表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

208/253

第205話 戻る命、違うもの

 中央ダンジョン・中層、魔境の塔・内部。


 メデューサの消滅と同時に塔の中に満ちていた"呪い"がほどけていく。


パキン……パキパキ……


 無数の石像にヒビが入り、砕け落ちた。


「……え?」


 次の瞬間、中から"人"が現れた。倒れ込む者、息を荒げる者、状況が分からず混乱する者。


「……生きてる?」

「ここは……どこだ……?」


「戻った……!」ナルサが目を見開く。


「石化解除、全域に波及」ヒカリが淡々と分析する。


 しかし、「うっ……!」と多くがその場に倒れ込んだ。


「重傷者が多いわ!」母がすぐに動く。


 カイルも周囲を見渡した。骨折、裂傷、衰弱。「……数が多すぎるな」


「これ……全員助けられるの?」ナルサが青ざめる。


「助ける」カイルは即答した。振り返る。


「メイド、全機起動」


ガシャン!!


 ゴーレム馬車が開き、大量のメイドゴーレムが一斉に展開された。


「負傷者確認」

「優先順位設定」

「治療開始」

 

 まるで戦場の医療部隊だった。


「……すごい」ナルサが呆然と呟く。


 ヒカリも動く。風で空間を整え、呼吸を補助する。父も周囲の安全を確保した。ディスプレイには【警戒】の文字。


 その様子を見ながら、ナルサがふと違和感に気づく。


「……あれ?」


 カイルを見る。「さっき……」少し迷ってから言った。「ヒカリと、あなたのお母さんと、お父さん。石化しなかったよね?」


 空気が一瞬止まる。


「そういえば?」リーナが首をかしげる。


「言われてみれば」キキも腕を組んだ。


「普通は……見たら終わり。なのにあの人たちは平気だった」ナルサは真剣な目で言う。

 カイルは少しだけ黙りぽつりと言った。


「……人間じゃないからな」


 ナルサが固まる。「……え?」


 ヒカリは何も言わない。母は優しく微笑むだけ。父のディスプレイが光った。【不問】。


「まぁ、そういうこと」キキが苦笑する。


「うち、いろいろいるよ!」リーナが元気に言った。


 ナルサはしばらく言葉を失い。そして、どこか吹っ切れた顔で笑った。


「……なるほど」


 納得したのか、諦めたのか。


 その間にも「次、こっち!」「止血完了」「魔力供給開始」とメイドゴーレムたちがフル稼働していた。


「処理能力、限界近い」ヒカリが言う。


「優先順位を維持しろ」カイルが指示を出す。


「私も手伝う!」ナルサも動き出した。


「お願い」母が頷く。


 塔の中は戦場から救護所へと変わっていた。

 助ける命、多すぎる命。しかし誰も諦めない。

 カイルはその中心に立っている。


「……生きてる奴、全員、連れて帰るぞ」


 静かで絶対の言葉だった。

 救出作戦は、まだ終わっていない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ