わっ〕
声でっか!!陽大がこんな声出すの初めてかも
「僕がどんなに亜希子さんのこと好きか…
あんなにアプローチしてたのに
まだわかってもらえてなかったんですね…」
〔…え?〕
「あ、ここラブホだ…ちょうどいいね」
〔あれ…陽大、くん…?〕
「なんですか?亜希子さん…好きです…」
〔わかった!わかったから…んんんっ!?〕
「…」
ーーーーー
「亜希子さん」
〔なぁに?〕
「僕まだできますけど…」
〔もう無理…明日仕事行けなくなる…!〕
「…休んじゃいましょうよ」
〔だめ!もう!〕
「ちぇー でも…分かってくれました?」
〔…はい…〕
「大好きですからね 亜希子さん」
〔はい…私も、です…〕
「私も、なんですか?ちゃんと言えますよね?」
〔…なんか意地悪…〕
「意地悪したくもなりますよ…
あんな人通りの多い路上で、あんなこと叫ばれる身にもなってください…」
〔…ごめん〕
「冗談です 僕も安心したし これからは気をつけるからね」
〔うん!〕
あー…しっかり分からされてしまった…
激しすぎ…
陽大のこと、刺激しすぎない方がいいんだ…
私も気をつけよう…
そう心に誓ったのだった
【後日】
〔あーっ!またぁ!〕
「違います!誤解です!」
〔じゃあ…何見てたの…ニヤニヤしてたじゃん〕
〔ほら、あの鏡にね 亜希子さんが欠伸してるのが映ってたんだよ〕
「嘘でしょ!?えー!やだ…見られてないと思ってたのに…」
〔でもね、亜希子さん〕
「ん?」
〔手は添えた方がいいですよ…おっきな欠伸でしたね〕
〔…!!!バカ!〕
陽大なんか置いてっちゃうんだから…!
「ふふ…可愛いんだからー亜希子さんは」
走ってきた陽大が自然な流れで腰に手を回してくるんだもん
ドキドキしちゃうじゃん
…年下のくせに
タイトル〘年下のカレシが翻弄してくる件〙
Fin…
こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。
再編集して投稿しております。




