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ダンジョンガイドさんの仮想現実生活ログ  作者: まいなす
『第0話 ダンジョンガイドさんは困った』
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 やれやれ。


 今しがたメイメイとルイルイの手枷を外し、持っていた残り二枚の帰還符を彼女らに張り付けて見送ったところだ。メイメイは終始『バカ』『ヘンタイ』とか悪態をついていたが、最後には小さな声で『ありがと』とか言ってくれた。俺の頬がニヘラァとだらしなく綻んだのは内緒である。


 しかしながら全滅かー。

 外套のフードを取って、周囲に散乱した汚いおっさんズの涙の残滓キルドロップアイテムを眺めて肩をすくめる。俺のジョブのデメリット効果で顔出し戦闘はこちらの敏捷値にマイナス補正が入ってしまうためフードで隠してはいたが。


 こんなことなら素顔晒しハンデをやったほうが良かったかもしれない。

 PvPの練習にならないし。

 中二病丸出しみたいで恥ずかしいし。


 そう。

 勇猛果敢にも『プレイヤー絶対キルするマン(マゼンタさん命名)』である俺に挑んだ彼らはあえなく全滅していた。

 まあ、そうなるわな。ふつう。


 五分、は戦っていたと彼らの名誉のために思っておきたいが、正直な話、覚えてない。


 こっちの損害といったら【ケルタドルミト・グングニール】のデメリット効果で耐久値ゼロになって自壊したダガーナイフが三本。しめて57G。これはコモン装備なので替えは何本でも用意できる。結局、彼らの攻撃は俺にかすりもしないで終わってしまったから回復アイテムを使う必要もない。


 それよりも戦闘外での出費の方がやばいかな。

 金が底をついたうえ、ダンジョンガイドの依頼を三つも受注してしまった。

 あと、帰還符がなくなったのも地味に痛い。


 あれはランクA以上のダンジョンクリア報酬でしか手に入らないわりとレアアイテムなのだ。ダンジョンガイドするときには依頼者の人数分だけでも用意しておきたいし、なにしろあって困るということはないものである。



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