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腐肉の部屋

ソレは人間の言葉を聞いて、最初の人間の質問の本当の意味に気づいた

『貴方は誰?』

それはソレが何者であるかを問うものというより

ソレの今の状態を確認するかのような問いであることに

そしてこのおかしな場所から出るにはこの人間が必要不可欠だろうということに

「ソウカ、ナラバワタシガココカラデルニハドウシタライイ?」

そうであるならば、最大限利用するべきだろう

現状、最優先でするべきことはここからの脱出だ

そしてソレの過去の記憶を取り戻すこと・・・

この人間は良く分からないがどうやら自分の脱出に協力してくれるらしい

この場所についての情報を知っていてそれを教えてくれることからもそれは明白というものだ

「貴方の力は『喰屍鬼(グール)』を倒せるくらいには強い」

「けど、十匹以上に襲い掛かられると少し厳しい」

「ナルホド、ソノグールトイウノハキケンナセイブツナノカ」

ソレにはグールという生き物に心当たりがないので想像でしかないが

十匹もいれば苦戦するということは一、二匹ならばいたとしても問題はないと考えた

「そう、だから気を付けた方がいい」

「それと、グールに噛みつかれると引き離すのが大変」

「後、彼らは貴方よりも私の方に向かってくる」

人間の情報を元にグールとの戦いに備えようとしていた(心の準備も含む)ソレは

人間の最後の言葉に考えることを放棄させた

「・・・ナゼオマエヲネラウノダ?」

「彼等はそういう風に作られたから」

「私の肉体は戦闘には不向き、だから貴方に守ってもらうしかない」

「少なくとも今は何もできない」

最初にソレを呼び止めたのはソレの身を案じたからというよりも

自分が襲われる危険があったからということなのだろう

そしてソレには何かと戦った記憶は無いが戦うこと自体はできると感じている

しかし、守りながら戦った記憶も無ければこの人間を守り切りながら戦う自信もない

慎重に進めば少しずつ数を減らしていけるだろうがもしも複数体に出くわしたりしたら

自分が生き残ってもこの人間が死んでしまうかもしれない

そうなればこの場所の情報をほとんど持っていないソレには

脱出が困難になってしまう

慎重に進んだとしても体が傷つかない保証は無いし

食料があるかもわからない

どれだけ進めば出口に辿り着くのか

どの道をだどって行けばいいのか

ソレにとってそれはあまりに危険な冒険であり賭けでもある

しかし、しかしだ

どれだけ悩もうが

どれだけ考えようが

分からないものは分からないのだ

「ナラバ、ワタシノウシロニカクレテイレバイイ」

「キケンガアッタラオオゴエデシラセロ」

「オマエガマエニデルトキハマワリニテキガイナイコトヲカクニンシテカラダ」

だから、進むしかない

「了解した」

「貴方の提案に従う」

「・・・それから私のことはアイと呼んで」

突然告げられた人間の名前にソレは少し目を丸くするが

「ワカッタ、アイ」

人間は名前で呼んだ方が分かりやすいと思いそうすることにした

「・・・貴方のことはなんて呼べばいいの?」

だが、この質問に関しては完全に想像の埒外であった

「ワタシニモナマエガヒツヨウカ?」

少し困惑しながら人間・・・アイに聞くと

「必要」

端的な回答が返された

ソレは自分に名前は必要ないだろうと思うが

アイにとっては大切なことのようだ

ソレが自分の名前を何にするか決めかねていると

「貴方の名前、リチャードはどう?」

アイがそう提案してきた

正直自分の名前はどうでもいいと思っていたソレはアイの提案に乗ることにした

リチャード、という名前はかなり変わった名前だが人間の間では普通なのだろう

ちなみにソレが考えていた名前はギギガルシュ、バグガルム、ダゲボン等だったが個人的にはあまりしっくりきていなかったようだ

「ソレデイイ」

「分かった、よろしくリチャード」

「アア・・・ソロソロトビラヲヒラクゾ」

アイはリチャードの掛け声に反応して

彼の後ろに隠れた

それを確認したリチャードは扉を開いた


そこに広がっていたのは灰色で塗り潰されたかのようなそんな場所だった

薄暗く少しばかり湿った冷たい空気と鼻を刺激するわずかな臭いがリチャードを不快感に包む

少し離れた場所には人間のように二足歩行をしてはいるものの

背骨が曲がっているのか不気味なくらいに前かがみになっており

顔は奇怪な犬に似た形状をしていた

リチャードにはそれらの生物を見たことが無かったが

アイからの情報でグールなのだろうと検討をつける

しかし、次の瞬間リチャードは顔を顰めてしまう

何故なら、そのグールが目の前に三匹もいたからだ

おまけにグールはこちらに気づき、アイに向かって襲い掛かってきた

リチャードは幸先が悪すぎるのではと感じながら

アイを庇うようにしてグールに対峙した



リチャードの名前はクリーチャーからもじりました。

少し安直ですがネームセンスはあまりないのでこれからも期待しないでください。

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