表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

306/306

第297話 全員、新型装備へ


 第一の試練を攻略した翌日、カイルはまた工房に籠もっていた。


 机の上には、フェニックスから回収した真紅の羽が並んでいる。


「この素材があれば、もっと性能を上げられるな」


「賛成です」ミーナが即座に応じる。「耐熱性能、飛行性能ともに、大幅な向上が見込めます」


 カイルは設計図を書き直し始める。

「今回は、俺だけじゃない。家族全員分だ」


「全員……?」キキが少し驚く。


「また徹夜ね……」ナルサが半ば諦めたように呟く。


「無理はしないでね」母がそっと声をかける。


 父のディスプレイに【手伝う】の文字が浮かび、工具を手に取ると、そのままカイルと並んで作業を始めた。


 数日後、工房には七着のパワードスーツ改が並んでいた。フェニックスの羽を組み込み、飛行性能は大幅に向上、空中での姿勢制御も改善されている。


「全機、完成しました」ミーナが報告する。


「よし、試運転開始だ!」

 

 天空都市の訓練場。家族全員が新しいパワードスーツ改を装着していく。


「離陸!」カイルの合図とともに、ブォォォと推進音が響き、全員が一斉に空へ舞い上がった。


 以前とは、明らかに安定感が違う。


「すごい!」キキが声を上げる。「全然違うわ!」


「急旋回も、すごく楽ね」ナルサも感心する。


「とても飛びやすいわ」母が微笑む。


 父のディスプレイには【良好】の文字。


「空を飛ぶのが、こんなに楽しいなんて」リヒトも感動気味に呟く。


「前より軽い」ヒカリが小さく頷く。


「速ーい!」リーナは大はしゃぎだった。


 カイルとミーナは全員の飛行データを確認していく。


「問題ありません」ミーナが告げる。「第二の試練への適応率も向上しています」


「これなら、戦えそうだな」カイルは満足げに頷いた。


 その日の午後、リーナは袋を抱えて天使族の子供達のもとへ向かった。袋の中身は、フェニックスの羽だった。


「これ、みんなにあげる!」リヒトに教えて貰った言葉でリーナは元気に言う。


「え?」天使族の子供達が驚く。「本当に……?」


 リーナは笑顔で頷いた。

「いっぱいあるから!」


 その様子を見た大人の天使族たちは、思わず息を呑んだ。


「守護鳥の羽を……配っている……?」

「守護鳥の羽だぞ、あれは……」


 一枚でも国宝級の価値があるものを、リーナは笑顔で子供達に配って回っている。

 

 やがて、天使族の長もその場に現れた。子供達が嬉しそうに羽を見せに駆け寄る。


 長はそれを見て、静かに頷いた。

「地上からの客人は……心まで豊かなようだ」


 その言葉を聞いた天使族たちは、一斉にカイル達の方へ視線を向けた。その目に宿っていたのは、もう警戒ではなく、素直な尊敬だった。


「お兄ちゃん!」リーナが駆け寄ってくる。「みんな、喜んでくれたよ!」


 カイルは頭をかきながら笑った。

「そうか」


「なんだか、こっちが照れるわね」キキが呟く。


「ここまで感謝されるとは思わなかったわ」ナルサも頷く。


「リーナらしい優しさね」母が目を細める。


 父のディスプレイに【自慢の娘】の文字。


「リーナ、すごい」ヒカリが素直に言う。


「天使族の皆さんも、本当に嬉しそうです」リヒトも微笑んだ。


 カイルは、天使族から向けられる尊敬の眼差しに少し照れながらも、笑って言った。「素材ってのは、使ってこそ価値があるからな。喜んでもらえたなら、それで十分だ」


 リヒトが通訳するとその言葉に、天使族の長は深く頭を下げた。


 こうしてカイル達は、天空都市でさらに厚い信頼を築いていくのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ