第二十二部
「警部」
先に出た山本に追いついて、上田が声をかける。
「何だ?」
「警部が車の中で言っていた友達の友達って坂本さんのことだったんですね。」
「ああ、坂本なら黒木について俺の知らない部分も知ってるかもしれないと思ってな。ついでに、あの姫地って人の情報も得られたから一石二鳥ってところか。」
「わざとその情報を流してきたんでしょうか?」
上田が聞くと、山本はあごに手を当て、考えてから
「知らないふりをすることもできたのに、そうせずに情報を流したということは重要な人物ではないのかもしれない。
あるいは黒木と仲が悪いことをアピールして、仲間だと思わせないようにしてるとも考えられるな。」
「考えすぎじゃないですか?」
「まあ、あの姫地って人が今回の事件に関与しているとは思えないな。
今回の事件はあの人に何の利益もない。」
「確かにそうですね。黒木雄二氏の方はどうですか?」
「姫地が言ってたように、利用されている可能性はあるし、本当は全部あの人の掌の上ってこともありえる。ただ何の証拠もないからな。
まあ、黒田さんにでも、もっと詳しく調べてもらうか。」
「いいんですか?捜査を手伝わせないんじゃなかったですか?」
「元官僚のことを調べるなら、武さん達の方がやりやすいし、もっと深い情報が手に入るかもしれないからな。それに・・・・・」
「それに、何ですか?」
「あの人がただの置物課長なのか、それとも優秀な課長なのか試しとく必要はあるからな。」
「難しい問題が答えられれば、ただの置物じゃないってことですね。」
「ああ、置物の効力を試しておこう。」
「はあ、はあ、置物って何のことですか?」
走って追いついた大谷が聞くと、上田が
「沖縄のシーサーとか、神社の狛犬って、タヌキの置物と何が違うのかなって話だよ。」
「何ですか、それ?」
上田がニヤリと笑い、山本も
「答えが出たら教えてくれ。」
そう言って、二人が歩いて行き、大谷が一人息を整えながら、
「シーサーとか狛犬は魔除けだったよな・・・・。
あれ、あのタヌキの意味ってなんなんだっけ?全然わからないな・・・・」




