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少女でリスタート  作者: 亀山
16/51

16 おじさんは無職から冒険者へ

 アリスちゃんに連れられ街を行く。まだ早い時間なのか、人通りも多い。


 この時間は結構人が行き交ってるんだなぁ。ちょいちょい生活感がある風景がまたいいですね。兵士っぽい人もいるな。街を警備してる人かな?


 歩きながら街を観察している。多種多様な人がいるようだ。


「おねえちゃん着いたよ!」


 元気良く教えてくれるアリスちゃんの前には木造の建物があった。


 二階建てで結構大きいな、でもなんか田舎の小学校みたいだな。おっと気を引き締めていかないと、何があるか分からんかないからね。


 アリスちゃんと共に入り口のドアを開ける。


 へぇ~、役所みたいなんだねぇ。隣は食堂かな? いや酒場っぽいかな?


 そんな感想を胸に受付に向かう。すると、大柄の金属で出来た鎧を着た、男性が俺たちの前にでる。


 これは、例の新米冒険者が熟練者に絡まれるってやつですかね? あれ? やばいんじゃない?


 そう思い少し身構える。すると予想外な事が起きた。


「おぉ~。アリスちゃんまた来たんだね。どうしたの? またおじいちゃんのお使いかい? アリスちゃんは偉いねぇ~」


 短髪ひげづらのおじさんが、アリスちゃんに話しかけてきた。


「あ! ユセフおじちゃん! 今度はね、アキラおねえちゃんの冒険者になるお手伝いしてるの!」


 またお手伝い偉いねぇ~っと、言いながらアリスちゃんを撫でるユセフおじちゃん。


 ユセフおじちゃん顔がにやけている。


 なんか思ってたのと違う……。こうなんか、なかなかやるじゃねぇか。的なやつさ、なんかそうゆうのさ、ないの? ファンタジーでしょ?


 俺が少し残念なような、安心したような気持になっていると、ユセフさんが話しかけてきた。


「ん? 見ない顔だな? ああ、そういえば昨日賢者さん所に、客人が居るって言ってたな。俺はユセフ。ユセフ・ステファノだ」


 そう言ってユセフさんは、両手を腰に置きながら挨拶してくれたので、俺も軽く自己紹介をした。


「アキラか、まっよろしく頼むわ! おっと、登録しにきたんだったな。邪魔しちゃ悪いからまたな。アリスちゃんもまたね」


 そう言って酒場の方に消えていくユセフさん。あの人昼間から飲む気なのか?


 てかジョイスさん賢者とか呼ばれてるのか……。名のある魔法使いって言ってたけど結構すごい人だったんだな。まぁたしかにお家大きかったもんな……。


 そう思っていると、アリスちゃんがこっちだよ~っと呼んでいる。とりあえず登録しないとな。


 受付に着くと女性が座って居た。アリスちゃんがこれお願いしますと言い封筒を渡す。


 封筒の中身を見た後、少しお待ちくださいと言って女性は部屋の奥に行った。


 少し立つと戻ってくる。問題はどうやらなかったらしい。


「はい~、お待たせしました~。ギルマスの確認も取れたので大丈夫です! では登録しましょ~」

 

 明るくそう言ってくる受付のお姉さん。そしてケモミミである。


 カティアちゃんはネコミミだけど、このお姉さんは……。たれ耳? 犬かな。あ、でもさっき奥に行った時、フワフワの丸いシッポだったから。ポニテのウサギさんか……。うさちゃんは、繁殖力が強いって話だよな……。


 そんな色んな意味で期待と不安を胸に抱いていたら、お姉さんが木の台に乗った、水晶玉を持ってくる。


「では、これに手を当ててください。ちょっと痛いかもしれませんが、大丈夫ですよ! アリスちゃんも出来ましたから!」


 え? 痛いの? おじさん痛いのはちょっと苦手だよ……。


 隣に居たアリスちゃんが、だいじょうぶだよっ! ちょっとビリビリするだけだよ。と教えてくれた。


 アリスちゃんが出来たんなら俺も大丈夫だろ。そっと水晶に手を当てる。


 少しビリビリと、電気が流れている気配がするが、我慢できないほどでもない。


 手を当て少し待つと、終わりですよぉ~っと受付のお姉さんが言ってくれた。ほんとにすぐ終わった。


「はい、これで登録終了です。身分証明や、ギルドの依頼などを受ける時などは、それを見せてくださいね~。だいじょうぶっ! 簡単ですよ。手のひらに意識を集中すれば出てきますから」


 そう言われたので、水晶に当てた手のひらに意識を集中する。


 手の上に光が生まれ集まる。そうすると免許証のようなカードが出て来た。


 おおお! すげぇ! 魔法っぽい、すごく魔法っぽい! ファンタジーはこうでなきゃ!


 一人で感動していると、お姉さんは続けて説明してくれた。


「大丈夫そうですねぇ。じゃぁ表記の説明しちゃいますね。簡単なんで大丈夫ですよっ!」


 そう言われ説明を聞く。


 なるほどな。名前の表記と現在のランクと所属国って感じか。でも俺そう言えば……、なんでこの世界の文字読めるんだろうな? あんまり気にしてなかったけど。まぁでも! 今から語学覚えるとか辛いからね! 楽なら問題ないよ!


「ランクはですねぇ~。最初はGの星一つですねぇ。最初の方は危険のない採取依頼などしか、受けられませんがぁ。コツコツとやっていけばすぐにあがりますから、大丈夫です!」


 最初のGランクは、危険も少ない採取系がメインらしい。アリスちゃんのような小さな子供達でも出来るレベルなので、おじさんもきっと大丈夫だろう。


 説明も終わりだろうと思っていたら、お姉さんは続けた。


「登録は終わりましたがっ! メインイベントは明日ですね! 今日は依頼を受けられないので、明日の所属式を済ませれば大丈夫ですよ! 簡単な通過儀礼だと思ってください」


 ニコニコ顔で言ってくるウサちゃん。明るくていいねぇ、ちょっとぬけてそうなところもなんか可愛いし。


 てか所属式ってなんだろ? 通過儀礼だから、冒険者の心へとか宣誓するのかな?


 登録も終わり、アリスちゃんのお家へ戻る。


 部屋に入ると、ジョイスさんは誰かと話しているようだ。


「お? 帰ってきたかの。ほれ、この子がさっき話したアキラさんじゃ。こっちのはアリスの姉で、わしの孫娘のエミリーじゃ」


 ジョイスさんはそう言って紹介してくれた。となり居るのはアリスちゃんのお姉ちゃんらしい。


 アリスちゃんお姉ちゃん居たんだな。アリスちゃんと結構似てるな、でもこれは……。


 そこに立っていたのは髪色も顔だちもアリスちゃんに似ている人だったが。その人は優しいお姉さんって感じで、なにより。スタイルが凄く良かった。


 これは……、なかなかの物をお持ちで。リーゼちゃんよりもこれは大きいな。やべぇな、夢が詰まってるよ! おじさんの胸もいっぱいいっぱいだよ!


 目を奪われていると、エプロンドレスを着たエミリーさんが近づいてくる。


「初めましてぇ。アリスの姉のっ、エミリーです。アキラちゃん可愛いねぇ~! おじいちゃん、さっき言ってたの本当なの? そうゆう風には見えないよ?」


 そう言いながら、ガバッっと抱きしめてくるエミリーさん。俺は夢に押しつぶされそうになりつつも、その感触にやられる。


 おおう、スキンシップ激しいね! すごいね、夢ってやっぱりすごいね。すごく幸せだもん。


「これこれ、アキラさんも困っておるじゃろ。その辺にしておきなさい。さっきの話は本当じゃしな」


 ジョイスさんが苦笑いを浮かべながら言う。


「もうっ! おねえちゃんずるい! アリスもするの!」


 そう言ってアリスちゃんにも抱き着かれながら、さっきのエミリーさんとジョイスさんの発言を思い出す。


 ジョイスさん多分エミリーさんに、俺の事情話したんだよな? なのにエミリーさんおかまいなしって、これは……、これはワンチャンあんじゃねぇか!?


 俺は期待を胸に抱きつつも、目の前の夢に心を奪われていく。




 

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