Le malentendu qui nous a liés.
〈あ!待ってください〉
「え?…何ですか?」
〈これ、あの…〉
「ん?えーと…何かな、これは…」
〈ば、ばれ、バレンタイン…の、あの…〉
「…ありがとう…あの、あなたは…どなた?」
〈あ…すみません…同じ課の…菅野です…〉
お、同じ課ぁ!?
「ご、ごめんなさい!まだ、全員の顔と名前が一致していなくて…申し訳ない」
〈あ!!いいんです…私が…勝手に…その、お返しとかいりませんので…気にしないでください!
では…お疲れさまで…〉
「ちょっと待って」
〈え?〉
「お返しがいらない、っていうのは、その…返事もいらないの?」
〈…いいときだけ…お返事下さい…〉
「あはは うん、わかったよ ありがとうね」
〈いえ、では また明日…〉
「うん、また明日」
バレンタインデーから5日経った今日
この歳になって初めてもらったチョコレートには
手紙がついていた
"松永さん 一目見た時からずっと好きでした
もし良かったら…お友達になってもらえませんか
080XXXXXXXX
Rileでも大丈夫です IDは、ーーーーーーーーです
だめなときは捨てちゃって下さい 菅野南"
まず、俺は松岡な…
一目見た時?異動して来たときってこと?
お友達、ねぇ…
お礼のRile送ってみるか…
"さっきはどうもありがとう 松岡です
チョコレートおいしかったです
お友達からってことなんで、ぜひ
よろしくね"
"うれしいです!もう返事くださったんですね
ありがとうございます!"
はえーもう返信きた
"友達っても、何するのかあれなんだけど…
でかけたりとか、してみます?"
"いいんですか!?行きたいです!"
"どこか行きたいところある?"
"えっと…カラオケ行きませんか?"
"うん いいよ"
"よかった!次の土曜日はどうですか?"
"いいよ 11時くらいにしようか お昼も一緒にどう?"
"はい!ぜひ♪楽しみにしてます!"
"うん じゃあ、土曜に"
おやすみなさいのスタンプが来た
ふー…カラオケと飯か…
決まってみると、ちょっと楽しみになってきたな…
【南point of view】
Rileしてきてくれた…
信じられない…うれしすぎるのに
おでかけまで…
カラオケとか言っちゃった…子どもっぽかったかな…
あーー!!!何着ていこう…
やだ!どうしよう…明日あいちゃんに相談しなきゃ…
〈おはようございまーす!〉
おはよー/おはようございます
〈あいちゃん、たすけてぇーーー〉
[なに!?昨日のあれ、振られた?]
〈ちがうもんっ!〉
[え?うまくいったの?やったじゃん]
〈あ、いや、付き合ってはいないの…〉
[え?]
〈お友達として…おでかけしてもらえることに…〉
[へぇーお友達、ねぇ…まぁ、いいか で?]
《それでね!何着ていけばいい!?》
[?別に普段通りでよくない?]
〈…子どもっぽいかなって〉
[無理して背伸びしたって、疲れるだけだよ
南はそのままで十分かわいいんだから!]
〈そ、そうかなぁ…〉
[自信もちな!]
〈うーん…〉
「おはようございます」
〈あ…松永さんきた…〉
[何で小声…?ていうか隠れきれてないよ、それ]
「菅野さん、おはよう」
〈へぁ!?お、おはよう、ございます…〉
「…どうしたの?」
[隠れてたつもり、みたいですよ]
「なんで?」
〈い、いえっ…すみません…〉
「謝ることはないけど…」
[デート、楽しみなんですって!
この子、よろしくお願いしますね!]
「そっか うん、楽しみにしてるよ 俺も」
〈え…?〉
[ねぇ、行っちゃったよ? 楽しみにしてるって!
脈ありなんじゃない?]
〈や、やめてよ…あんまり期待、させないで…〉
[はいはい さ、仕事するよ]
〈う、うん!〉
松永さん…楽しみにしてるって言ってくれたぁ…
でも…期待しすぎないようにしなくちゃ…
優しいから、そう言ってくれただけかも…
今日は時間が経つのが早くて
仕事もあまりミスなくできた!うれしい!!
[南がミスなく終わるなんて…愛の力かしら?]
〈あいちゃんったらぁ、もう!〉
[お昼なにするー?]
「菅野さん」
〈あ!はいっ〉
「お昼、一緒にどう?お友達も一緒に…」
[いえ、お邪魔ですからーわたしは大丈夫ですー]
〈あ、あいちゃんっ〉
「あ、ごめん…声かけない方がよかったかな」
〈あっ大丈夫です!行きましょう〉
「うん」
「何食べようか」
〈メック行きませんか!〉
「いいよ」
〈てりやき好きなんです♪〉
「そうなんだ?」
〈はい!てりやきバーガーを食べるのがご褒美なんです!〉
「そっかそっか」
〈あ…〉
「ん?」
〈昨日から、私の希望ばっかりで…すみません〉
「いいんだよ」
〈土曜日のご飯は好きなもの選んでくださいね!〉
「菅野さんの好きなものでいいのにー」
〈私は今日食べますから♪〉
「俺にたくさん教えてよ」
〈ん?何をです?〉
「君の好きなもの」
〈私の?〉
「うん 友達から、彼女になってくれるかもしれないんでしょ?」
〈えっ!?〉
「あれ?そういうあれじゃなかった?」
〈あ、いえ…なってくれるなら…うれしいです〉
「うん じゃあ、たくさん教えて」
〈は、はいっ〉
あいちゃん…脈、ありそう、かも…
「おいしいんだね!てりやき、だっけ?」
〈はい!食べたことなかったですか?〉
「うん 俺、ファストフードはあんまり来たことなくて また連れてってよ」
〈はい!一緒に行きましょう!〉
「帰りは、いつもお友達と帰ってたりするの?」
〈あ、たまに遊びに行ったりはしますけど…〉
「そっか 今日は?」
〈いえ、何も…〉
「うん じゃあ…帰ろっか 一緒に」
〈いいんですか?〉
「うん 家どの辺?俺は▲駅の方なんだけど」
〈あ、私も…です〉
「あれ、近いんだね?」
〈あ…私、近所で見かけたことがあるんですよ〉
「そうなの?」
〈はい そのときの私服がかっこいいなって…〉
「えー?それほんとに俺だった?」
〈はい!〉
「そっか じゃあ、家近いんだなーちょうどいいね」
〈そうですね!〉
「じゃ、またあとで!」
〈はーい〉
[おかえりーずいぶんギリギリじゃーん?]
〈えへへ〉
[どうだった?]
〈おいしかったぁ てりやき〉
[メック行ってきたんだ?]
〈うん!帰りもね 一緒に帰ろって…〉
[ほらぁ!脈ありだってぇー!]
〈だ、だめだめ あんまり期待しすぎちゃうとさ…〉
[しっかり期待してるくせにぃー]
〈あいちゃんのいじわるー!〉
[おもしろいんだもーん でも、よかったね!南]
〈うんっ!〉
【迅point of view】
…楽しい
困った 昨日の夜から楽しくて また次、また次って約束してしまった
あんまり女性との経験がないから…
うまく振る舞えてるのかな 俺
あの子は顔に出やすいから、わかりやすくて助かる
俺もあの子といると…うん、楽しい
好き、かはまだわからないけど
さて、仕事終わらしちゃおう
よし、これを…総務に持っていって…と
ん?あれは…"あいちゃん"だっけ
菅野さんのお友達の…あ!!!
「あぶなっ!!…大丈夫!?」
[あ…すみません…なんか、ここ、すべっ…あ…]
何でかわからない
目が合った瞬間に…
お互いが、お互いを きっと意識したんだ
引き寄せられるように
抱き合って、キスしてた…
[…あ]
「あっ、ごめん…」
[誰も…いなくて、よかった…]
「…あいちゃん、だよね?」
[はい…]
「…」
[…]
【南point of view】
「菅野さん…ごめん、ちょっと…用事があったのを
忘れてて 一緒に帰るの、またにしてくれる?」
〈あ、そうだったんですね 大丈夫ですよ!〉
「ごめんね、じゃあ、また…」
〈はーい おつかれさまです!〉
しょうがないっか!土曜日もあるし!
さて、帰ろうー
あ!あいちゃんを誘おうかな!
あ、あれ!?あいちゃん…?
いつもなら声かけてくれるのにもういない
…ま、いっか!帰ろー
【愛point of view】
「おまたせ」
[迅!行こ]
「ん、行こう」
↷あの時…
[…あ]
「あっ、ごめん…」
[誰も…いなくて、よかった…]
「…あいちゃん、だよね?」
[はい…]
キス…しちゃった どうしてかわからない
もちろんさっきまで 2人の恋を応援してたの
それは本当…嘘偽りないって断言できる
でも、もう…無理
南、あたし最低だ…ごめん…
「ごめん、えっと…あいちゃん」
[北野愛…です]
「松岡迅です…」
[え?松永じゃないの!?]
「いや、菅野さん間違えて覚えてるみたいなんだ
訂正したんだけど…」
[ふっ…]
「…ふっ」
[悪い者同士…秘密、守らなきゃね]
「そうだね」
誰も見てないことをいいことに
その後も ずっとキス、しちゃった…
戻って、南と顔合わせてても
あたし普通に接してて
こんな女、友達にしたくないなって自分でも思った
【電車内 迅point of view】
「なんか、すごい混んでるな 苦しくないか?」
[ん、大丈夫]
「うん 俺に捕まってな」
[ありがと]
愛、ちっちゃくて可愛いから
こんな混んでる電車乗せたくないなぁ
今まで大丈夫だったのか…?心配になってきた
「行きはどうなの?混んでないか?」
[うーん 1つ乗り遅れるとすごいときあるけど]
「心配だな…」
[じゃあ…朝も一緒に行く?]
[え?]
[泊まって行きなよ]
「いいのか?」
[離れたくない]
「ん」
ーーーーー
[ねぇ、やっぱり隠しておけなくない?]
「だよな…よし!2人で頭下げよう」
[うん…嫌われても仕方ないけど…]
「でも俺、愛が好きだ」
[あたしも迅が好き]
【愛point of view】
"ピーンポーン"
[!!]/「!!」
だ、だれ…?
[迅…南が来てる]
「あ…話すか?」
[ん…服着る]
[ごめん、少し待ってて]
〈はーい〉
2人で覚悟を決めた
〈え…?なんで…?〉
「ごめんっ!!」/[南!ごめんなさい]
[あたしが…]
「俺が…好きになっちゃったんだ 愛を」
〈そっか、うん〉
[ごめん、南…]
〈いいよ!あいちゃんが幸せなら私もうれしい!〉
[南…]
〈もういいからー!というか…今寄ったのはね?
あの…私こそ…ごめんなさいっ!!
…間違い…だったの…〉
「え?」
[どういうこと?]
〈近所で松永さんを見かけたって言ったでしょう?〉
「うん」
〈その人…もう一人いたの…というか、その人が…
本物…っていうか…〉
「そうなの!?」
[え?会社の人でもない感じ?]
〈全然違った…しかもね…
さっきその人から声をかけられて…〉
[え、どうなったの?]
〈…日曜日にデートすることに…〉
[なにその展開…はやー…]
「それを愛に相談しようとしてたってこと?」
〈そう、なんです…〉
[…ぷっ]
〈あ、はは…〉
「はぁ…」
〈松永さん、ごめんなさい…Rile消しますね…〉
「うん 大丈夫」
[南に嫌われなくて…よかったぁ…]
〈私、あいちゃんのこと大好き!もし間違いじゃなかったとしても嫌うわけないよ!〉
[南ぃー]
「あー…よかった…」
【迅point of view】
さっきまで一緒にいた"彼"と記念に写真を撮ったっていうから見せてもらったんだけど…
「なっ…え!?」
[ねぇ…全然違うじゃん…]
〈うん…私も、なんで間違えたのか…わからないの〉
「でも、不思議だな」
[ん?]
「菅野さんが間違えてなかったら、俺たちこうなってないかもしれないんだもんなぁ」
〈あっ!私キューピッドだぁ♪〉
[そうなるね…]
「天然、こえー…」
[うん…]
結局 俺も菅野さんも
お互いに、好きな人と付き合えて
めでたしめでたし…だな
ちなみに、半年経った今でも
菅野さんは俺のことを"松永さん"、と呼ぶ…
俺も愛も、訂正するのは諦めた
タイトル〘Le malentendu qui nous a liés〙
訳:俺たちを結びつけた誤解
Fin…
こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。
再編集して投稿しております。




