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くっそー、他人を馬鹿にしよってからに。こっちもそっちを馬鹿にしているのでおあいこだから何も言えないけどさ。ばーかばーか。女の子のパンツならやぶさかでもないが、男のパンツもらったって嬉しくともなんともないんだからね。
口をへの字にしながらツンデレしてみる俺をよそに、ゴッドヒルトさんは自分のインベントリを見て『おおスゲー』と感嘆している。
ああ、それは俺の未来の労働に対する報酬なのにな。
まあ、それで事もなくこの場を切り抜けられるのならくれてやる。
この場さえ穏便に切り抜けてしまえば。あとに残るのは、可愛い看板娘ズを怖がらせたことに対するイライラであるが、それもすぐに問題なくなるだろう。我らがギルマスさまであるマゼンタさんあたりにチクれば、こいつらみんな血祭りにしてくれること間違いないし。
あの人は俺みたいに忍耐強くないからなー。自分のお気に入りにちょっかいだされるとすーぐキレるんだから。しかも見た目はわがままボディを持て余した妙齢の女史というナリをして、中身は悪魔もびっくりなサディズムの申し子だから救いようがねえ。
あーあ。
どんだけ死にたくても絶対に死ねないぞー。
モンスター含め、サンドバック相手がすぐに息絶えないようにスキルスロットのほとんどを回復系魔法で埋められる聖職者をジョブに選んだ人だしね。
そう考えると、ゴッドヒルトさんはじめ、ここにいる汚いおっさんズには同情の念を禁じえないのも、また真実といったところ。あのハーフヴァンプ少女もひっくるめ、なんて運が悪い連中なんだ。店に帰ったらこいつらの不運が移らないように塩まいとこ。




