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エッセイのプロムナード  作者: 多谷昇太
エッセイ香港

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プレカリアートとグローバリズム

グローバル企業の持つそもそもの形態と指向性、それにウォール街の巨大資本が連動して、さらにはそこに軍産複合体の指向性と力が加わって、斯くも数多のプレカリアート発生となった次第。これを換言すれば企業と資本の欲が強まって(=グローバル化して)我々庶民から出る旨味を極限まで絞り取り、同時にそれは我々から人間としての生活(自由・時間・互いの絆等)を奪い取っているとも云えるでしょう。この図式は日本や香港でも同じであり、先進各国内のそれぞれの企業と資本が、米国グローバル企業に右に習えをしているわけです。製造業の生産現場が新興国などに移転して産業は空洞化し、ⅠT革命(A1等)も相俟って国内の中間層がプレカリアート化するに至る。一部大手企業の社員たちや公務員たち、いわゆる格差勝ち組に対して彼らは今や概ね無気力であって、ひどければニート化さえしてしまう。しかしそれでも日本などでは未だ政治的に自由裁量があり、選挙によって富の再分配を要求し得るが、グローバルを指向する政府の衆愚政策や自己責任論などによってこれを一蹴してしまうわけです。このような背景があってではなぜ香港だけが斯くも政府(政庁)に不服従なのか、なのですが、それは先に記した背景があってのことであり、プレカリアートの唯一の伝である(実質的な)選挙権さえもが既に奪われ、剰え(政治的な)思想の自由と、人権という、人間として最低限のエレメントをさえ剥奪されようとしているからです。すなわち中国本土政府の一党独裁に服せ…と。

 ご存知のように香港そのものは面積1000平方キロメーター余りの都市であり広大な中国と比較しようもありませんが、その香港が持つ対外純資産は何と中国の半分を優に超える、ドイツに次ぐ世界第四位です(因みに一位は日本)。一都市(国家)ながら他の“国”々と堂々と伍して第四位なわけですから、その金融センターとしての威には目を見張るものがあります。のみならず香港には19世紀来のイギリスによる教育制度が浸透していて、自由と人権意識に寄せる市民の想いにはしっかりとしたものがあります。彼らは自分たちが中国人だという意識は持っておらず自分たちは香港人であると、そう思っているようです。

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プロムナードが時に歩く(=読む)に堪え難い、恥っさらしな「引越し顛末記」だったりして申しわけありません。不快をもよおした方はここを飛ばされて結構です。以後はできるだけ歩くにまともな道(エッセイ)を敷くつもりですが、しかしこの難所の「引越し顛末記」はあともう一章ほど続ける予定です。
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