これってアリですか?
北さんと俺とルキアと母4人で話し合うことに。
俺は仕事でこんなウワサを聞いた。
「ねえねえ、エニーのさ、社長さんの息子雑誌出てたじゃん?」
「見たよ!公園で!めちゃくちゃかっこいいよねー。」
「おい、お前ら、その話入れてくれ。」
「先輩から珍しいですね。」
ウワサをしているのは森岡さんとその同僚だった。
エニーとは北さんが働いている会社である。
そのエニーの社長さんが北さんの父。
俺もその話に入ることにした。
「私、見たことあるんだよねー。確か・・・先輩の妹としゃべってた気が・・・。」
「俺も見たぞ?」
「え?3人とも!?気が合うね!」
「何か先輩知ってるんじゃないんですか?」
「俺の妹は友達だとか言ってたけど、1日帰って来なかった日があったし。」
「もしかしてそれって・・・付き合ってるとかじゃないんですか?」
「永子ちゃん、先輩の妹がそんなことすること・・・。」
「いや、それがあったりすんだよ。俺、尾行したんだけど、結婚考えてるらしいんだってさ。」
「え・・・リア充が増えるじゃない。」
「奈々美ー!先輩がかわいそうでしょー!」
「う、うるせえ!さっさと仕事しろっ!!(まったくどいつもこいつも・・・)」
「「はーい。」」
ひとまず俺は仕事することにした。
この先が俺にとって不幸を呼ぶ出来事だった。
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数日後、ルキアは北さんを連れてきた。
スーツ姿でたくましい。
俺と違ってキチンと整っている人だ。
と言って油断出来ない俺だ。
「あら、いらっしゃい。こんな家でごめんなさいね。」
「いいえ、そんなことありませんよ。ルキアのおかげでここに来れた事なんですし。」
「大樹、お世辞はここまでにしたほうがいいと思うよ・・・。」
「あ、これはこれはお兄さん。」
「てめえにお兄さんと呼ばれたくねえ!!」
俺はすこしキレ気味でもある。
ルキアは北さんの手を握っている。
ちょっと嫉妬していた俺でもあった。
「社長の息子さん!?会えてうれしいわ!」
「お母さんに会えて光栄です!」
糞っ!なんなんだ調子に乗りやがって・・・。
俺も作戦がある。
あいつの本性を暴くんだ!
と心の中の俺はやばいことになっていた。
「こいつファンがいるんじゃねえか?ほら!雑誌に載ってたとかで!」
「ああ、あれは1ページ全体じゃなくてちょっとだけ写ってたんだ。大してあの出版社人気じゃないし、俺宛のファンレター一枚も無かったしな!」
「あら、でも、雑誌に出てるんでしょ?すごいじゃないの!」
「ありがとうございます。」
こいつ・・・ムカつく!
その時母さんは
娘をファンの巻き沿いにするのはいけないからやめておきましょうかしら。
ってのを待っていたはずなのに・・・。
「ルキアのどこを好きになったのかしら?」
「俺はルキアがしゃべりかけてくれるまで一人ぼっちでした。でも、ルキアがしゃべりかけてくれたおかげで俺は家族には話せないことも話せたし、唯一の話し相手がルキアでした。告白したのは、ルキアからです。ルキアは現実に向き合いたいからそして俺の側にいたいから告白したんだと思います。俺は最初は断ったんだけど、ルキアの熱意が伝わってきて付き合うことにしました。」
「んじゃあ、なんで1日帰って来なかったんだよ!」
「ミサオ、やめなさい。」
「あれはルキアがした行為です。でも、それを許した俺も悪いです。ルキアの欲望が・・・」
「もういい!お前ら出て行けよ!結婚とか勝手にやっとけよ!」
「おにい・・・。」
「もう、おにいじゃないんだよ。」
「次は平日の日に来てくれたらうれしいわ。大樹くんに嫉妬してると思うの。そっとして置いて欲しいわ。」
「分かりました。ルキア、俺の家に泊まれ。」
「うん。」
俺はマジで泣いた。
家族が一人減ること、妹じゃなくなること。
すべてが俺が思っていることじゃなかった。