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300文字で食膳称揚  作者: たかさば


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10/10

せんべい

せんべいは、丸くて大きなやつがいい。


大きな口をあけ、がぶりと齧りついて、バリンと割り、ゴリゴリ噛み下す。

脳みそがほのかに振動するのを感じながら、乾いたせんべいを砕くのが心地いい。


ぱりんと儚く崩れるせんべいもいいが…私は断然、手ごわい根性の入ったせんべいが好きだ。

ほのかな風味を楽しめる繊細なせんべいもいいが…私は断然、ガッツリ味の染み込んだせんべいが好きだ。


強靭なせんべいを己の歯で細かくしていく作業が愛おしい。

こげ茶色に染まった味の濃いせんべいを口の中で存分に転がす時間が愛おしい。


いつまでも…ウマいせんべいと共にありたいと願っている。


私の歯は、せんべいとの邂逅を望まなくなり始めているけれども…。

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