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バター
…思えば、バターは、最高級の象徴だった。
子供の頃、誕生日のお祝いで訪れた、レストラン。
ステーキの上に乗っていた、緑の混じる白い塊。
学生の頃、都会に出かけて訪れた、パーラー。
ホットケーキの上に乗っていた、四角くてクリーム色をしたもの。
ねっとりとしていて、濃厚で。
しっとりとしていて、まろやかで。
お菓子作りをするようになり、初めて相対した時の…高級感たるや。
箱に入って、紙に包まれて、包丁で切って使う…?
プラケースに入っている奴とは明らかに違う、お高い感!
その値段に相応しい風味。
取って代われるものなど…ありはしない。
ひと欠片加わる事で深みが増し、ランクが上がる。
……我が家のショボい食卓の救世主なのだ。




